【保存版】インボイス制度でも業務委託美容室は終わらない?業務委託サロンオーナー&美容師さん必見。インボイス制度について試算表を作って税務署に確認してみた。

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どうもKAMIUです。インボイス制度は皆さんご存知でしょうか。。

一部では「業務委託美容室が終わるかもしれない」というような内容で伝聞されていることが多いこちらの制度…。
言われているのは下記のような内容のもの。

  • インボイス制度の導入で、報酬が10%相当が下がる可能性がある
  • 業務委託のメリットである「高収入」という部分が薄くなる
  • 業務委託サロンが厳しくなるかもしれない

10%相当報酬が下がるのは、確かに影響が大きすぎる…ということで、顧問税理士さん&国税局にKAMIUで聴いてみました。

そもそもインボイス制度とは?美容室オーナーさんも必見。簡単に図解してみた。

そもそもインボイス制度とは何なのでしょうか?簡単に図解化してみました。

これでもちょっと分かりづらいんですが、、まとめると下記のようなイメージになります。
■今まで:
・今までは業務委託サロンは「消費税込み」で業務委託美容師さんに報酬を支払っていた。
・多くの美容師さんは年の報酬額が1000万円未満なので、免税事業者となり、消費税は支払わずに済んでいた。
・美容室側は美容師さんに支払った分の消費税を「消費税の仕入れ控除」として申告できていた。

■インボイス制度導入後:
・美容室側が消費税の仕入れ控除を行う場合は、「課税対象事業者」への支払い分のみとなる
・なので今までのように免税事業者の美容師に対して支払った分を、消費税控除としては計算できなくなる。
・美容師が「免税事業者」か「課税事業者」かで、美容室側の利益に影響が出る

まるっというと、元々「おまけ」されていた消費税の扱いが厳しくなるという制度です。
開始は2023年10月を予定。まだまだ先、という感じではありますね。

インボイス制度の結論:業務委託美容師&美容室オーナーはまだ眠らない。

早速ですが、インボイス制度に関する結論を述べてみます。
インボイス制度の導入で業務委託サロン、業務委託美容師が終わる、という結論はない可能性が高いです。
影響度合いとしては、サロンオーナーは「影響無し」or 「11%程度の利益減少」、美容師側は「5%の報酬減」 or 「影響なし」というのが現実的なようです。

美容師側ですが、サッと試算してみました。売上80万で歩合40%の場合の比較表です。

課税事業者になれば年収が-5%程度で収まります。また、オーナーさんから歩合2%ほど引き上げてもらえれば今までと変わらない報酬になります。

つづいて、サロン経営者側の導入前後を比較してみました。

オーナー側も美容師さんに「課税事業者」になってもらえば、今までと変わらない利益の維持も可能。
報酬を今まで通り維持させてあげるために2%歩合を増額した場合は、利益が11%程度減少になります。

ということで、インボイス制度の導入で「消費税がまるっと負担になり、10%報酬が下がる」というのは、インボイス制度に対して対策を何もしなかった場合に限るというのが正解なようです。
そもそも、この程度の利益圧迫で潰れるような業務委託美容室は、インボイス制度の有無どちらにしても経営悪化していた可能性が高いですね。。

インボイス制度の導入で美容室にどんな影響があるのか聴いてみた

ちなみに今回、誤った記事を配信しないように、国税局&税理士の先生にもヒアリングを行いました。

確認方法は下記の流れ。

  1. 簡易的な業務委託美容師の報酬表/サロン側の試算表を作成し、インボイス制度導入前後で比較
  2. 税理士さんや国税局にも上記のシミュレーションを送り、考え方に間違いがないか確認

税理士さんは「課税仕入の控除すれば消費税負担は抑えられる」

一番身近なKAMIUを見ていただいている税理士の先生に見ていただきました。
反応は下記・・・・!

