【密着取材 第3弾】有名店を経て26歳でフリーランス美容師独立 | 新宿 永田一弥さん

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都内で活躍するフリーランス美容師への密着シリーズもついに第3弾です!
お正月2夜連続シリーズの第2弾は新宿でフリーランス美容師として活躍されている「永田一弥」さん。
2016年10月から新宿でフリーランスとして活躍されています。

出勤前の永田さんを早朝の新宿、バス乗り場にて撮影

今回はかなり食い込んだ事を聴いてまいりました!

  • フリーランス美容師になってからの集客数の推移は?
  • 給与面や労働時間の変化は?

など、実際の数字も公開して頂けるとのこと。

本編でお楽しみくださいませ。

フリーランス美容師「永田一弥」さん紹介

今回密着取材させて頂くのは永田一弥さんについてご紹介させて頂きます。


■プロフィール
名前:永田一弥
得意なヘアスタイル:ナチュラル、ガーリー
好きなマンガ:浅野いにお、エヴァンゲリオン
資格:カラースペシャリスト保有
永田一弥 Instagram

青山・銀座の某有名店ので勤務した後に、2016年10月フリーランスとして独立。
カラースペシャリストの資格を有しており、カラー・薬剤の知識が豊富です。
また、自分自身がくせ毛であるという悩みを活かして、お客さまに寄り添ったカウンセリングを行っております。

そもそもフリーランス美容師とは?

映画「君の名は」で前前前世が流れるシーンを再現

密着取材シリーズを購読頂いている方は既にご存知だと思うのですが、
そもそもフリーランス美容師とは何なのでしょうか?
下記に該当するのがフリーランス美容師と定義付けています。

お店に属さず、個人・またはチームで”個人事業主”として活躍している美容師のこと

また、フリーランス美容師の方の働き方の特徴としては

  • フリーランス美容師はマンツーマン接客が一般的で、寄り添った接客やアドバイスが受けられる
  • 勤務時間などに縛りがないため、営業時間外でも施術が受けられる
  • 薬剤などにも縛りがないため、美容師さんの選定した薬剤で施術が受けられる

のような特徴があると考えています。

お客さんにとってはゼロからイチまで最後までお付き合い頂けるので、かなり安心できますね。

永田一弥さんへの一日密着

いよいよ、永田さんへの密着取材が始まります。
その前に一般的なフリーランス美容師のスケジュールをご紹介させて頂きます。

出典:フリーランスのメリットデメリットとは?

このように、一般的な美容室と違い、「会議」「掃除」などの共通労働の時間が削られるため、
実際の労働時間が短く、生産性の高い働き方が可能になります。
年間で換算すると1,820時間開放されるとも言われています。
めちゃくちゃ素敵な働き方ですよね。。

その反面で、突然体調を崩しても休めない・収入と売上が直結するなどのデメリットはあります。

永田さんとの待ち合わせ

出社から密着させて頂くので、永田さんと最寄りの駅で待ち合わせです。
この日は年末ということもあり、お客さまのご予約が6名とのこと。。超絶忙しい1日だったようです。。
こんな忙しい日に本当に申し訳ございません。朝9時から密着させて頂きました。

大晦日1日前の乃木坂駅で集合。草間彌生さんのポスターが気になります

朝9:00 出社

朝9時、乃木坂駅に集合し、密着インタビューが開始です。
夏場は自転車で通われていたそうですが、冬なので電車通勤とのことです。

勤務前にインタビューが控えているので急ぎ目に改札を過ぎ去る永田さん

新宿に到着しました。サロンの立地も駅徒歩3分以内とかなりの好立地。
店内の内装もとても綺麗で、素敵な環境でした。

永田さんにサロン付近にあるインタビュー会場のカフェを教えて頂いている様子

朝9:30 準備

お店に到着し、オーナー様にご挨拶された後に準備を開始。

「いつもこちらの1席を使わせて頂いております。今日はかなり忙しい目の1日ですので、準備にも気合が入りますね。」
とお話される永田さん。iPadでご予約の管理をされているとのことです。

お客さまの予約管理はiPadで行っているとのこと

朝10:00~20:00 お客さまを接客

早速お客さまがご来店されました。
カラーチャートを用いて丁寧にカウンセリングされていました。

カウンセリングシートを使用して完成イメージのすり合わせをされる永田さん

「新規のお客さまへのカウンセリングはかなり徹底しており、30分かける場合もあります
施術の1から10を担当し、”お客さまが満足させてあげたいと思ったこともフリーランスになったきっかけです。
ですので全てのお客さまに対し丁寧なカウンセリングを意識し、オーダーの時点で認識齟齬がないように、なりたい自分になれるようにサポートさせて頂いております」

全ての接客・施術を自分で完結させることでよりお客さまを満足させたかったと話す永田さん。

永田さんにKAMIU編集部が激写されている様子

フリーランス美容師の実態インタビュー

実際のフリーランス美容師の方への貴重なインタビューでしたので根堀葉掘り質問させて頂きました。
永田さん自身のこだわりやビジョン、美容業界に対する思いをお伺い出来ました。

このサンドイッチの量は果たして・・・?

働く上でのしがらみや拘束が無くなり、自由な時間が増えた

大量のサンドイッチに対して見てみぬふりされている様子のインタビュー前の永田さん


-労働環境や働く環境面でフリーランスになって変わったことはありますか?

