美容師として働くためには、美容師免許の勉強以外にも様々なことを学ぶ必要があります。現代ではインターネットのおかげで、美容師の勉強方法の幅が広がってきています。
また美容師としてキャリアアップを目指すには、技術以外にもビジネス知識や美容トレンドの勉強も重要です。
今回は美容師に必要な勉強内容と、本、note、アプリ、オンラインサロンなど現代の勉強方法5つを紹介します。
美容師はどうやって勉強する?インスタで情報収集も
美容師の勉強はカットやカラーなどの技術習得だけではありません。フリーランスとして独立したりサロン開業を目指すならビジネスの知識が必要ですし、集客や接客のスキルも問われます。
本項では、現代の美容師はどんな勉強が必要なのかを見ていきます。
美容師免許の取得が必須
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美容師として働くために必ず必要なのが「美容師免許」です。美容師免許の取得には国家試験に合格する必要があり、試験の受験のためには厚生労働省の認可を受けた美容学校を卒業していることが条件になります。
ですので、美容学校で美容師の基礎を学び卒業することと、美容師試験の受験は、美容師を目指すなら必ず通らなくてはいけません。
美容師試験に必要な勉強
美容師試験は、知識を問う「筆記試験」と技術を問う「実技試験」の2つに分かれ、両方に合格すれば美容師免許が取得できます。本項では、2つの試験に必要な勉強内容を簡単に紹介します。
筆記試験に必要な勉強
筆記試験では下記のような分野から出題されます。
- 関係法規:美容師に関する制度や法律
- 衛生管理:公衆衛生、環境衛生、感染症などの知識や、衛生を保つための知識
- 保険:人体の構造や皮膚、髪などの知識
- 美容の物理/化学:美容師が使う薬剤や美容用具などの知識
- 美容理論:美容師の実務や運営に関する知識
言葉だけを見ると難しそうですが合格率はそこまで低くなく、過去問や参考書も発売されています。美容学校で学びつつしっかり対策をすれば大丈夫です。
実技試験に必要な勉強
実技試験ではウィッグを使用してレイヤーカットやセッティングの技術を試験します。また、同時に施術中の衛生面、安全面に配慮できているかどうかも見られます。
基本的な練習は美容学校での授業が中心になりますが、マネキンを用意して自分で練習することも可能です。また、切り絵やカッティングアートなどでハサミの扱いに馴れる練習をするという方法もあります。
美容師にとって独学は重要
美容師試験の合格率を上げるのはもちろん、合格してプロになった後も独学で勉強することは美容師にとって重要です。本項では独学が重要な理由をまとめます。
美容師にはビジネススキルも必要
美容師としてキャリアップするには、施術の技術だけでなくビジネス全般のスキルも必要です。具体的には下記のような知識があると有利です。
- 集客スキル:SNSの運営、マーケティング、ブランディング、コピーライティングなど
- 接客スキル:会話術、カウンセリングスキル、サービス業の知識、話題の蓄積など
- 経営や会計:税金と確定申告、人材育成、在庫管理など
上記のような知識を全て美容学校や仕事現場だけで学ぶのは難しいので、独学で習得することでレベルアップできます。
幅広いニーズに応える
お客様の求める様々なニーズや、隠された需要を発見するためには受け身の勉強だけでは足りません。他の美容師やお店がなかなか持っていない技術や知識を習得することで、差別化をして集客につなげられます。
新しい技術や知識を取り入れるために、常にアンテナを張って独学する必要があるのです。
トレンドを察知する
美容師として活躍するためには美容業界のトレンドをしっかりフォローする必要があります。ファッションの流行は目まぐるしく変わるので、対応できるように下記のような方法でアンテナを張りましょう。
- モデルやインフルエンサーのインスタグラムなど、人気のSNSアカウントをフォローする
- ファッション系のキュレーションサイトをチェックする
- ファッション雑誌に目を通す
- トレンドの発信地であるヨーロッパなど、海外の情報にも注目する
アシスタントとして経験を積むのも有効
美容師免許を取得する前でも、アシスタントとして働き経験を積むこともできます。実際にお店での仕事の流れや空気感が分かりますし、上司や仕事仲間から教えてもらったり情報を得ることもできます。
美容学校に通いながらアルバイトとして働き、卒業後そのまま就職するという方もいます。現場経験から得たノウハウや知識は強いですし、お金も稼げるので一石二鳥な方法です。
美容師の勉強方法5選!
