こんにちは!小規模サロン・美容室経営をされている方やこれから小規模サロン・美容室を開業することを検討している人もいることでしょう。この記事ではそんな小規模サロン経営について詳しく解説していきます。
小規模サロン・美容室経営のメリット
小規模サロン・美容室経営のメリットは何があるのでしょうか?
開業資金・テナント費用が安くて済む
まず小規模サロンは開業資金が少なくて済むことが大きなメリットになります。小規模美容室経営の場合は10坪から15坪であれば開業資金は1000万円より少なくて済みます。美容室を開業するとなると1000万円以上はかかってしまいますが、小規模で良いのであればそれほどはかからないでしょう。
またテナント費用が安くて済むことも大きなメリットになります。借金してある程度の大きさのお店を開業した場合には毎月借金を利子付きで返済しなくてはなりません。これは結構負担になります。
費用を安くすれば月収が増える
美容室は材料費、光熱費、毎月の返済、家賃など経費が結構かかってしまいます。小規模経営の場合、生産性を高め費用を安くしてしまえば自分の手取り額は高くなっていきます。小規模サロン・美容室の方が利益率を上げやすいというポイントもあります。
小規模サロン・美容室経営のデメリット
人が集まらない・社員が定着しない
小規模美容室経営で最も難しいのがなかなか従業員・人が集まらない、社員が定着しないという問題です。やっと集まった、社員が定着したと思っていても3年くらい経つと「独立したいので辞めます」「他のサロンに移ることになりました。今までありがとうございました」といった社員の離脱が起きます。正直これは日常茶飯事に置きます。手塩にかけて育てても「もしかしたら可愛がっているこいつの辞めるかもしれないな」と社員に対して信頼しきれない面がでてくるかもしれません。社員との葛藤がポイントとなります。
席数を簡単に増やせない
小規模で開業してしまうと簡単に席数を増やしたりすることができません。意外とお客さんが入ったりすると席に案内できないため予約時間を変更したり、予約を断らなければならないといった場合もあります。
大手サロンにお客さんが流れてしまう
大手サロンにお客さんを取られてしまう可能性があるのが、小規模サロン・美容室のデメリットです。最近ではホットペッパービューティーに広告掲載を依頼する美容室が多いですが、ホットペッパーに広告を掲載したからといってもホットペッパーに多額のお金を支払った美容室、つまり資金力のある大手サロンが検索上位に掲載される可能性があり、小規模サロン・美容室がホットペッパーに広告を出しても費用対効果が悪いです。なので結果として大手サロンにお客さんが流れてしまいます。これは小規模サロン・美容室の宿命だといってもよいでしょう。
小規模サロン・美容室経営のデメリットを解決するためには
小規模サロン・美容室経営者にとってのデメリットを解消するためにはどのようなことを行えばよいのでしょうか?ここからは具体的なアドバイスをお送りします。日々の業務に追われがちな美容師経営者のご参考になれれば幸いです。
小規模経営の美容室は利益率を高めることがポイント
小規模経営のサロン・美容室の場合は利益率を高めることがポイントになってきます。突き詰めて経営をすることが必要になります。
利益率=利益(売上ー費用)÷売上です。売上をどれだけ上げても費用が多すぎると利益率は高まってしまいます。
一般的に費用が少なすぎると顧客満足が減ってしまいリピーターがいなくなってしまうなど一概に費用を少なくするというだけでは経営はうまくいきませんが、小規模美容室の場合は極限まで費用を少なくして利益率を高めないと苦しいです。
費用を削るためにはいつも使っている商材の販売ルートの安いところを選ぶべきです。例えばアマゾンはかなり安く美容商材を仕入れることができます。
小規模美容室経営は労働生産性を高めるのがポイント
小規模美容室経営ではスタッフひとりひとりの労働生産性を上げるべきです。労働生産性というのはスタッフが1時間に稼ぐ粗利の額を高めたり、客単価を上げる、回転率を高めることで実現します。大手サロンは同時に何人もの施術を行うのはこの労働生産性を高めるためです。
また経営においては労働分配率を適切にするのも重要です。労働分配率とはスタッフが出した粗利(売上ー費用)の何パーセントにするかも重要です。美容師の労働分配率の適正値は40%~50%と言われています。ただ労働分配率が多すぎると経営を圧迫しますが、低いとスタッフのモチベーションは下がるでしょう。
人時生産性を高める
人時生産性を高めるのも美容室経営のポイントです。人時生産性とは粗利(売上ー利益)÷労働時間で計算できます。
日本人は島国で外敵がいないため基本的にのんびりしています。そのため集中力が低く長時間労働がもてはやされていて生産性が世界的に見てもかなり低いです。またその生産性の低さを長時間労働でカバーしてきましたが、これから人口減少で労働力が減っていきますので政府は「働き方改革」といって生産性を高めようとしています。
美容業界は特にその傾向が顕著で1時間あたりの生産性が低いです。生産性という概念さえないかもしれません。小規模美容室経営者の場合はスタッフに生産性を上げること意識させましょう。
何を美容室の強みとしていくのかをはっきりさせる
自分の美容室のスタイル・強みを明確にしていくことが最も重要です。強み・アピールポイントがない場合にはお客さんにとっては数ある美容室のひとつに過ぎないのです。ただ最初から強みがあるわけではありません。そのため強みを自らの手で作っていかなくてはなりません。それを小規模サロン・美容室経営者ははっきりとさせましょう。強みをはっきりさせることはお客さんからのイメージアップにつながります。そうすればおのずとリピーターも増える可能性が高まります。
社員に夢を見させる
