カラーリングの塗布スピードをアップさせると、施術の時間短縮につながるだけでなく色ムラの予防にもなります。
丁寧な施術を心がけることは大切ですが、カラーリングの技術向上には同時にスピードアップも大切です。
この時、スピードアップだけでなく同時に塗布ムラを作らないような施術を見にくけなければいけません。
今回はカラーの塗布スピードをアップするコツと一緒に、効率的な手順や塗布ムラを作らないポイントをまとめて詳しく解説します。
カラーの塗布スピードをアップさせる3つのコツ
からの塗布スピードをアップさせる3つのコツについて解説します。
1.3段階に薬剤を調合する
カラーは根元から毛先まで染まる時間が違うため、一般的にロングヘアでは塗りながら放置時間を変化させて色ムラなく染めます。
これだと、ロスタイムが出てくるため時間がかかるだけでなく塗布ムラが出てきやすいのがデメリットです。
素早く塗ることを考えると、ワンタッチで綺麗に染めることを考える必要があります。
スピード重視で染めるなら、時間差で染まり方をコントロールするのではなく薬剤の調合の違いでコントロールする方法を試してみてください。
薬剤の調合は基本的に3段階に分けて調合します。
根元、中間部分、毛先を髪の状態や染まり方にあわせて調合し、一気に染め上げます。
こうすることで、放置時間のロスタイムが無くなり塗布スピードをアップさせられるので試してみてください。
ヘアカラー剤によって特徴が変わってくるため、調合は薬剤の種類によっても工夫が必要です。
髪の状態や薬剤の違いを見極めることで、綺麗に速くカラーリングできます。
2.髪の状態を事前にきちんと把握しておく
1つ目のポイントで説明したワンタッチで塗る方法でも大切になるのが、事前に髪の状態を把握しておくことです。
髪の染まり方は髪質やダメージ、髪色によって変わってきます。
事前に今から染める髪の状態をしっかり把握しておくことで、薬剤を調合しやすくなります。
毛髪診断で大変なのが、見た目のダメージや髪色だけでなく残留ティントの見極めです。
残留ティントとは前回のカラーリングした時の色素のことです。
残留ティントをしっかり見極められないと、予想以上に髪へ負担がかかったり、色味がくすんだりする可能性があります。
毛先は残留ティントと傷みが出ている部分のため、特に毛髪診断が難しい部分です。
残留ティントを理解することで、適切な色を調合しやすくなります。
3.塗布する順番をマニュアル化する
カラーのスピードアップを考えた時に一番大切なのが、同じ動きを正確かつ素早くすることです。
塗布する順番や一連の行動をすべてマニュアル化しておくことで、ロスタイムが生まれにくくなります。
完全に効率的な順序や方法をマニュアル化できれば、反復練習することで格段にスピードアップします。
また、練習した際にどこでロスタイムが生まれるのかを測る指標にもなるのでマニュアル化はおすすめです。
マニュアルはやりやすいよう、練習していくうえで変えても構いません。
逆にスピードアップするための試行錯誤をしていくと、自分の中で一番やりやすい方法が見えてきます。
一旦マニュアル化し、それに沿ってやっていきながら徐々にやりやすい方法を見つけていくのも大切です。
カラーの塗布ムラを作らないために気を付けること
カラーの塗布ムラを作らないためのポイント3つを紹介します。
ポイント1.塗布の順番
カラー剤は塗った場所から髪が染まり始めるため、塗る順番が大切になります。
塗布ムラを防ぐためには、塗布の順番が大切です。
染まりにくい順番から塗っていくことで、放置時間によるムラを防げます。
塗布する順番は髪を明るくする場合は後ろから、トーンダウンさせる場合(白髪染めなど)は前から塗っていきます。
明るい色に染める場合は、カラー剤に入っている脱色剤の影響でムラになりやすいので塗布の順番が特に大切です。
ポイント2.染める髪の色の入り方の違いを把握する
事前にカラー剤を塗布する髪の診断をする際、根元・中間部分・毛先それぞれの髪の傷み具合や状態を見極める必要があります。
特にすでにハイトーンの髪に色味を重ねるとムラになりやすいため、事前の診断が重要になります。
根元・中間部分・毛先それぞれを診断し、薬剤の特徴に合わせて調合しましょう。
基本的に根元・中間・毛先の順番で染めていきますが、それぞれの部分の染まり方や発色にも違いがあります。
根元の新生毛の部分は水分や油分が多くて色の発色が良く、毛先は残留ティントや傷みが多い部分のため、発色が悪くくすみが出やすい部分です。
クリア剤を薬剤に混ぜたり、毛先に付けたりして色を調整し、毛先は最後に塗布しましょう。
ポイント3.アンダートーンと残留ティントに注意!
中間部分や毛先にカラー剤を塗布する際、気をつけなければいけないのがアンダートーンと残留ティントです。
髪の根元は新しく生えてきた部分のため、傷みや残留している染料はありません。
しかし、中間部分や毛先には前回染めた時の染料が残っていたり、ダメージがあります。
事前に傷みや残留ティントを認識していないと、予想以上のダメージが髪に出たり、くすんだ色合いになったりします。
また、アルカリ性のヘアカラーの場合は染色と脱色を同時にするのが基本です。
そのため、ブリーチ後のアンダートーンのことも同時に考えなければいけません。
ヘアカラーをした髪をカラーリングする際は、アンダートーンと残留ティントの両方の計算が必要です。
カラー塗布の練習はトリートメントで行うのが効果的!
カラー塗布の練習でトリートメントを使う方法について説明します。
カラー塗布の練習にはトリートメントの使用がおすすめ!
ここまでカラー塗布のスピードアップやポイントについて説明してきましたが、実際に練習する際にカラー剤を使うのはコスパがとてもかかります。
特に練習は何度もやらなければ成果が出ないため、コスパの問題で練習回数が限られるのは勿体ないです。
そのため、練習にはカラー剤のダミーとしてトリートメントを使うのがおすすめです。
トリートメントを使用したカラー塗布の練習方法
トリートメントは安物で十分です。
色のついたもので練習したい場合は、カラートリートメントを使ったり食紅を混ぜて使用するのがおすすめです。
そのままトリートメントを塗布して使っても構いませんが、トリートメントに水に溶いた小麦粉や片栗粉を混ぜてレンジで温めるとカラー剤のような粘度になります。
ただし、この方法だと、乾いたときに練習に使用したウィッグがガビガビになって取れにくくなることもあるので注意してください。
カラー塗布練習用のクリームもおすすめ!
トリートメントでの練習方法の他に、ルベルなどから販売されているカラー塗布練習用のクリームを使うのもおすすめです。
トリートメントでは感覚が少しわからないなと思った時には、コスパは少し悪くなってしまいますが練習用に作られたクリームを使うと感覚が分かりやすいです。
両方を使い分けながら練習してみてください。
カラーリングを素早く綺麗にするには練習と経験が大切!
カラー塗布のスピードアップには、練習が欠かせません。
素早く綺麗に塗布ムラなく仕上げる技術は、経験によって培われるものです。
何度も同じ動きを繰り返すことで、マニュアル的な動きを体に染み込ませることが大切です。
実際の髪の傷みや髪色の違いに対応するのも大切ですが、まずは塗布の手際面での動きをマスターしましょう。
今回紹介したポイントやコツを参考にして練習に活かしてみてください。