美容室を開業して運営していく際、さまざまな備品や設備が必要になりますがカラー剤やタオルなどを収納できる棚がとても大切になります。
意外と美容室にはモノをしまう場所が必要になり、棚の配置や収納の仕方によって作業効率も変わってきます。
それだけではなく、インテリアの一部としての役割を果たすため、定期到な棚だと美容室の雰囲気を壊しかねません。
今回は美容室の収納棚について事例を交えて説明します。
美容室にとって「収納棚」が超大切な3つの理由
美容室にとって収納棚が大切な3つの理由について解説します。
理由1:収納棚で坪当たりの売上が変わる
美容室に必要な設備や備品と言えば、シャンプー台やセット面、カット椅子などの施術に関わるものが沢山あります。
その中で、収納棚は必ずいるものですがあまり注視されていないことが多いです。
しかし、収納棚を適当に置いていると坪当たりの売上が下がることもあります。
収納棚などの収納設備は設計時にどこに置くのか決めると思いますが、この時に作業スペースを広くしようとして収納棚を削るのは間違いです。
作業時、近くに収納棚がないと遠くまで取りに行ったり、おさめに行ったりと移動時間が余分にかかります。
一回の移動が数秒、数十秒の違いだとしても、積み重ねていくと大きなロスタイムになります。
この時間を坪当たりの売上で考えると、ロスタイム分だけでも毎月数万円もの売り上げに差が出ることもあるのです。
年商に直すとかなりの痛手となるため、収納棚の配置や設置はかなり重要になります。
理由2:作業効率に関わる
美容室の収納棚が大切な最も大きな理由が作業効率に関わる点です。
1つ目の理由の坪当たりの売上も、結局は移動時間が長くなるのは作業効率が悪いからです。
収納棚が動線上ではない場所にあると行動に無駄な動きが出てきます。
動きに無駄が出ると施術時間も長くなり、どうしても作業効率が悪くなります。
施術の時間が伸びるとその分、坪単価の売上も下がるという説明を理由1では説明しました。
作業効率が悪いと最終的に売上も下がるだけではなく、お客さんを待たせることになるのでサービスに対する満足度も下がります。
美容室はカットやカラーなどの施術の技術だけでなく、お客さんに満足してもらえるサービスの提供も大切です。
施術時間が伸びて作業効率が悪い美容室になると、お客さんのリピート率が下がることもあります。
顧客率にも関わるので作業効率にこだわって収納棚を配置しましょう。
理由3:美容室の美観維持に関わる
収納棚は美容室のインテリアの一部です。
収納棚が少なかったり、適当な棚を使っていると美容室の美観維持が満足にできません。
美容室の美観維持は大切で他のお店でもそうですが、散らかったお店に行きたいと思うお客さんはほとんどいません。
カラー剤やタオルがそこら中に散らばった状態だったり、適当に収めてあるとお客さんが見た時に不快に思われてしまうこともあります。
収納棚はスタッフが効率的に使えるだけでなく、お客さんからの見え方にも十分気を使いましょう。
カラー剤の収納棚なら箱を色や種類ごとに並べるだけで綺麗に見えます。
タオルもただ収納棚に入れるだけでなく、ちょっとした時にお客さんが目にしても不快に思わないような収納の仕方を考えましょう。
収納棚は内装の一部!お客さんに見られていることも意識すること
収納棚が大切な理由を説明してきましたが、収納棚は内装の一部だと忘れないことも大切です。
お客さんが美容室に来た時、少しでも気持ちが良い状態で帰ってもらえるように工夫できる部分でもあります。
作業効率を上げるのも、美観維持について考えるのも最終的にお客さんへのサービスに繋がります。
お客さんが視界に入れても不快にならないように気をつけたり、作業効率を下げて施術時間を長くしないために収納棚の配置や見せ方にはこだわりましょう。
また、美容室の設計をする段階で収納棚も忘れずにきちんと組み込んでおくことも大切です。
内装デザインの段階でお客さんのターゲットを絞っていれば、どんな棚にしたらいいのかも考えやすくなります。
店内の雰囲気に統一感を持たせるためにも収納棚のデザインも大切です。
カジュアルな雰囲気なのか、スタイリッシュな雰囲気なのかによっても選ぶ収納棚も変わってきます。内装イメージに合わせた収納棚選びを心がけましょう。
カラー剤棚・カラー棚の収納事例を調べてみた
カラー剤棚・カラー棚の収納事例を調べてみました。
事例1.足元に収納してお客さんの目の届かない位置に
こちらの美容室では、カラーブースの足元にカラー剤棚を配置しています。足元にあることで、お客さんの目にも触れません。
