どうもKAMIUです。皆さん、美容師さんの平均年収・生涯賃金をご存知でしょうか?
また、都道府県別の年収などご存知でしょうか・・。
今回は、「美容師の年収」を最新データを持ち入りながら見ていきたいと思います。
また、美容室オーナーさんの独白とも言える証言を獲得しましたので、そちらのお話もご紹介させて頂きます。
本記事で、美容師は「独立がゴールか?」この問に対して少しでもお力添えできればと思います。
美容師の平均年収は284万円。平均年収と比較すると-138万円
美容師の年収は厚生労働省の発表する賃金構造基本統計調査で公開されています。
年代や性別別にも公表されており、非常に面白いんですね。
では平均年収から紹介させて頂きます。美容師の平均年収は284万円となっております。月の給料にすると20万円と少し。。この数字は高いのでしょうか?低いのでしょうか?
日本人の平均年収と比較すると-138万円という数字になります。年代別に見ていきましょう。
美容師は年齢に対して年収・給料は上がるのか?データから紐解く
次に年代別の美容師年収と給料をご紹介させて頂きます。
ここまで掘り下げて書いた記事はあまり見当たらなかったのでぜひご参考くださいませ。
20歳・21歳・22歳・23歳・24歳美容師、男女別の給与・年収
20歳~24歳の美容師の平均年収になります。
20代の男女別の年収と給料は下記になります。
- 20-24歳 男性美容師:約221万円
- 20-24歳 女性美容師:約218万円
やはりアシスタントさんも多い世代なので、中々低くなっていますね。。
ざっくり時給換算すると800円ほどになりそうです。レッスンなど含めた労働時間を長く見積もると800円以下にはなりそうですね、、
25歳・26歳・27歳・28歳・29歳美容師、男女別の給与・年収
25歳~29歳の美容師の平均年収になります。Jrスタイリストさんあたりでしょうか?油の乗ってきているあたりですね。
24~29歳の男女別の年収と給料は下記になります。
- 24-29歳 男性美容師:約275万円
- 24-29歳 女性美容師:約269万円
Jrスタイリストになっても給料は+50万円ほど。時給だと900円程度でしょうか?
20代後半でも、中々渋い状況です。結婚して家族がいると大変な水準ですね・・・。
30歳・31歳・32歳・33歳・34歳美容師、男女別の給与・年収
30歳~34歳の美容師の平均年収になります。早い方ですと独立をし始める年齢ですね。
このころになると残った美容師は美容師免許保有者の10%程度と言われています。(正しい数字は精査しないといけませんが・・)
給料は300万円の大台にのりましたね。
- 30-34歳 男性美容師:約355万円
- 30-34歳 女性美容師:約313万円
オーナーの類いの方も含めていると考えると中々シビアな数字ですね。
男性美容師だと月収で30万程度。家族が居ても生活は出来そうな水準です。
35歳・36歳・37歳・38歳・39歳美容師、男女別の給与・年収
35歳~39歳の美容師の平均年収になります。独立していない方は店長や役職付きのレイヤーにいっていないと厳しい年代ではないでしょうか。
平均給料はこちらになります。
男性美容師さんの年収は400万円の大台に突破しました! 余裕で家族で暮らせそうです。
- 35-39歳 男性美容師:約404万円
- 35-39歳 女性美容師:約336万円
このあたりから、女性美容師との給料の格差が目立つようになってきました。
40歳・41歳・42歳・43歳・44歳美容師、男女別の給与・年収
40歳~44歳の美容師の平均年収になります。もう大分ベテランの美容師さんという感じですね。
殆どが指名客か、それ意外の方だとどのようなサロンで働いているのでしょうか。
年収はいくらくらいでしょうか?
男性美容師さんの年収は平均年収を突破しました!マ イホームなども考えられる水準ですね。
- 40-44歳 男性美容師:約449万円
- 40-44歳 女性美容師:約335万円
一方で女性美容師さんのお給料は横ばい。パートタイムなどが増えてくるからでしょうか?
