Airsalon代表 阿部竜作氏『H+旗艦店を起点に、4年後の美容業界を変えたい』グリー、ミクシィを経て美容室開業の異色社長に独占取材

[記事内外にPRを含みます]
KAMIU運営元であるAirsalonインタビュー記事となります。2017年公開記事。

2016年12月1日、株式会社Airsalon(東京都渋谷区)はフリーランス美容師とお客さまのための面貸し美容室「H+」をオープンしました。
美容業界では珍しい24時間利用可能、美容師への売上100%還元の美容室とのこと。

Q:Airsalonの社長は誰?
A:AIR SALONを立ち上げたのは、大阪出身の起業家 阿部竜作さん。新卒で入社したGREE(グリー)ではソーシャルゲームの運用に携わり、社内の新規事業コンテストで美容業界関連の案が最後まで残ったものの、3ヶ月以内のリリースという条件に間に合わず立ち上げを断念。その後、転職先のmixi(ミクシィ)でカットモデルや美容院のお得な情報がわかる「ミニモ(minimo)」に携わった後に、AIR SALONを起業しました。

引用:美容師のためのAirbnb、フリーの美容師が面貸し美容室を見つけて予約までできる「AIR SALON」※美容業界のベンチャー企業Airsalon(エアサロン)が運営

美容師版Airbnbとも呼ばれる「Airsalon」の運営企業です。
WEB系を主力とした会社としては珍しい自社でのリアル店舗展開について、その狙いやフリーランス美容師専門美容室H+のサービスや特徴などを独占取材記事致しました。
インタビューから感じられた「いよいよ美容業界が変わるかも」という感覚を共有させて頂きます。

社 名株式会社Airsalon(英表記 Airsalon.inc )
資 本 金4,842万円
代表取締役社長阿部 竜作
事業内容シェアサロン運営
サイトURLhttps://airsalon.net/

H+の入居する「原宿KYビル」はアパレルブランドのミルクも入居している

100%還元という最高条件の面貸し店をつくり、フリーランス美容師を一般化させたい

-よろしくお願い致します。KAMIU編集部です。
-今回の「H+」という美容室についてお教え頂けますでしょうか?

H+はフリーランス美容師のための美容室です。
365日24時間利用可能で、月11万円で使い放題・諸経費以外は売上100%還元のサロンとなっております。
また、「集客」「税務・保険」「名刺、フライヤーデザイン・印刷」等のサポートなども行っており、フリーランス美容師でも働きやすい環境の整備を行っています。

-至れり尽くせりの内容ですね。月貸しのみなのでしょうか?材料も使い放題なのでしょうか?

いえ、スポット貸しも提供しており、そちらは1時間1000円からとなっております。
材料に関しても使い放題にしたかったのですが、難しかったためお店のカラー剤、パーマ剤を利用1回につきに一定金額を頂いております。2剤のみ利用の場合は100円を頂いております。
もちろん全て持込の場合は無料です。

-ずばり、美容師の手取りは増えるのでしょうか?

一概には言えませんが、指名売上が50万円以上ある方は、材料費込みの実質歩合が70~80%も可能になるので大幅に上がるケースもあるかと思います。参加スタイリストの中では有名店出身のスタイリスト1年目の方もおります。
弊社からも集客支援をさせて頂くのに加え、ご自身で客ハンが出来るのであれば、かなり稼ぎは良くなるのではないでしょうか。


シミュレーションシートもありますので、是非ご利用されたい方はLINE@経由でお問い合わせ下さいとのこと。

-立地がかなり良いのですが、この立地でその提供内容で採算が取れるのでしょうか?

よく聴かれますがノーコメントです(笑)
他エリアのフリーランス美容室のオーナーさんからは、「ボランティアじゃないんだからもっと稼いだほうがいい」と叱咤激励頂いております。

明治神宮前徒歩30秒のH+。ラフォーレなどもすぐそば。

今回のサロンの位置づけとしては、Airsalonの旗艦店というポジションです。
そもそも母数が少ないフリーランス美容師という職業を増やすためのサポートの実検証に加え、プロモーション店舗としての位置づけです。

美容の中心地である表参道・原宿で最高条件の面貸し/フリーランス専門の美容室を作り、4年後の2020年までにフリーランス美容師という働き方を一般化させたいともくろんでおります。

フリーランス美容師の課題を全て洗い出し、全て解決したかった

-今回はどういう経緯でリアル店舗を作ることに至ったのでしょうか?

Airsalon運営上の最重要課題として「そもそもフリーランス美容師の母数がなさすぎる」という課題にぶち当たっておりました。
そこで、「何故フリーランス美容師が増えないのか?」という課題を全て洗い出し、全ての課題を解決したいと考えました。

増えない原因をヒアリングしたところ主に3つの不安要因で躊躇している事が見えてきました。
「集客」「環境」「税金・保険」の3点です。

-それぞれ3つの課題を具体的にお伺いできますか?

