鮮やかな色を髪に定着させるカラー剤は、壁や床についてしまうと簡単に取れなくなる強い染色力を持っています。
また、肌荒れやアレルギーを引き起こす刺激の強い成分が含まれているので、肌についたまま放置しておくのも良くありません。
今回は、カラー剤が肌や壁・床についてしまったときの落とし方や対策を紹介します。
カラー剤がついてしまったときはすぐに対応する!
カラー剤がついてしまったときの対応方式と深刻度は、床・壁についた場合と肌や爪についた場合で異なります。ただし、どちらしてもすぐに対応した方が素早く綺麗に落とせることが多いです。
床や壁についたときはスピード勝負
床、壁、洗面台、浴槽、じゅうたんなどにカラー剤がついた場合、時間が経つほど落とせなくなるので素早く対応することが重要です。
また、水が浸透する素材についた場合は完全に落とすことが難しく、落とせたとしても素材を傷つけたり変色させてしまうことがあります。
万が一カラー剤がついても大丈夫なように、事前に対策しておくことも重要です。
肌を痛めないように手早く落とす
肌や爪にカラー剤がついても、皮膚の新陳代謝や洗顔・入浴によって数日〜1週間程度で自然に落ちます。
ただし、カラー剤がついたまま放置すると落ちにくくなる上に肌トラブルの原因にもなるので、気付いたらすぐ洗い流した方が良いです。
また、すぐに落ちないからといって強くこすったり、刺激の強い洗剤や薬品を使うと、かえって肌を痛めるので注意しましょう。
床や壁についたカラー剤の落とし方
本項では、カラー剤が床や壁についてからそこまで時間が経っていないときの落とし方について紹介します。
気付いたら直ぐにふき取る・洗い流す
カラー剤が付着してから時間が経つほど色が濃くなり定着してしまうので、とにかく気付いたら直ぐにふき取る、お風呂場や洗面台なら洗い流しましょう。
完全に落とせなかったとしても、カラー剤の強い染み込みを和らげる可能性があります。
中性洗剤・弱アルカリ性洗剤で洗う
カラー剤がついて時間が経っていなければ、中性洗剤や弱アルカリ洗剤、石けんなど、洗浄力が強すぎない洗剤でも落とせる場合があります。
お風呂場や洗面台であれば、普段のお掃除で使う洗剤で洗うことで素材を痛めにくいです。
お部屋の床や壁についてしまった場合も、洗浄力や研磨力が強すぎない洗剤を使うことで、素材の傷付き・色落ち・変色を防ぐことができます。
中性洗剤で有名なのはアタック ゼロです。100均でも取り扱っている重曹も弱アルカリ洗剤ですので、重曹を使ってみるのも良いですね!
メラミンスポンジでこする
カラー剤の汚れや染みつきが強いときは、研磨作用が高いメラミンスポンジでこすることで落とせる場合があります。
また、クリームクレンザーや歯磨き粉など研磨剤が含まれる洗剤を併用することでより強い洗浄効果を得ることもできます。
ただし、研磨作用が高いものは素材を痛める可能性があります。具体的は下記のような点に注意です。
- 浴槽や洗面台などツルツルした表面に傷がつく
- フローリングの床に傷がつく、色落ちする
- 壁紙の模様や柄が消える
- 鏡の曇り止めなど、素材の表面加工に傷がつく
メラミンスポンジで有名なのは皆さんご存知の激落ちくんです。
肌や爪についたカラー剤の落とし方
本項では、肌や爪にカラー剤がついたときの落とし方を紹介します。皮膚を痛めないよう無理せず手早く落とすのがポイントです。
部位別基本の落とし方
まずはカラー剤がつきやすい体の部位別に基本の落とし方を紹介します。
手や爪についた場合
石けんで手を優しく洗い流す、または石けんをやわらかいタオルにつけてふき取るように洗いましょう。肌を傷つけないよう強くこすらないのがポイントです。
また、爪の間や肌の溝など細かい部分はやわらかい爪ブラシで洗うと落としやすいです。
顔についた場合
メイク落としやクレンジングクリームをなじませてからふき取るか洗い流します。その後、普段使っている石けんや洗顔料で洗います。
