近年、美容業界は飽和状態が続いており、美容室の売上高の低迷、美容室の人出不足・求人難、来店サイクルの長期化など暗い話が多いかと思います。
美容室メーカー「インテンス」は美容商品の販売だけでなく、デザインとマネジメントについてのスタジオ講習を行うなど美容室経営のサポートを行い、新たなビジネスモデルの創造、そして新たな価値の提供に専念しています。
インテンスは美容室業界の中では中堅に位置する企業です。インテンスの近年の売上高や、売上高の背景にある営業の強みを分析してみました。
美容室メーカー「インテンス」とは
インテンスは1989年に創業されており、元々はフユヒロ(ディーラー)の子会社でした。今年で創業29年の歴史のある企業です。大手美容室メーカーである「ダリア」が創業71年、「ガモウ」が創業90年に比べると、比較的新しい会社です。
インテンスはヘアサロンの卸ディーラーです。知性intelligenceと感性senseを組み合わせたintenseが社名の由来です。「常にお洒落でカッコよく行動したい、他社と違うこと、やっていないことを実現したい。」をコンセプトにヘアケア用品だけでなく、コスメ、ネイル、ファッションアイテムまで豊富な商品を扱っています。
インテンスの売上高は30億円 (2016年)です。美容室ディーラーの市場規模は2000億円で、大手になると売上高は100~
200億円までのぼります。売上高でみるとインテンスは中堅に位置するディーラーと言えるでしょう。
日本一の商品ラインナップを誇るインテンスの強み
インテンスは商圏は1都2府21県と幅広い地域で活躍しています。美容室は東京・大阪・神戸に多いため、特に関東・関西圏を中心に取引がされてきました。営業所は全国に東京/原宿、大阪/心斎橋、京都/烏丸、名古屋/栄、福岡/天神といった、美容の中心地にあり、取引先軒数は美容室・理容室合わせて全国で4000軒ほどです。取引先はその地域のトップサロン、トレンドサロンと言われるような美容室から、独立したばかりで成長途中の美容室まで幅広く取引されています。そのため、美容室関係のお仕事をされている方ですと、インテンスとかかわりのある方も多いのではないでしょうか?
インテンスはインターネットを介した美粧室の販売支援サービスである「fofo (フォフォ)」や営業自ら情報発信する定期的NEWSの「f(エフ)」といったサービスを展開しています。また、東京、大阪、京都では自社スタジオを構えており、デザインとマネジメントの両提案を行うスタジオ講習を行うなど美容室経営を手厚くサポートするサービスに力を入れています。更に年に1度、500名以上の美容師様が集まるビッグイベントを開いたりしています。
インテンスの強みは日本一のラインナップを誇る商品アイテム数で、有名ブランドをはじめ80以上のブランドアイテムを取り扱っています。加えて各ブランドの特性や開発背景などの商品知識を営業がしっかりと身につけていることが下地にあるため、お客様との信頼関係に繋がってきました。代表的な商材として、2011年に誕生した「TOKIOトリートメント」が挙げられます。TOKIOはトリートメントの代名詞とも呼ばれ、海外のプロフェッショナルやメディアにも絶賛された一流品です。
社長自ら「業界の慣習を変革し、注文システムや商品物流などを効率化することで、事業成長してきた。」という趣旨のことを言っています。今後、美容業界にどのような新しい風を巻き起こしてくれるのか楽しみな会社です。
高成長!美容室メーカー「インテンス」の売上高
出典:https://www.flickr.com/photos
インテンスはここ数年で順調に売上高を伸ばし、売上高30億円 (2016年)まで成長しました。美容室業界はディーラーの数も多く、飽和状態であることを踏まえると、安定して売上高を伸ばしているのはすごいですね。
インテンスの売上高推移の予測
ここ最近のインテンスの売上高をグラフにまとめてみました。2年連続で売上高が伸びており、好調であることがよく分かります。また、売上高の成長率も2年連続でほぼ20%という高い成長率を維持しています。この伸び率から、インテンスはまだまだ成長途中の美容室メーカーであることがよく分かります。この成長期間はいつまで続くのか、どの規模まで大きくなっていくのか気になるところです。美容室ディーラーの大手になると売上高は100~200億円規模です。この成長率が今後も続いたとすると、後7年ほどでインテンスの売上高も100億円を突破する計算になります。今後、インテンスが成長して大手ディーラーと肩を並べるようになるのか楽しみです。
参考記事:企業情報2015年1月
企業情報2016年1月
企業情報2016年12月
美容室ディーラー大手4社との売上高・社員数比較
2016年売上高 (億円) | 2017年社員数 | |
---|---|---|
インテンス | 30 | 100 (2016年) |
ガモウ | 229 | 427 |
きくや美粧堂 | 210 | 403 |
ダリア | 167 | 413 (2016年) |
フジシン | 95 | 183 |
インテンスの売上高・社員数を美容室ディーラー大手4社と比較してみました。現状では、大手4社に比べると、インテンスは売上高・社員数両方とも規模が小さいことが分かります。ですが、今年度の採用予定では11~15人と多くの社員を採用する予定であり、人材強化に力を入れていることが伺えます。これは、やはり売上高が好調な実績があるためだと思われます。美容室ディーラーの市場規模は2000億円程度と言われていますが、インテンスが新しいビジネスやサービスを提案することで、今後は市場規模自体も大きくなっていくかもしれません。
また、大手4社のうちダリア、フジシンは多少劣っていますが、ガモウときくや美粧堂は会社の規模が大体同じです。今後は、この関係がどのように変化していくのでしょうか。この中から、売上高が飛びぬける1社が現れるのかも気になります。
まとめ
インテンスは成長途中の企業であり、売上高の成長が好調でした。
インテンスは全国展開しており、美容商材だけでなく、美容室経営をサポートする講習やビッグイベントを開いたりと活発に様々な取り組みがされています。今後も、美容関係者の方ですと、インテンスに関わる機会が多くなっていくかもしれません。
インテンスが提案するサービスやビジネスには注意しておきたいところです。