小規模サロン・美容室経営において大事なことは社員に夢を見させることです。そのためにはオーナーが常に夢を語らなければなりません。「日本一のサロンになる」「10年後に50億円」など非現実でもいいので目標をしっかり持ちましょう。最初は社員も何を言っているんだとバカにされるかもしれませんが、夢がないと人間は輝きません。オーナーが夢を伝えるとそのうち社員もその気になってくるでしょう。そのためには日頃から社員としっかりとしたコミュニケーションをとることが大事になります。
採用を厳しくする
ただでさえ人が集まらない小規模サロン運営ですが、誰でもいいからといって採用していると、レベルの低い集団となってしまい、お店全体のレベルが一向に高まらないといったことになってしまいます。一度レベルの低いお店になってしまったら、意外とそこから抜け出すのは至難の業で、社員を解雇しない限り状況は変わらない段階まで追いつめられる可能性が高いです。
なので採用を厳しくして人を選んでいかないといけません。採用できる人間が少ないので採用を厳しくすることは厳しいかもしれませんが、そうしないと組織が腐敗していく可能性が高いです。
採用を厳しくする具体的な方法としては・複数回面接をする・面接の時間を長くするなどどれだけ就活生との接点を持つかがポイントとなります。接する時間が増えるほど適当な就活生は面倒だと感じていなくなります。
誰でもいいから雇おうと考えている場合は人を育てるノウハウを確立しておくことが大事です。
社員をメチャメチャ大事にする
小規模サロンに勤める人は、大手サロンに勤務する人についての情報が嫌でも耳に入ってきたり、待遇を比較しがちです。小規模サロンに勤めているとどうしても社員の待遇は大手サロンよりも悪くなりがちです。ただ、オーナーであるあなたが社員をとても大事にしていたらどうでしょうか。「うちのサロンは大手サロンよりも待遇が悪い。でもオーナーはみんなのことを大事にしてくれる」。そのように社員に思ってもらえるように尽くせば社員が定着するでしょう。大手サロンは体育会系気質なのであまり人を大事にする風潮がないので差別化につながるでしょう。
また小規模サロンなのであまりガチガチに管理しないことも大事です。一般の会社でもベンチャー企業などへの就職を決める理由として、人数が少ないために裁量権が大きく感じたというのが挙げられます。実際に大手企業はこれまでの先人たちが築き上げてきた仕組みを守ることで利益を上げるため管理されますが、ベンチャー企業は仕組みを作っていかないといけないために管理をするより裁量権を大きくしてどんどんアイデアを出してもらう必要があります。っこのように小規模サロンでは裁量権を大きくする、こんなことも任せてもらえるんだという期待を社員に与えましょう。
小規模サロン美容室は今後厳しい状況が待っている
美容業界は市場が縮小傾向にあります。2000年前半に木村拓哉さんが美容師役で主演を務めて「Beautiful Life」でカリスマ美容師人気に火がつき2000年代中盤まで美容学校の生徒は増加する一方でしたが、2007年のリーマンショックなどの大不況の影響で安定志向が強まり美容学校の生徒は減少の一方です。また消費者も長引く不況による貯蓄志向の高まりから美容室にお金をかける額が少なくなっており、少子化による成人年齢人口が継続的に少なくなっていきますので、美容業界の未来は明るくはありません。
美容業界の方ならそのような未来が明るくないことは百も承知なので、様々なサロンがあの手この手でお客さんの囲い込みを始めています。ただでさえ少なくなっていくお客さんを大手サロンと奪いあっていくのですから、小規模サロンの勝ち目がないのは明白なのです。
それではそのような状況をただ見つめたまま小規模サロンは死んでいかなければいけないのでしょうか?いいえ。小規模サロンにも勝ち目はあります。ポイントとなるのはインターネットです。現代社会ではインターネットによっていくらでも宣伝ができる時代です。広告費もほとんど必要ないといってもよいです。個人レベルを上げて、インターネットで個人を積極的にアピールしていくことによるブランディング(企業価値)を高めていくことが何よりも重要になってきます。極端な話、あなたが小規模サロン・美容室のオーナーであれば芸能人並みの人気を獲得することができれば集客で悩む必要はありません。ホットペッパービューティーなどに広告費を費やしても広告費が高いために、費用対効果はそれほど高くないでしょう。人気はインターネットで獲得することが可能なのです。
芸能人並みの人気を獲得するためには努力によって可能です。SNSなどで第2の自分を作れる時代が訪れています。魅せ方だけで自分をアピールできる世の中ですが、人々が本質的な努力を昔に比べてしなくなったため、努力をすることで圧倒的な存在になれる可能性があります。(先人を追い越すことができるかどうかはわかりませんが)
努力する→人ができないことができる人間になる(圧倒的な強みを見つける)→YouTubeなどでアピールするというサイクルを続けることで集客については悩まなくなるでしょう。また開業資金が安くて成果を上げることができたら資金が少なくて悩んでいる美容師にとっては大きな励みになるでしょう。
まとめ
でもやっぱり大事なことはお客さんを大事にすることです。お客さんを大事にするためには従業員を大事にすることがベースにあって始めて実現します。日頃から従業員を大事にしていたら大事にされた従業員はお客さんの前で自然と笑顔になるでしょう。お客さんとお友達になってみましょう。大事なことは基本的なことにあるのかもしれません。美容室経営がうまくいくことを祈っています。最後までお読みいただきありがとうございました。
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