「実質の労働時間」「接客スタイル」この2つが大きく変わりました。
実質の労働時間の点からお話しますと、今までのサロンは「会議」「朝礼」「夜練習」などサロンワーク以外の時間も多く発生していました。
今はサロンワークが終われば片付け・掃除をして帰宅出来るため、圧倒的に自由な時間が増えました。

2つ目の接客スタイルに関してですが、当時の所属サロンは大型店でしたので、お客さまを接客しながらも「店内のスタッフの動き」に気を使う必要がありました。
現在は、「1から10まで」全てお客さまを担当させて頂けているため、その時間は1人のお客さまを美しく・かっこよくするための時間として集中して使うことが出来ています。

給与面の成長スピードと待遇が圧倒的に上がった


-給与面や集客での変化はありましたか?

はい、給与面での成長スピードが圧倒的に上がりました。
フリーランスになると「売上≒給与(所得)」になるので、やればやるほど給与が上がります。
多くのサロンがそうだとおもうのですが、階級ごとに給与の上限がついているサロンが多いと思うので、その上限がないのは魅力的ですね。

-それはモチベーションが上がりそうですね。実際の数字などをお見せ頂くことは可能でしょうか?

実際の数字ですか(苦笑)お客様の数でしたら後ほどお送りさせて頂きます。

12月の指名客数は70名を突破したとのこと。

10月・11月は低調だったのですが、12月にグンとリピート・新規ともに増えました。
また、独立の際もOZUMIの最低給与が保証されているパッケージで独立したので、
フリーランスのリスクを最小限にまで抑えた状態で独立が出来ました。
集客支援に関しても大変頑張って頂いております。

充実感のある忙しい毎日に

お客さまとのご予約・管理はiPad、iPhoneで完結させているとのこと


-プライベートを含めてライフスタイル面での変化はありましたか

いい意味で忙しくなりました(笑)
忙しくなったのですが、自由時間が増えたのと予定の調整が付けやすくなり充実度が上がりました。
フリーランスになった以上は、休日の問い合わせ含め全ての対応が自分自身になります。
その為、「休み」のときにも対応が必要となるので忙しさが増えました。

その反面で、昼からいって夕方に終わる時もあるので自由時間が増えました。
また、お客さまの予約の受付時間も自分自身で調整が出来るので、
プライベートの時間を確保しやすくなりったのが良かったです。

-逆にデメリットはありましたか?

自分自身の将来やりたいこととして、「サロンの開業」という夢があります。
席を借りているという場所借りの状態なので、大きなサービスや設備強化というのが難しいのが少しデメリットかもしれません。
後は保険・税金の管理などが自分になるので、このあたりもハードルが高いです。
OZUMIでもサポートをして頂けるそうなのですが、2017年から強化予定とのことです。

永田さんに聴いた「美容業界の課題」と「ビジョン」

最後に永田さんに美容業界の課題とビジョンをお伺い致しました。

価格競争ではなく、技術習得のバックグラウンドが評価される世界に

インタビュー中の永田さん


-美容業界の現状と課題に関して思う事があれば教えて頂けますでしょうか

現在の美容業界は店舗供給が過剰がゆえに競争が進み、価格競争が激化しているという現状があります。
髪の毛の伸びるスピードは一定なので、価格競争に陥れば陥るほど市場のパイは小さくなっていくので、先細りしていく未来が見えています。

美容業界で働く美容師、一人ひとりがその技術を習得するために数年かけています。
価格での意思決定以外に、美容師一人ひとりの鍛錬が評価されるような仕組みがあれば業界課題の解決につながるのにと思います。

「夢」の搾取ではなく、一般産業と同水準の待遇を提供していきたい

サロンで準備中の永田さん


-他に美容業界に関して思うことなどございますか

美容業界の待遇を一般産業の水準までに伸ばすにはどうすればいいかというのをよく考えます。
他産業での働き方が多様化してきている中で、いまだに有名サロンに就職する美容学生が多いです。
しかし、有名サロンといえども待遇は休みもなく手取りも最低賃金を割るレベルのサロンが多いのが現状です。

有名サロンですと、アッパーは高く年収1000万超えのプレイヤーも多く存在していますが、一握りです。
美容業界は「有名になれる」「将来稼げる」という事が前提にあるがゆえに、無償で苦労して当たり前という風習が一部で残っている産業です。

そういった慣習を覆し、有名サロンだけど待遇も一般産業と同程度貰える業界にしていければなと考えています。

-最後にご自身のビジョンや夢を教えて頂けますでしょうか

最終目標は「自分の店を持ちたい」と考えています。
先程申し上げ待遇も一般産業と水準なサロンにしたいと思っています。
フリーランス美容師になってから、お客さまに「顔つきが本当に変わったね」と言われました。
「お金の余裕と心の余裕は連動する」と個人的に考えており、いくら夢や目標があったとしてもお金がギリギリになると心の余裕はなくなってしまうと感じました。

自分で立ち上げるお店はスタッフの労働環境も自由な感じに設定し、
お店の雰囲気もカフェのようにお客さまも、色々な美容師様も入りやすいサロンにしたいと考えています。

-長時間ありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。

編集後記

インタビュー中でも常々、仰られていたのが
「お金の余裕と心の余裕は相関すると思う」
ということでした。
美容業界はいまだ低賃金での師弟制度のような商慣習が残っており、アシスタント時代ですと手取り15万以下の場合もザラです。
休みの日も講習などで休めないため親の仕送りに頼るという働き方が残っています。

今回取材させて頂いたフリーランス美容師の永田さんはまだ26歳です。
この方も業界の働き方を変える1人になるのかもしれないと、刺激を受けたKAMIU編集部一同でした。

永田さんの公式Instagramはこちらから
永田一弥 Instagram

過去の密着取材シリーズ

第1回:【密着取材】原宿で働く現役フリーランス美容師の一日に密着!
第2回:【密着シリーズ第2弾】フリーランス美容師、独立3ヶ月目の実態!独立を支えたOZUMIとは?|畑中潤さん密着取材