美容師アシスタントの仕事内容ってどんな内容なのかいまいちわからないという方も多いはず。今回は「過酷」と言われる美容師アシスタントの仕事内容や「大型店」・「個人店」ではアシスタントの働き方がどのように変わってくるのかを検証してみました。
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美容師アシスタントの仕事が過酷と言われるのはなぜか
美容師アシスタントという仕事はなぜ過酷というイメージがついているのでしょうか?それは実際に経験してみるとよくわかります。基本的にアシスタントという立場からスタートをする仕事は色々ありますが、その中でも美容師アシスタントの仕事内容というのは非常に過酷です。
では具体的何が過酷なのでしょうか?
- 労働時間が長い
- 給料が少ない
- お昼が食べられない
- 夜遅くまでの練習がキツイ
- シャンプーばかりして手荒れする
等々、美容師の過酷さを挙げていくとキリがないくらいに大変なことが山積みな仕事なのです。理不尽なことも多々ありますが、お客様から初めて「ありがとう」と言われたときの嬉しさというのは美容師にとって「生涯忘れられない思い出」だったりします。なので、やりがいという面では非常に魅力的な仕事なのです。
個人店と大型店での美容師アシスタントの働き方の違い
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一般の方であれば「どちらも同じ美容室なんだから一緒でしょう」と思うかも知れませんが実は大きく違うところがあります。また、1年目の美容師アシスタントとスタイリストデビューを控える3〜4年目の美容師アシスタントでも働き方が大きく変わっていきます。まずは個人店の場合を時系列で見ていきましょう。
美容師アシスタント1年目(個人店)
基本的に個人店で美容師アシスタント業務をする場合、ほとんどのサロンが「シャンプー」から技術を教えていきます。個人店の場合はオーナーが実際にサロンに出ている場合が多く、その店ごとのシャンプーのマニュアルを学んでいくことになります。
個人店の場合は人数が少ないので、スタイリストも早く色々な業務をアシスタントに任せたいとおもっている場合が多いので、早い美容師で3ヶ月から半年ほどでシャンプーを卒業することが多いようです。その後カラーの塗布などから薬剤を使った業務に入っていくことになります。
美容師アシスタント2年目(個人店)
カラーの塗布や、トリートメントなどより美容師らしい業務に入ることができるようになると、成長の嬉しさも有りながら責任感をより一層持って取り組まないといけません。2年目くらいから各スタイリストの癖(カラーの配合や、塗り方など)がわかってくるようになります。この後基本的にはストレートパーマやブローなどを学んでいきます。
美容師アシスタント3年目(個人店)
一通りのカット以外の技術を覚えてくると、ようやくカットの練習に取り組むようになります。ここで大変なのが今までの技術よりもカットは「理論的」に考えることができるようにならないと上達するスピードが上がらないため、感覚で覚えるというよりも、より頭を使って練習をすることになっていきます。
スタイリストデビューをするまでに明確な基準があるというよりは、営業中の空いている時間に自分の顧客を呼んで対応をしていくことが多くなり、下のアシスタントで業務が回るようになっていくと自分の時間が増えていきます。
個人店美容室の働き方まとめ
- 主にスタイリストがマンツーマンで練習を見てくれるところが多い
- 任される業務のスピード感が早い
- 人数が少ないので、人間関係がシンプル
などが挙げられます。個人店の場合は経営者のオーナーのすぐそばで働けることが多く、将来自分も個人経営をしていきたいとおもっている美容師になりたいアシスタントには経営と技術のどちらも近くでみることができるので魅力的でしょう。
大型店の美容師アシスタントの働き方は個人店とどう違う?