45歳・46歳・47歳・48歳・49歳美容師、男女別の給与・年収
45歳~49歳の美容師の平均年収になります。かなりのベテランかもうそろそろ今後の進退を考える年齢ですね。
年収はどのくらいになるのでしょうか?
40代後半でいっきに減少しました。母数がへった影響もあるかもしれません。(引退していってる?)
- 45-49歳 男性美容師:約386万円
- 45-49歳 女性美容師:約328万円
どんどん見ていきましょう。
50歳・51歳・52歳・53歳・54歳美容師、男女別の給与・年収
50代の美容師さんの年収です。そろそろ引退という頃合いでしょうか?
年収は逆に上昇しています。オーナーが多いからでしょうか・・?
- 50-54歳 男性美容師:約434万円
- 50-54歳 女性美容師:約328万円
一方で女性の年収・給料は30歳くらいからほぼ横ばいですね。
女性はパートタイムなどの時間短縮が多いからなのでしょうか。気になります。
55歳・56歳・57歳・58歳・59歳美容師、男女別の給与・年収
最後に60代の還暦前の年収です。
やはり下がるのですね。。300万台にいきました。
- 55-59歳 男性美容師:約326万円
- 55-59歳 女性美容師:約302万円
以上で美容師の年代別の年収を見てきました。最後にまとめてみてみましょう。
美容師の年齢別年収・給料のまとめ:年齢別に給与は比例しているが厳しい業種である
男性 | 女性 | |
---|---|---|
全体 | 3,062,500 | 2,742,300 |
~19歳 | 2,023,200 | 1,971,000 |
20~24歳 | 2,218,300 | 2,185,300 |
25~29歳 | 2,751,700 | 2,691,800 |
30~34歳 | 3,557,600 | 3,138,400 |
35~39歳 | 4,049,400 | 3,361,000 |
40~44歳 | 4,491,300 | 3,351,700 |
45~49歳 | 3,862,000 | 3,108,000 |
50~54歳 | 4,342,300 | 3,285,100 |
55~59歳 | 3,269,500 | 3,024,600 |
60~64歳 | 3,530,300 | 2,684,500 |
65~69歳 | 2,751,600 | 3,059,600 |
70歳~ | 3,987,600 | 2,987,500 |
こちら年齢別に比較した図と表になります。
美容師の給料は年齢別に比例しています。女性はそこまで上昇することもなく、上限が有るという印象です。
女性オーナーも多いのになぜ?と思いますね。。
しかし、開業医の世界では利益ベースで1000万プレイヤーはゴロゴロいますが、美容室オーナーで1000万プレイヤーはあまり聴きません。
年齢別の給料を見るとどないかせんといかんという気持ちになりますね。。
生涯賃金の試算を次で行ってみます。
美容師の生涯年収・給料はどのくらい?
最後に美容師さんの生涯年収を計算してみます。
年代ごとの平均年収を年数でかけて、下記のように積上で計算してみました。
賃金積上 | |
---|---|
20~24歳 | 11,091,500 |
25~29歳 | 24,850,000 |
30~34歳 | 42,638,000 |
35~39歳 | 62,885,000 |
40~44歳 | 85,341,500 |
45~49歳 | 104,651,500 |
50~54歳 | 126,363,000 |
55~59歳 | 142,710,500 |
生涯年収は1.42億円ほどでしょうか?
高卒者の生涯賃金が2.4億円と言われているので、高卒よりも低い年収となってしまいました。
国家資格保有者への待遇がこの状況は、非常に悲しい現状だと感じます。
なぜここまで低くなってしまうのでしょうか?
美容師の年収はなぜ低いのか?生産性から紐解く低年収の怪
なぜ美容師の年収はここまで低いのでしょうか?