カラーブースが半個室タイプで胸もとまでしか壁がないため、足元に色々収納できると見た目がすっきりします。
また、よく使う物だけをカウンターの上に置いておくなど、工夫次第でもっと使いやすくできます。薬剤を色々とまとめて置いておくと、どこに何を置いたのかも覚えやすいので便利です。
置き場所に一貫性を持たせるのも大切です。
事例2.クリアラックですっきり見せる
クリアタイプのヘアカラーラックです。
半透明なので見た目がすっきりしていてクセがありません。
このタイプだと、カラー剤の量によってラックを重ねていくことになります。
カラー剤の量が多いと見た目がごちゃごちゃしやすいので、半透明や透明な収納棚がおすすめです。
デザインにくせがないため、幅広いイメージの美容室に置けるのも特長のラックになります。
また、棚の仕切り代わりにラックを利用するパターンでもすっきり収納できます。
事例3.棚に仕切りをつけてコスパの良い手作りラックに!
普通の棚に100均などで購入できる間仕切りボード(切って使える仕切り板)を利用し、手作りで仕切りを作って収納棚にしています。
シンプルですがしっかりとカラー剤の収納棚になっています。
これならカラー剤の量に合わせて必要な分だけ棚に仕切りを作り、収納棚にできるのでコスパも良いですね。
カラー剤を収納する棚は専用のものがあるわけではないため、美容室ごとに収納の仕方が違います。
手先が器用なら、こうしてDIYで自作してみるのもおすすめです。
事例4.カラー棚をインテリアの一部に!
涼し気な半透明の仕切りが綺麗です。
こちらの収納棚はお客さんから見える配置になっています。
おしゃれで綺麗な棚にするなら、美容室のインテリアの一部にするのもおすすめです。
カラー剤はカラフルで綺麗なので、種類ごとに並べると綺麗なインテリアにも見えます。
美容室で使うものなので、お店の雰囲気を崩すこと少ないです。
美容室っぽいインテリアだと思えば、逆手にとってカラー剤自体をおしゃれに演出するのも良いですね。
事例5.カラフルなカラー剤の箱を活かしておしゃれに!
カラフルなカラー剤をおしゃれに見せる形の収納棚です。
カラー剤自体ではなく、こちらは箱を綺麗に並べることでインテリア代わりになっています。
カラー剤の棚の周りにも、美容室で使用する薬剤がディスプレイされていておしゃれです。
お客さんにあえて見せる収納は、「どんな薬剤を使っているか」お客さんにアピールできるメリットがあります。
実際に使用している薬剤をお店側がしっかり見せてくれると、お客さん側も安心して施術を受けられます。
美容室のタオル・クロス収納棚事例を調べてみた
美容室のタオル・クロス収納棚事例を調べてみました。
事例1.おしゃれな木製のタオルキャビネット
美容室によくあるタイプのタオルキャビネットが木製タイプのスタンダードなものです。
こちらのタオルキャビネットは底に穴が開いているため、戸を開けなくてもタオルを穴から引き出せます。忙しい時には、素早く取り出せる工夫がされているキャビネットだと助かります。
また、穴はお客さんから見えない仕様になっているためキャビネット内を見せずにタオルを取り出せるのもメリットです。
オーダー家具のためキャビネット自体の値段は363,000円と少し高めですが、長期的に美容室を運営するなら丈夫な家具がおすすめです。
事例2.シャンプーコーナー用の収納棚
フルオーダー家具のデザインと機能性を重視した収納棚です。
シャンプーコーナー用の収納棚はいかに邪魔にならないよう、スペースを圧迫しない形で設置できるかが大切です。
こちらの収納棚はシャンプー台の横に設置しても邪魔にならない、細身のタイプの棚になっています。デザインはシンプルですが、安っぽさのないダークブラウンでおしゃれです。
事例3.スリットデザインのバックシャンプーキャビネット
おしゃれなスリットデザインのバックシャンプーキャビネットです。
こちらはオンラインショップのビューティガレージの人気商品になります。
上下セットで価格は税込み63,250円です。
上側のキャビネットの底にはしっかり穴が開いているため、タオルを引き抜いて取り出せます。下側のキャビネットには、大きめの使用済みのタオルの投入口がついていて使いやすいです。
事例4.あえて見せる収納でおしゃれに
こちらはおしゃれな色合いのタオルがずらっと並んだ飾り棚です。
タオル置き場として、飾り棚をそのまま使った美容室もあります。
タオルの他にもあえてシャンプーなどの美容室で使用する備品を並べ、インテリア代わりにしています。