大型店の美容室というとどの程度の規模から大型店と定義するかが問題ですが、ここではスタッフが30人を超えた段階で大型店と定義します。多くの美容師を雇っている美容室は「お店を大きくすること」で売上を安定化し、スタイリスト〜ディレクター〜マネージャーと一般企業のように昇格していくシステムがある美容室がほとんどです。
そんな多くのスタッフを抱えた美容室のアシスタント業務は個人店とどのように違いが出るのか見ていきましょう。
美容師アシスタント1年目(大型店)
大型店の美容師アシスタントも最初はシャンプーから技術を覚えていくところがほとんです。しかし、個人店と違って1年間はシャンプーしかさせてもらえないサロンなども大型店では出てきます。
多くのスタイリストとアシスタントがいる美容室になる程、アシスタントができる業務というのは分担化され、1年目は雑用とシャンプーなどで終わってしまうところもあります。その中でいかに同期の中でも勝ち抜いていくかが重要になってきます。
美容師アシスタント2年目(大型店)
2年目になっていると、ようやくカラーの塗布や塗り物(薬剤を使った技術)ができるようになります。これも各技術ごとに明確な基準があり、クリアした人だけスタイリストのヘルプに入ることができるので、いかに練習をしてテストを受かるかが重要です。
練習嫌いで、テストに受からない美容師アシスタントは入れる業務が少ないので、シャンプーに回ることが多いです。
美容師アシスタント3年目(大型店)
3年目でストレートパーマやワインド、ブロー等のより専門的な美容の技術を学んでいきます。一通りの技術のテストに受かればようやく「カット」の練習を始めることができる状態です。そのため個人店に比べるとカリキュラムがしっかりとしているのでスタイリストデビューまでが時間がかかる傾向が強いでしょう。
大型店美容室の働き方まとめ
- 業務が分担されているので、技術チェックに通っていないヘルプには入れない
- スタイリストが多数在籍しているので、さまざまな技術を勉強することができる
- 個人店と比べて美容師が多いので人間関係が複雑
美容室の個人店と大型店のメリット・デメリットとは
いざ美容室に就職をするという際には、求人を見て受ける美容室を選ぶと思いますが、気になるのが個人店と大型店のメリット・デメリット。自分が最終的にどのような美容師になりたいかを左右する重要な選択になってくるので確認をしておきましょう。
・個人店のメリット
毎日自分が練習する気があれば、マンツーマンで見てくれるところがほとんどです。早くスタイリストになって店に売上をあげてほしいとオーナーは思っているので、練習に関してはとても親身に見てくれるでしょう。大型店と比べて自分より上の美容師がそこまで多くないので、スタイリストデビューをした時に「新規の取り合い」などになりにくい傾向があります。
・個人店のデメリット
スタッフの人数が少ないので、多くの美容師の技術を盗むことができないことです。限られた美容師のカットのやり方や、カラーの配合などしか「見て学ぶ」ことができないので、自分から外のセミナー等に参加してしっかりと自身の客層にあった技術をインプットする必要性があります。
・大型店のメリット
多くのスタッフが練習を見てくれるので(比較的)様々な技術を勉強することができます。偏った勉強の仕方にはなりにくく、いろいろな美容師の技術を均等に学ぶことができます。また、スタイリストデビューまでが明確なため、自分の技術がどの程度なのかのラインをしっかりと把握することができます。
・大型店のデメリット
個人店のように、自分のペースで学んでいくということが難しい場合があります。どんどん新卒が入ってくるような美容室だと下が詰まってしまうのである程度のスピード感を持ってテストに合格していく必要があります。
福利厚生はどうなっている?やはり大型店が安定か
美容師の働き方で必ず話題になるのが「福祉厚生」がしっかりしているところがあまりにも少ないという現実です。基本的に常時5人以上のスタッフを雇っている美容室になると「社会保険」に加入する義務が発生します。
ですが、現状では個人店の場合、人数が基準値を超えていても社会保険に加入せず、使用者本人が国民健康保険&国民年金(美容室が東京か大阪にあり、個人経営の場合は東京美容国保・整容国保という場合もあります。)に加入して全額自己負担をしているところがほとんどです。
これに比べて大型店やFC展開をしているような大規模美容室などは、社会保険に入っている事業所が多く見受けられる傾向が強いです。人数が多い美容室であれば売り上げも安定してくるので、会社が半分負担をする社会保険に加入している美容室が多いようです。
美容師アシスタントの働き方は美容室の形態によって変わる
さまざまな美容室がある中で、「個人店」と「大型店」での美容師アシスタントの働き方に違いがあることが理解できたでしょうか。もし今の美容室が自分に合っていないと感じるようであれば、美容室の形態が合っていないという可能性も考えられます。
これから美容室を探す方も自分が将来的にどのような美容師になっているかをイメージして、個人店と大型店のどちらに入った方が良いのかを確認してみてはいかがでしょうか。
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