鍵は「生産性」です。美容師の生産性は「顧客を施術している時のみ」です。
一般的な小売店などであれば一人の店員さんに対して商品が無数にあるので、接客せずに1名に対して商品数分の売上を上げることが可能です。
美容師さんはどうしても時間あたりの単価になってしまうので、上限が出てしまうんですよね。
そのため、お客さんの施術していない時間帯が完全にコストとなってしまう業種なのです。
業務委託サロンは美容師業界を変えるか?
※左側が業務委託サロン
こういった現状で現れたのが業務委託サロンです。
美容師の「非稼働時間」のコストを支払わず、完全な出来高制にするというサロンです。
※現在は最低保証給などもつけているサロンが増えています。
業務委託サロンでは年収が500-700万を超える美容師さんも続々でており、「完全出来高にし、低価格で集客する」というサイクルが上手く回っています。
既に業務委託大手の3社のうち2社のヘッドライト、ロイネス社は投資ファンドに株式を一部譲渡しており、創業者の美容師さんが数十億手に入れるというドリームも実現されています。
現在、業務委託サロン出身者が業務委託サロンを創業する流れが各地で起こっており、この業務委託の流れがさらに拡大していくとKAMIUでは考えています。
フリーランス美容師・シェアサロンは労働を変える?
※右側がシェアサロン
次にフリーランス美容師という働き方が登場しています。
先程の業務委託美容室は「集客はお店で」という点が特徴でしたが、こちらのフリーランス美容師は集客は自身でやるというのが特徴です。
シェアサロンと呼ばれる「レンタルスペースのような美容室」を借りて経営しているため、実質一人オーナーのような方々です。
労働時間もお客さまからの予約が入ったタイミングで出社したりと非常に働きやすい形態です。
また、手取りも過去は売上からの歩合50%程度が相場だったのですが、現在は60-70%、また月額制サロンも非常に増えており、美容師の年収増に貢献していると言えるでしょう。
過去にインタビューした武田さんは美容師歴1年で月収50万を突破しています(手取りです)
このような異例の実績をもたらしているのがフリーランス美容師市場です。
引用:【第5弾】最年少21歳、女性フリーランス美容師の武田志桜里さんに月収などリアルを聴いた。
今後、集客のスタイルが個人集客に変わっていけば、より隆盛していくことが予想されます。
美容室のオーナー美容師になれば「高年収」は本当か?
美容師なら誰しもが憧れる美容室のオーナーというポジション。
しかし、美容室のオーナーになったからといって高給取りになれるのでしょうか?
先程のデータが「なれない」としめしていますね・・。
今回は元オーナーBさんのお話をご紹介させていただきます
※顔出し不可でしたので、一部フィクションを織り交ぜております。ご了承ください
元オーナーBさんの独白『開業は、まさに夢』
夢にまでみた「自分の城」。28歳でお店を出す事ができました。
周囲からは『この年代で最速の独立』ともてはやされ、自分もここからSHIMAやMINXのように拡大出来ると信じていました。
美容学校時代の同級生と2名で共同立ち上げし、後輩も呼び、
スタイリスト2名体制・アシスタント3名で独立をしました。
座席数は6面。開業時の土日は全て埋まっており、予約をお断りするほど盛況していました。
夢しかなかった美容室独立
私は「ビジネス」をメインに担当しており、相方のKは「店舗管理」をメインに見てもらっていました。
共同創業ですが、資金は私が7割負担しての開業です。
政策金融公庫からは800万円ほど借り入れし、トータル2000万ほどの内装費や保証金となりました。
この時点で私の負債総額は800万円です。個人で考えると「ヤバイ額だね」という感じですが、今はメンバーがいます。
月の売上も400万円あり、利益も月50万円ほど浮く予定でした。
2年未満で返せる自信が私にもKにもあったし、実際創業から9ヶ月くらいは順調でした。
突然起こった退職ラッシュ
退職ラッシュは突然起こりました。
社会人2年目のアシスタントが2名いっきに連絡がとれなくなり、残ったアシスタントは2名。
