女性美容師特有の問題の1つに、妊娠後の退職・産休があります。
妊娠した際、勤め先の美容室への妊娠報告や産休までのスケジュール、お客様への報告など考えることは様々です。
産休を取るにしても、復帰の仕方が分からないと安心して休めません。
また、産休に入るまで施術をしても体に影響はないのかなど悩みは尽きません。
今回は、女性美容師の妊娠にまつわる様々な悩みについて、辞めたいの前に読んでほしいことをまとめて詳しく解説します。
美容師特有の問題。妊娠中のカラー施術やパーマ施術は大丈夫?
妊娠中のカラー施術やパーマ施術の問題について解説します。
妊娠中にカラー施術やパーマ施術をしても大丈夫?
施術に使用する薬剤の刺激臭を心配して、妊娠中に施術をして良いのか悩む人もいます。
しかし、薬剤自体が胎児に悪い影響を与えるという研究などはありません。
これは施術をするスタッフだけでなく、妊娠中のお客さんも同様です。
ただし、長時間の立ち仕事や臭いの関係で、お腹が張っていたりつわりで気分が悪い時に無理をするのはやめた方が良いでしょう。
妊娠中はパートタイムにした方が良いの?
妊娠中は体調がすぐれないことも多く、つわりなどの関係で急に気分が悪くなることもあります。
そのため、フルタイムで働くのを辞めてパートタイムにしてもらう人もいます。
妊娠初期から安定期までは特に体調の変化が激しいため、体への負担は避けた方が良いです。
安定期に入るまでは、前かがみになるシャンプーを他のスタッフに任せたり、長時間経ちっぱなしにならないように工夫しましょう。
妊娠したので美容室を辞めたい!の前に。政府が推奨する産休制度とは
美容室を辞める前に考えてほしい、産休制度取得について説明します。
産休制度ってどんなもの?
産休制度は労働基準法で定められており、すべての働く女性に認められた権利です。
産休前産後休業ということで、産前は出産の6週間前から、産後は出産から8週間後までの期間中休むことが出来ます。
美容師でも産休は取れるの?許可しないのは違法って本当?
産休制度はすべての女性に認められている権利です。
たとえ雇い主に休まずに働いてくれと言われたとしても、産休を取ることは権利なので許可しないことは法律で禁止されています。
産休を取る権利は派遣やパート、アルバイトなどの非正規雇用の人であっても変わりません。
休暇を取ることに不安を感じる人もいるかもしれませんが、安心して産休を取ってください。
女性美容師が妊娠した時の5つの流れ
女性美容師が妊娠した際の仕事復帰までの5つの流れについて説明します。
1.まずは出産までのスケジュールを考える
妊娠が分かった段階でまず考えてほしいのが出産までのスケジュールです。
出産予定日から逆算し、妊娠報告や安定期までの働き方、安定期後の働き方、産休、職場復帰までのスケジュールを立てましょう。
スケジュールは細かくきっちり決める必要はありません。
漠然とで良いので、だいたいの予定を決めておくと産休までの流れがスムーズです。
2.まずは勤める美容室に妊娠報告
妊娠が分かったら、まずは美容室に報告しましょう。
安定期に入るまで体調の変化も大きいので、仕事で難しいことが出てくることもあります。
美容室や雇用主側に事情を説明し、今後の働き方についても話し合っておきましょう。
3.サロンのお客様にもご報告を
美容室で担当しているお客様がいる場合、急に指名している美容師が産休に入ったら戸惑われてしまいます。
突然指名していた美容師がいなくなって失礼だと感じられるお客様もいらっしゃるため、事前にきちんとご報告しておきましょう。
お客様へのご報告だけでなく、同時に別のスタッフへの引継ぎも忘れないようにしましょう。
4.美容室によっては産休を。
産休は出産予定日の6週間前からとれますが(双子の場合は14週間前から)、直前に産休の話をするのはやめましょう。
できれば、妊娠を報告するときに話すのがベストです。
法律的には産休は権利ですが、復帰後のことも考えて仕事の引継ぎなど職場に出来るだけ支障が出ないようにきちんと話し合っておきましょう。
また、社会保険に加入している場合は健康保険組合から出産一時金が支給されます。
国民健康保険に加入している場合に支給してくれるのは各自治体です。
他にも産休中に収入が途切れても、出産に伴う休業をカバーしてくれる出産手当金の支給もあります。
5.育休後、美容師として復帰!
産休だけでなく、育休も取得していた場合は最長で子どもが2歳に達するまで休業できます。
美容師として復帰後は、スタッフやお客様に報告し、再びよろしくお願いしますと挨拶をしましょう。
妊娠報告のタイミングは安定期以降がいい?安定期前での報告をおすすめ。
美容室やお客様への妊娠報告のタイミングについて解説します。
妊娠報告のタイミングは?安定期以降だと遅い?
妊娠報告は出来るだけ早めがおすすめです。
安定期に入るまでも体調の変化などで仕事に支障が出ることもあるため、事情を周りのスタッフに知ってもらっておくことが大切です。
また、今後の流れを早めに話し合っておくことで周りに頼りやすくなります。
産休を取る場合は引継ぎなどの話し合いも必要なので、妊娠が分かったら出来るだけ早く雇用主に話しましょう。
お客様への報告はいつがいいの?
お客様への報告は安定期でも大丈夫です。
産休・育休に入る場合は産休の一ヶ月半前には伝えておいた方が良いでしょう。
ただし、つわりなどで体調を崩すようでしたらお客さんにあらかじめ話しておいた方が気持ちが楽な場合もあります。
妊娠を気に美容師を辞める・退職したい方におすすめなフリーランス美容師という選択
妊娠をきっかけに美容師を辞める・退職したい方におすすめなフリーランス美容師について解説します。
フリーランス美容師とは?
フリーランスの美容師とは、美容室などの特定の組織と雇用契約を結ばずに活動する美容師のことです。
個人事業主として、面貸しで活動したり、業務委託の形での働き方が基本です。
美容室を辞めてフリーランス美容師になるのも選択の1つ!
フリーランス美容師のメリットは、時間や日数による拘束を受けずに働き方が自由になる点です。
妊娠、出産後は子育てなどで生活リズムが変わると、職場復帰しても通常の働き方が難しいこともあります。
業務委託などの契約内容は変わってきますが、正社員として働くよりも精神的にも楽です。
最近は働き方も多種多様になってきています。
妊娠をきっかけで美容師を辞めたいと思っている人はフリーランスでの働き方も検討してみてください。
最後に:立ち仕事の女性美容師さんにとって妊娠は不安なもの。万全の準備で
美容室の仕事は立ち仕事が多く、女性美容師さんにとって妊娠は不安なものです。
しかし、働けないからといってすぐに仕事を辞めてしまうのは今までのキャリアのことを考えると勿体ないです。
産休はすべての女性の権利ですので、雇用主やスタッフさんとしっかり話し合って妊娠後ことを決めてください。
また、働き方も多様化しているのでフリーランス美容師など自分に合ったライフワークを探してみるのも良いかもしれません。