こんにちは!コタという会社をご存知でしょうか?男性の方だとあまり馴染みがない会社かもしれません。コタとは一体どんな会社なのでしょうか?詳しく解説していきます。
コタってどんな会社?何をしているの?
出典:http://pallet214.exblog.jp/17417219/
コタの概要、基本事業について解説していきます。
コタの概要
コタは京都に本社を置く美容室向けの頭髪用化粧品を開発する会社です。1979に創業しました。従業員は2016年9月で308名、2014年に東証一部に上場を果たしています。現在の社長は小田博英氏です。
コタの基本的事業
コタは美容室向けに製品を開発して美容室に直販したり、代理店を通して製品を販売しています。資生堂などの市販向け商品は大量生産を前提としているため、使用しても問題がない製品が製造されていますが、コタのような美容師向けの製品は美容効果を重視して製造されています。
コタは美容室の近代化を創業精神として掲げています。美容室は生産性が低く、美容室経営も1代限りという状態にありがちです。
製品の一括仕入れを条件に「旬報店」と呼ばれる顧客管理システムを無料で美容室に提供し、美容室に対してコンサルティングを行っています。具体的にはコタが美容室から売上、来客データなどを入手してそれを基にコタがデータ分析を行い無料でコンサルティングを行うというものです。
美容室経営者は数字から物事を分析するのが苦手なのですが、美容室に対して的確なコンサルティングを行うことでコタと美容室との間に揺るぎのない信頼関係を築いているのが大きな強みといえます。このコンサルティングにより何代も続く美容室経営を目指すことができます。
以上の図は美容室専売品市場の推移です。徐々にですが美容室専売品市場は大きくなっており、美容室来客者数を増やし、店販用品を美容室で購入してもらうことがコタの狙いです。
コタの業績
出典:http://www.cota.co.jp/ir/highlight.html
以上は過去4年間のコタの売上の推移になります。2017年3月期の売上は65.5億です。2016年3月期が65.2億円なのでほぼ横ばいという結果となっています。
上のグラフはコタの営業利益の数字です。営業利益は毎年着実に伸びています。従業員数も300名前後で大きな変化はないです。売上が横ばいなのに営業利益が伸びているということはうまくコストカットを行っているということです。
ミルボンという競合の存在
頭髪用化粧品の分野にはミルボンという巨大企業の存在があります。ミルボンは時価総額で1000億円超、コタは200億円超でミルボンの時価総額はコタの5倍以上あります。
コタ、ミルボンはそれぞれ美容室向けの頭髪用化粧品の販売、製造という事業領域で被っているのでコタはミルボンに大きな差をつけられているといえます。
それではミルボンとコタの違いは何があるのでしょうか?考えられる可能性を解説していきます。
海外進出
コタはミルボンと違って積極的な海外進出を行っていません。ミルボンは東アジア、東南アジアに進出して独自の経済圏を形成しようとしていますが、コタは価格面、流通面でクリアするべき問題が大きく海外進出をする気はない、国内市場形成に尽力していくと述べています。
しかし現在国内市場は美容室の数が今後減っていくことを考えると縮小していくのが予想されますので、海外進出しないと今後大きな成長は難しいように思われます。ただコタの経営陣は自社の経営資源の問題、競合状態を判断した上で海外進出をしないようです。
ネット通販を許可していない
コタはネット通販を行っていません。一方のミルボンはネット通販を行っています。アマゾンなどではミルボンの商品を定価より安く購入できるようです。コタは美容室への店頭販売による美容室の利益の向上を目的としていており、それによって商品のブランディングを行っているようです。インターネットで販売することは商品の価値を下げると考えているとも説明されています。
ネット通販をしないことでミルボンとの差別化を行っているのかもしれません。しかし様々な商品のEC化は高まっています。特に化粧品のEC率はとても高まっています。
EC化することで海外の人も商品を購入することができますので、ミルボンとの差は今後どんどん大きくなっていると予想されますがいかがでしょうか。
デザイナーの存在
コタは製品開発の際に店頭の美容師から直接ヒヤリングを行い、製品開発します。一方ミルボンはデザイナーからデザインをもらい、それを研究所で科学的に解明するという手法を採っています。美容師目線でいえばコタの商品の方がよいかもしれませんが、顧客目線でいえば当然デザイナーから情報をもらう訳なのでより優れた製品のように感じるのかもしれません。
従業員の士気の問題
Vorkersという転職サイトがあります。こちらにコタとミルボンの社員満足度の違いがでていますが、明らかな違いがでています。
左の数値がコタの数字で、右がミルボンの数値になります。法定遵守意識以外のすべての面でミルボンの社員の評価はコタの社員を上回っています。総合評価の面でもミルボンはコタに0.8ポイントの大差をつけています。コタの評価は低いわけではなくミルボンの社員の会社に対する評価は他の業界の企業と比べても高いです。
近年は社員が楽しく働いている企業の業績が伸びているという面があります。苦しいことを美徳とする企業は仕事に喜びを見出すことを得意としていません。一方、人も喜びに価値を見出すことを考えている企業と比べると、サービス面、モノの見方にわずかな差が生じるのではないでしょうか?
まとめ
ここまでコタの経営について紹介してきました。コタは東証1部の超優良企業です。しかしミルボンと差をつけられている現状を見ると、コタが今後成長するためにはEC化と海外進出の可能性の模索でしょうか。EC化を容認していない背景にはどこの人間か分からない者がコタの商品を販売してコタの商品の評判が落ちるのを嫌っていることが考えられます。つまりコタの商品は保存方法によって成分効果が変わってくる職人気質の商品、コタのこだわりではないのでしょうか。奥が深いです。
今後売上を上げたかったらEC化を容認した方がよいと思いますし、コタのこだわりを大切にできる方法を採用できるのかがポイントになってくると思います。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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