この2名はJrデビュースタイリスト寸前だったので残っていたのだと思います。
今思えば「スタイリスト」という箔をがつくのをまっていたのかもしれません。
その2名も、「スタイリストデビュー」した途端に、様々な事情で辞めていくことになり、
残ったのはKと私の2名だけでした。
お客様は来るのに、アシスタントはいない。そういう状況でした。
予約を断るわけにも行かず、Kと私の二人で6面を担当するという異常な経営をし始めていました。
借金の返済に必死だったのです。思えば、このことがきっかけで、Kは辞めてしまったのかもしれません。
アシスタントが抜けてから、集客媒体経路のお客様をこなせる事ができなくなり、店舗は「赤字に近い数字」になりました。
このままではまずいと思い、Kにすべてを相談したところ「俺は海外で挑戦したい」という話になり、K自身も辞めてしまうことになりました。
この憧れた城である、私のサロンに残ったのは、私だけになりました。
望んでいた未来ではない未来に来てしまったのです。
6席の一人サロンで再チャレンジ
6席ですが、私の指名客はいました。
最低限稼ぎはありましたが、フル稼働させていたときの影響で失客。
人数は減っていました。再チャレンジだと奮闘し、様々なコストの見直しを測りました。
使っていない予約システム、使っていない予約媒体。
全てやめました。その中には、半年契約やHPのリース契約など辞めれないものも一部ありました。
「居抜きで売却?出来ないよ」
もう駄目だと思い、居抜きで売りたいと思い相談しにいきました。
担当者からの話は「経営が始まった段階で内装費は半値まで落ちる」
2~3年たった時点で「売るのも難しくなる」物件が複数ある。という話でした。
衝撃でした。私は2000万かけてるのです。結局買い手は見つからず、クローズを決意しました。
残った負債。オーナーBさんの人生はそれでも廻り続ける。
残った負債総額は400万。一応返せない額ではありません。
しかし、この3年間は一体なんだったのでしょうか?
手取りの給与も増えることはなく、なくしたのは仲間との友情。
一番失ったのは私自身が「人を信じる」ということが難しくなりました。
夢にまで見たサロン開業。こんなことなら開業しなければよかった、と今は少し思ってしまうこともあります。
数年たてば、こんな辛い話も笑い話にでもなるのでしょうか。
Bオーナーの話から学ぶこと
Bオーナーからのお話には学ぶべきポイントがたくさんありました。
- 人はいつ辞めるかわからない
- 固定費は抑えないといけない
- お客様一人ひとりは常に大切にすること
いくら資金繰りが厳しいからといって、今までの顧客を軽視するような扱いは絶対してはいけないこと。
また、目先のお金が余裕あるからといって不必要なリース契約はご法度です。
人の問題は信じるしか無いのだと思います。
一瞬でも疑ってしまえば、それは現実になる、、ということもありますから。
美容師は全業種で何位なのか?
美容師の年収ですが全業種で果たして何位なのでしょうか?
ワーストから数える方が早い結果になりました。。。
16位です。過去にDODAなどの年収ランキングではワースト1位だったので、少し改善しているような気がします。
最後に:美容師の年収はどうすれば上がるのか?
美容師さんの年収についてここまでずらずらっと述べてきましたが、どうすれば年収は上がるのでしょうか?
現在美容室業界が陥っているのは「コモディティ化(均質化)」です。
技術の差別化ポイントが消費者の方には伝わりづらく「安い製品」にながれている状況。
美容師としての技術を磨くだけでは年収が上げにくい現状となっています。
悲しいですね。。どうすれば上がるのか?
このあたりはまた改めて別の機会に記事にさせて頂ければと思っております。
また、KAMIUでは年収スコア診断も実施しています。
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長々とお読み頂きありがとうございました。
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