色が落ちにくいときは、やわらかいタオルに石けんを泡立て、やさしくこすり洗うのも効果的です。
耳や髪の生え際など洗いにくい部分についたときは、水の染み込んだコットンなどでふき取りましょう。
頭皮はシャンプーだけでOK
頭皮は毛穴から出る皮脂に守られているので、カラー剤がついて取れなくなる心配はありません。シャンプーで優しく洗えば落とすことができます。
肌や爪に使えるおすすめグッズ
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「カラー剤が目立つ所についてしまって早く落としたい」、「時間が経ってしまった強い汚れをすぐに落としたい」といった場合に使えるおすすめグッズを紹介します。
カラーリムーバー
カラーリムーバーとはカラー剤の染料を落とすための薬品で、美容室でも使われることが多い製品です。カラー剤の色落とし専用の薬品なので、強い汚れでも確実に落とすことができます。
カラーリムーバーは業務用の製品が多いので、一般家庭で使用する場合は用法をしっかり守る必要があります。
また、色落ち力が強い分肌への刺激が強い製品も多く、敏感肌の方は注意が必要です。顔に使用する場合は目に入らないようにしましょう。
オイル
メイク落としのクレンジングオイルや、オリーブオイルやココナッツオイルなどの食用オイルやベビーオイルなど、オイル製品には染料を落とす効果があります。
カラー剤がついた部分にオイルを塗布し優しくマッサージすることで、汚れを浮き上がらせることができます。
天然由来の肌に優しいオイルなら、ヘアオイルや保湿用など幅広い用途に使用することもできおすすめです。
カラー剤の重ね塗り
美容師が行う裏技的な方法として、カラー剤を重ね塗りして汚れを浮かせるやり方があります。
カラー剤がついてしまった場所の上から再度カラー剤を塗り、手早く乳化させてから洗い流すことで落とすことができます。カラー剤が乾く前に素早く洗い流すことがポイントです。
肌や爪についた時の注意点・NG行動
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肌や爪についたカラー剤を落とすときに、皮膚を傷つけてしまう可能性のある行動や製品についてまとめて紹介します。
研磨作用のある製品を使う
メラミンスポンジや歯磨き粉など、研磨作用の強い製品を使えば確かにカラー剤はよく落ちます。しかし肌や爪を強く削ることになりますので、おすすめはできません。
肌の中の真皮を傷つけて傷跡が残ることもあります。カラー剤を落とすときは、肌や爪専用の製品を使うようにしましょう。
爪用や衣料用の製品を肌に使う
ネイルリムーバーや除光液など爪用の薬品や、衣料用の漂白剤などを肌に使うのは絶対にNGです。肌には刺激が強すぎて単に荒れるだけでなく、重度の肌トラブルにつながる恐れもあります。
ついたカラー剤を放置する
カラー剤を強く洗いすぎるのは良くありませんが、反対に洗わず放置しておくのも問題です。カラー剤の刺激が肌荒れやかぶれの原因になることがあります。
また、カラー剤に含まれる酸化染料という物質がアレルギーを引き起こすこともあります。カラー剤がついたときは、完全に落とせなかったとしても洗って薄めることが重要です。
時間が経ってしまったときのカラー剤の落とし方
カラー剤は床や壁について時間が経ってしまうと、そう簡単には落とせなくなります。本項では、染み付いてしまったカラー剤を落とす方法をご紹介します。
塩素系漂白剤を使う
カビキラーやハイターなど、塩素系漂白剤の強力な洗浄力で床や壁に染み付いたカラー剤を落とせる場合があります。
シミに直接吹き付ける
カビキラーなどスプレータイプの塩素系漂白剤をカラー剤のシミに直接吹き付ける方法で、浴槽や洗面台など直接洗い流せる場所で使いやすいです。