シックな色合いかつとてもおしゃれな飾り棚で、お客さんに見せているためいつも綺麗にしようという意識作りもできていいですね。
あえて見せる収納は綺麗に保つのが大変ですが、清潔さのアピールにもなります。
事例5.スタンダードで使いやすいシャンプーキャビネット
スタンダードなシャンプーキャビネットは、クセがなくて使いやすいです。
こちらの下側のシャンプーキャビネットには、ダストボックスが収容されていて投入口から使用済みのタオルを落として入れられるようになっています。
戸に取っ手がないタイプなので、キャビネットを締めるとすっきりした見た目になります。
美容室の内装の邪魔にならないシンプルなデザインです。
ロッドやカルテの収納について調べてみた
ロッドやカルテの収納について調べてみました。
ロッドやカルテの収納場所はどこがおすすめ?
カラー剤やタオルの他に、ロッドやカルテの収納場所も美容室には必要です。
お店の規模にもよりますが、混雑時にロッドやカルテの収納場所が混雑していると取り出すのに手間取ってロスタイムが生まれます。
収納場所はそれなりにスペースがあり、人の出入りが簡単な場所がおすすめです。
ロットの場合だと、カラーやパーマなどの施術をする際に作業するカラーブースに収納場所を確保しておくと仕事が楽になります。カラーブースでは、器具を洗ったり準備したりする場所として使うため、カラー剤の棚なども一緒に置いておきましょう。
ただし、カルテは顧客情報が書かれたものであるだけでなく、濡らさないように保管する必要があります。カラーブースではなく、バックヤードなど人目に付かないような場所に保管しましょう。
パーマロッドの収納ケースはどんなものが良いの?
ロッドを収納する際、おすすめなのが積み重ねられるクリアケースです。
ロッドの種類ごとに分けて収納しておく必要があるため、外から見てなにが入っているのか分かるような透明なケースが使いやすいです。
また、ロッドの種類や量が多い場合はスペースを取ってしまいますが、三段くらいの横長の棚に切り口が斜めになった収納ケースを並べる方法もあります。
配置の仕方や収納ケースの形状などは、美容室の広さや収納場所のスペース、お店の規模などによって使いやすいように工夫しましょう。
美容室のカルテの収納ケースはどんなものが良いの?
最近ではカルテの電子化が進んでいますが、まだまだ紙媒体のカルテも多いです。
顧客情報が書かれたものなので、面倒くさくてもデータ整理はきちんとやらなければいけません。
美容室のカルテは収納の仕方は、取りにくかったり、探しにくかったりと難しいと感じる人が多い部分です。
収納の仕方を工夫して取り扱いを楽にするポイントは次の3つです。
- 探しやすさ
- 取り出しやすさ
- コンパクトさ
まずカルテの収納を考えた時に大切になるのが、探しやすさです。
探しやすくするためには、パソコンのフォルダのように情報ごとに区切ってフォルダを作りカルテを整理する方法がおすすめです。
カルテを収納する場合はケースに入れる前に、まとめてファイルへ入れる必要があります。20ポケットくらいあるクリアファイルを用意し、そこにカルテを名前などの情報ごとに種類分けして入れていきましょう。
ファイルの背表紙などに分けた種類が分かるように印をつけておくと、後から探しやすいです。テプラなどを貼って本のタイトルのように種類を書いておくと、サッと取り出してカルテを探せます。
他にも、ファイルの中に付箋などを使用してめくりやすいように印をつけておくのもおすすめです。
次に大切になるのが取り出しやすさです。
ファイルにまとめたカルテですが、このままでは棚に並べても崩れたりして取り出しやすくはありません。
カルテを入れたファイルは縦ではなく横向きにしてしまうのもおすすめです。
背表紙を下にして、付箋を貼った部分が上に来るようにケースに並べてしまうとファイルの中で細かく種類分けしたのも活かせます。背表紙を上にするとビニール部分が曲がったり、カルテが折れることがあるので気をつけてください。
クリアファイルが変形しないようにするアイテムでおすすめなのが、無印良品で売られている持ち手つきのファイルボックスです。真ん中に持ち手がついているため、薄いファイルでもしっかりホールドしてくれます。
最後のポイントのコンパクトさですが、クリアファイル自体が薄いためコンパクトな収納ボックスでないとファイルがたわんでカルテが歪んでしまいます。
そのため、収納ケースにはファイルが隙間なく収められるサイズを選んで購入しましょう。
収納ケースを収める棚やケースも必要?