概ね計算は間違っていないとのことです。
KAMIUも聞き慣れない「簡易課税制度」という表現が出てきました。
この制度のおかげでインボイス制度でも業務委託美容師は終わらない結果になるということに気づけました。

業務委託美容師が使える「簡易課税制度」とは?

簡易課税制度とはざっくりいうと、仕入額をざっくり計算して、その分を消費税に控除できますよというもの。
下記のように業種ごとに仕入れ控除できる金額が決まっています。


引用:中央会計株式会社

美容師業はサービス業なので50%は仕入れだったと計算できるということです。
つまり、消費税の負担が50%減らせます
この制度を利用することで、まるっと消費税分10%を負担するという悲しい結末を避ける事ができるのです。

国税局電話相談窓口「簡易課税申告を行えば、仰っている内容で概ね問題ない」

続いて、、税理士の先生が苦手分野とのことだったので国税局の電話窓口にかけてみました。
電話で内容を伝えたところ

?‍?「考えた方に関しては間違いはない。美容師さんが課税事業者になれば5%程度の消費税負担で済むという計算はあってますね。」
?‍?「一点だけ、、『免税・課税どちらがお得か』という表現ですが、元々免税事業者分の消費税も仕入れ控除できていた現状がおかしかったので、それを是正したというのがインボイス制度になります。お得か、、というのではなく正しく税金を納めて頂くという考えの方がよろしいかと思います」
?‍?「インボイス制度自体、まだまだ先なので近くなってきたら備えて頂く、というのでもよろしいかと思います。インボイス制度自体の問い合わせ件数も現状はそこまで多くないですね。」

とのこと。元々がボーナスタイムだっただけで、それを正しくする、、というのがインボイス制度なんですね。

インボイス制度・消費税の相談は、国で無料でヒアリングできる

このあたり、ネットでいろんな議論が飛び交ってますが、国税局で無料で電話相談ができるようです。
下記で案内して頂けるので、興味ある美容室オーナーさんは聴いてみてもよいかもしれません。

国税局 電話相談窓口

美容室ディーラーさんも正しい知識を。無闇に「インボイスが大変だ」と伝えるだけでなく、試算表という武器を。

「インボイス制度 業務委託美容室」などで調べると、結構怖い記事が多く飛び交っています。

一部では歩合を70~90%にあげないと報酬維持できないというような投稿もあったり。。。

美容室ディーラーさんの間でも「インボイス制度、やばくないですか?」という声は非常に多く聴きます。
このあたり、「数字なしの議論」ではなく、きちんと数字でシミュレーションした上で潰れるか・潰れないか、業務委託サロンが終わるか・終わらないか議論できたほうがいいなと、今回の件で感じました。

…ということでKAMIUで比較表を作りました。(国税局に確認したやつ)

需要あればですが…、、明後日から配布しようと思いますので、ご希望の方はフォームまで!

最後に:インボイスがやばいのではなく、今までが業務委託美容室がボーナスタイムだった

最後にですが、インボイス制度がやばいのではなく、単純に納めるべき消費税を収めようという制度が今回のもインボイス制度です。

インボイス制度の導入で潰れるくらいの美容室なら、既に潰れてるといっても過言ではありません。
インボイス制度、いろいろな憶測・議論が進んでましたが、下記の結論が正しいかと思います。

■美容師さんへの歩合がそのままの場合
美容師側:消費税分として5%程度の報酬減
美容室オーナー側:特に利益変わらず

■美容師さんの「手取り報酬」をインボイス制度導入前水準で維持させる場合
美容室オーナー側:売上に対する歩合を2-4%増額させる(その場合、美容室側の利益は11%~減少する可能性)

消費税関係、知識も薄かったので中々調査に時間がかかってしまいました。。
Twitterでいいね頂いた方ありがとうございました。

インボイスシミュレーターの配布はこちらから
正社員サロンvs業務委託サロンの税金の違いとかを今度は記事にしてみたいですね。