はい。「集客」の課題は、2つにわけられます。
異動した際にお客さんがついてきてくれるのかという課題と、フリーランス美容師になると集客の難易度が格段に上がるという課題の2つです。 「環境」は設備面や立地などの働く上での環境です。
最後に、「税金・保険」ですが何の保証やサポートもないという状況に投げ出されるわけなので、通常の転職よりも圧倒的に学習コストやハードルが高いのです。
ここが不安なので独立を躊躇し、転職されるという方が多くいました。

-リアル店舗を持つことでこれら3つが解決できるのでしょうか?

集客に関してはエリアによっては1名のフリーランスに対して月次平均40名程度は送客できており課題解決に近づいております。
また、今まで出来ていなかった店舗単位でのプロモーションも行えるようになるため、WEB業界出身というノウハウを活かして各種施策を試していく予定です。

環境に関してはiPad完備、防犯カメラ設置、24時間利用可能、フルフラットシャンプー台整備などで解決しました。
フリーランス美容師を支える立場ですので、定期的に無記名アンケートをとり追加で必要な環境を構築していく予定です。

最後に税金・保険に関しては税金周りはクラウド会計ソフトの支援などを行っております。
一番の収穫は保険面でして、美容国保への加入が出来るようになったことです。
このことにより、フリーランス美容師は所得に問わず一定の額で国保が収まるようになりました。

美容業界の「所有と運営の分離」のスタンダードを狙う


-開業費用はどのように工面したのでしょうか?

美容室の進退を考えられていたオーナー様と意気投合し、店舗のリブランディングとともに設備増強を行いました。
現在、店舗家賃や修繕、機材購入などは全てAirsalonが負担しています。

-ということは居抜きでの譲渡ということしょうか?

居抜きではなく「運営委託」と名付けています。
イメージ図はあとから送りますが、美容室の運営と所有を分離させるモデルです。


※届けられたイメージ図。右側のコストをAirsalon社が負担するという。

※届けられたシミュレーション。オーナーはプレイヤーとしての売上と店舗収入が入るとのこと。

異業種で言いますと海外のホテル業界などでは、「所有と運営の分離」が一般的です。
美容業界では美容室オーナー様が「プレイヤーとして働き」「集客」「求人」「教育」「税務」「店舗オペレーション」すべてを行うという事業形態が一般的です。

我々の運営委託モデルではオーナー様は「プレイヤー」「店舗管理」のみ行って頂いております。
その他の美容室としての「集客」「求人」などの運営・経営全般はAirsalonで行わせて頂いております。
また、オーナー様は今まで支払っていた家賃がゼロになるのに加え、売上利益を分配していくため、働かなくても副収入が得ることが可能です。

従来の美容室オーナー様の仕事量は神じゃないとやれないなと個人的には考えており、我々はH+を火付けに「美容業界での所有と運営の分離」のスタンダード化も狙っていきたいと考えております。

-オーナーは重い店舗運営に係る負担をお願いできると言うことですね。オーナー様側のリスクはないのでしょうか?

特にありません。
あるとすれば、ご自身のサロンに色んなフリーランス美容師が集まるので自分の城ではなくなってしまうということですね。
長年経営されていたオーナー様のサロンは、自分の部屋のようなものなので。

-よくわかります(笑)「運営委託元」は募集されているのでしょうか?

まだ積極的に募集していないのですが、KAMIUで取り上げて頂いた記事以降、4店舗ほどお話を頂いております。
エリアによっては同形態でも厳しい場合があるので、相談中です。
現在も募集中ですので、ご興味ある方はまたKAMIUのLINE@経由でご連絡頂けると幸いです。

美容の中心地である「表参道/原宿」から美容業界を変えていきたい

ネットに指を指して遊んでいるのではなく、東急プラザの場所を教えてくれる阿部CEO

-今後のH+の展開をお教え下さい。

今後ですが、H+旗艦店では表参道・原宿で勤める美容師の方への情報発信を強化したいと考えております。
Airsalonでは美容専門学校などで「WEB活用」に関する講義も行っております。

そこでInstagram、Youtubeなど「集客媒体」に頼らない集客論などを伝えているのですが、それらの内容や実例を伝える勉強会などをH+でも開催させられればいいなと思っています。
思いとしては、美容の中心地である表参道・原宿から美容業界を変えていきたいと考えており、「大手の集客媒体」に頼らざるえない業界の現状は変えたいと考えております。
KAMIUのLINE@経由で勉強会情報を配信しますので、是非ご登録ください。

編集後記

今回、計2時間のインタビューとなりました。
最後の出迎えもエレベーターのドアが閉まる寸前のとこまで何故かお辞儀ではなく、笑顔で見送って頂き、ホスピタリティの高さを感じました。

美容室業界に現れたベンチャー企業Airsalon、H+旗艦店で美容業界は変わるのでしょうか。
今後の動きが楽しみです。