ロッドもカルテも収納ケースを収める棚やラックが必要な場合があります。
ロッドをクリアボックスに収めた場合は、軽量型のラックなどに収納すれば取り出しやすいです。
この時、収納ボックスは横に引いて開けられるタイプのものがおすすめです。
カルテの場合は顧客情報のため、もう少ししっかりした棚や引き出しなど、人目に付きにくい形で収めましょう。
ワゴンがかさばる!ワゴン収納でおすすめな一品
ワゴン収納でおすすめな商品をビューティガレージで探してみました。
C-800 リフティングBOX収納ワゴン
出張用に持ち運べるワゴンが欲しいという声に応えて誕生したリフティング式のワゴンです。
パンタグラフ式のリフトアップ機能を使えば、4段階の高さに設定できます。
高さの調節は取っ手を掴んで持ち上げるだけなので簡単です。
収納時にはロックを解除し、ワゴンを畳めばすっきり収納できます。
引き出しにもロックがついているため、移動させている時に開いて中身が出てくることはありません。
C-95 折りたたみワゴン
多目的に使える折りたたみ式のワゴンです。
スライド式の引き出しパットと布製の収納ケースが1段ずつ付いた2段式になります。
収納時に折りたたむと、奥行きが22㎝までコンパクトになります。
折りたたんでも自立するため、収納スペースがかさばりません。
色の展開も多く、ホワイト・ピンク・イエロー・ブルー・オレンジの中から選べます。
折りたたみ式スタッキングワゴン
折りたたみ式のスタッキングワゴンです。
ステンレス素材を使用したスタイリッシュなデザインでおしゃれなだけでなく、ミニマルデザインにすることで小規模な美容室でもかさばりません。
ワンタッチで折り畳めるため、使用しない時は折り畳んでスペースを有効活用できます。
複数台を重ねて収納できるデザインなので、コンパクトに収納できるタイプのワゴンを探している人におすすめです。
また、ステンレス素材なので汚れがついてもすぐに拭きとって綺麗にできるのも特長です。
シャンプーストッカーワゴン
折り畳み式ではありませんが、シャンプーストッカーワゴンはシャンプーブースの限られたスペースを有効活用したい時に便利です。
収納スペースが沢山あるため、タオルやシャンプー、ダストボックスなど必要なものをすべて詰め込めます。
シャンプー時以外には専用の収納スペースにおいておけば、邪魔になる事もありません。
小規模なシャンプーブースの狭い美容室におすすめです。
ストレージワゴンT618
低コストでたっぷり収納できる多目的なワゴンです。
ワゴンがかさばるのが嫌な時は、折り畳めるタイプのワゴンもおすすめですが収納力が高いワゴンもおすすめです。
折り畳めるタイプのワゴンはどうしても収納力が低くなります。収納スペースがあまりないとワゴンに物を収められず、逆にワゴンが増えたりしてかさばることがあります。
こちらのワゴンは7段もあるため、収納力は抜群です。
最後に:美容室の収納棚に一番詳しいのはディーラーさん?
美容室の収納棚は開業時にすべてそろえておくのがおすすめです。
同時に配置やデザインなども内装と一緒に考えておく必要がありますが、デザインや配置場所などを素人が考えるのは大変です。
こんな時に助けになるのが美容ディーラーさんです。
美容ディーラーさんはシャンプーやトリートメントなどの卸売りをする営業さんですが、同時に美容室に卸すさまざまな商品の専門家でもあります。
商品を購入する際、美容室の収納棚についてディーラーさんにアドバイスをもらってみるのも良いかもしれません。