汚れの強さに合わせて、吹き付けた後長い時間放置することでより綺麗に取れます。洗い流した後にメラミンスポンジ等でこするとより確実です。
水で薄めて染み込ませる
ハイターなど液体タイプの塩素系漂白剤を薄めて使う方法で、強い汚れでも落とせる可能性があります。
漂白剤の使用用法通りに水で薄め、コットンやキッチンペーパーに染み込ませて汚れの上に乗せてラップで蓋をし、30〜1時間程度置いた後に水で洗い流します。
塩素系漂白剤を使うときの注意点
塩素系漂白剤は洗浄力が強力な分劇薬なので、使用するにあたってはいくつか注意点があります。
- 床や壁の色落ちや傷付きを起こすことがあるので、目立たない場所で試す
- 酸性の洗剤や薬品と混ざると有毒ガスが発生して危険なので、絶対に他の製品と混ぜない
- 手につかないようにゴム手袋やビニール手袋をする。肌についたり目に入らないよう気を付ける
- 換気をしっかりしてマスクを着用する
製品に記載された使用方法や注意書きをしっかり守って使いましょう。
塩素系漂白剤以外の方法
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塩素系漂白剤以外の方法としては下記のようなものがあります。
ヘアカラー専用クリーナーを使う
ヘアカラー汚れ専用のクリーナーが販売されていて、床や壁の頑固な汚れ落とし効果が期待できます。ただし、漂白剤より確実に洗浄力が高いとは言い切れません。
車用コンパウンドを使う
車の傷消し用のコンパウンドなど、強力な研磨剤を使用して汚れを削り取る方法です。床や壁の色や柄を剥がしてしまうこともあるので注意しましょう。
張り替え・上塗り
畳など吸水性の高い素材の場合汚れを完全に落とすことが難しく、張り替えるしかない場合もあります。また、フローリングや壁紙を張り替えて汚れを完全に消すという方法もあります。
また、フローリングの床や木製の壁であれば、似た色を上から塗ることで汚れを目立たなくさせるという方法も可能です。
カラー剤がついてしまわないように事前に対策をしよう
カラー剤がついてしまったり万が一飛び散った時のために、事前にできる5つの対策を紹介します。
クリームを塗っておく
額の生え際や耳、首などカラー剤がつきやすい場所に、あらかじめ油性のクリームを塗っておくことでカラー剤がついても落としやすくなります。
ただし、髪にクリームがついているとその部分に色が乗りにくくなるので気を付けましょう。
ふき取るものを近くに用意する
カラー剤がついてしまった時にすぐふき取れるように、肌についたとき用のティッシュペーパーやコットン、床や壁用に濡れたタオルなどを近くに置いておきましょう。
新聞紙やビニールで覆う
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カラー剤が床や壁に飛び散った時の被害を抑えるために、床や壁を新聞紙やビニールなどで覆いましょう。
また新聞紙を敷きにくい浴室で染める場合は、壁や浴槽をあらかじめ濡らしておくことでカラー剤のシミが残りにくくなります。
ゴム手袋やシャワーキャップを活用する
染料がついたままの手袋で物を触ると汚れてしまうので、染め終わったらすぐゴム手袋を捨てるようにして防ぎましょう。
また、染め終わった後の放置時間中に髪から液が落ちてこないように、シャワーキャップをかぶって防ぐのも効果的です。
汚れが落ちやすいカラー剤を選ぶ
カラーシャンプーやトリートメントタイプの製品には、比較的汚れが落ちやすいカラー剤もあります。髪を染める力もそこまで強くない分、肌に優しい製品も多いです。
まとめ
カラー剤によるシミや汚れは一度ついてしまうと落ちにくくやっかいですし、肌トラブルの原因にもなります。
また、カラー剤落としに使う薬品やグッズも、用法・用量を守った安全な使い方を理解するのが重要です。
しっかり対策・準備をした上で、カラー剤がついてしまっても素早い対応ができるように、今回の記事が参考なれば幸いです。