本項からは、美容師の独学に使える勉強方法を5つ紹介します。インターネットのおかげで、トップスタイリストの発信する情報を手軽に学べる時代になっています。
1.美容師向け本で勉強する
美容師が本で勉強するメリットはたくさんあります。
- 1つの知識を体系的に深く学べる
- 自宅や移動中でも読めて時間効率が良い
- 1冊数百〜数千円でコスパが良い
- 接客中に話す知識や話題が増える
特定の技術や知識をじっくり学びたいなら本はおすすめです。美容師になりたい方や、既に美容師として働いている方におすすめの本を8冊紹介します。
これから美容師を目指す方に:『美容師を、めざすキミへ。』
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トップサロン経営者14人のインタビュー集で、美容室・美容師の労働時間や収入などの状況や、美容業界の現状・未来について、説得力のある話を読むことができます。
これから美容師を目指したい方や、将来美容室を経営してみたい方におすすめの本です。
『美容師を、めざすキミへ。』のAmazon商品ページはこちら。
試験対策に必携:『美容師国家試験過去問題集』
出典:Amazon
美容師になるために必ず突破しなければいけない国家試験の過去問題集で、これから受験する美容学生の方の試験対策には必携です。
また、同じ著者・出版社の『美容師国家試験合格対策&摸擬問題集』も試験対策の参考書としておすすめです。
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売上アップにつながる接客術:『トップ美容業コンサルタントが教える驚異のカウンセリング会話術』
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トップ美容業コンサルタント橋本 学さんの著書で、人間心理に基づいたカウンセリング術、コミュニケーションスキルを学べます。
美容師がお客様と行う会話やカウンセリングのノウハウを知り実践することで、客単価アップ、リピーターの増加、店販の売上アップなど様々な効果が期待できます。
『トップ美容業コンサルタントが教える驚異のカウンセリング会話術』のAmazon商品ページはこちら。
カットの基礎固めをしたい方におすすめ:『シンプルカットのすすめ』
出典:Amazon
「3+1」の4種類の切り方を体得することで、様々なヘアスタイルのカットが理解できるという教本です。これから美容師を目指す人の入門から、カット技術を見直したい上級者まで学びのある良書です。
カットの正しいフォーム・体の使い方が解説されていて、スポーツや楽器のように実践中心で覚えていけるのも魅力です。
『シンプルカットのすすめ』のAmazon商品ページはこちら。
カット技術を差別化したい方におすすめ:『内田流+αカット』
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渋谷のヘアサロン「LECO」の代表である内田聡一郎さんによるカット技術本です。カットの基礎をしっかり解説した上で、自分らしい強み「+α」をどう作るかというアドバイスが詰まっています。
基礎をしっかり固めつつ、他の美容師と差別化した技術を身に付けたい方におすすめです。
カラーを基礎から学ぶのにおすすめ:『45日後カラー逆算レシピ』
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表参道と銀座に2店舗を展開するヘアサロン「CANAAN」の長崎英広さんによるヘアカラーの教本です。お客様の次回来店を45日後に設定し、髪質の変化に合わせたヘアカラープランの提案をテーマにしています。
カラー剤のアルカリのコントール法や調合の方法、ヘアカラーの褪色表など、カラーレシピを作るための基礎から深い知識まで学びたい方におすすめです。
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ブリーチカラーを学ぶのにおすすめ:『SHACHU秘伝のヘアレシピ―PREMIUM EDITION』
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トレンドの先端を走る渋谷のヘアサロン「 SHACHU」のヘアカラーレシピを学べる本で、特にハイトーンカラーやブリーチカラーの技術を知りたい方におすすめです。
カラー技術だけでなく、SHACHUのマネジメント・ブランディング術やスタイリング術まで載っていて、トップサロンの様々なノウハウを学ぶこともできます。
『SHACHU秘伝のヘアレシピ―PREMIUM EDITION』のAmazon商品ページはこちら。
修行中の方にもおすすめの雑誌:『TOMOTOMO』
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若い美容師や美容師を目指すアシスタント向けに刊行されている雑誌です。カットやカラーをこれから学びたい人向けの記事や、実践的な接客術の記事など、様々な知識を学ぶことができます。
「TOMOTOMO LABO.」というWeb版も公開されていて気軽に読めますので、ぜひチェックしてみて下さい。
2.美容師さんが配信する「note(ノート)」
ブログのように情報量の多い記事を発信できるソーシャルメディアとして、様々なクリエイターが活用しているのが「note(ノート)」です。
noteの特徴は有料記事を発信できることで、なかなか聞けない技術や施術レシピを発信している美容師の方もおられます。
本項では、美容師向けのおすすめnoteアカウントを3つ紹介します。
美容室『らふる』のブランディングが学べる:中村拓郎さんのnote
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美容室らふるグループの代表である中村拓郎さんのnoteで、様々なビジネスの考え方、らふるの経営アイディアなど、美容室経営に役立つ記事を読むことができます。
美容師向けの技術・知識を発信:美容業界誌・髪書房さんのnote
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『月刊BOB』や『月刊NEXT LEADER』を出版している髪書房さんのnoteで、美容師向けの施術技術やビジネス知識、コラムなど幅広い内容の記事を読むことができます。
カラー技術と知識が学べる:山崎健吾さんのnote
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フリーランス美容師の山崎健吾さんのnoteです。月額500円のマガジン制でヘアカラーの薬剤選定を公開しておられます。プロが実践している技術を知りたいならおすすめです。
3.オンラインサロンが話題!カット・カラーなど美容師向けオンラインサロン
会費制で参加できるインターネット上のクローズドなコミュニティがオンラインサロンです。現在では美容師向けのオンラインサロンが多数開設され、技術や知識を学ぶことができます。
オンラインサロンで勉強するメリット
オンラインサロンに入会して勉強するメリットとしては下記の例があります。
- オンライン上で完結するので外出したり集まる必要が無い
- 憧れの美容師やお店が運営するサロンに参加することでモチベーションが上がりやすい
- 共通の目標を持つ人達とコミュニティで交流し、情報交換ができる
- スキルアップや店舗経営など、学びたい分野に特化したサロンを選べる
1人で勉強するだけでなく、様々なつながりが生まれる可能性があるのがオンラインサロンの強みです。
オンラインサロン検索サイトで探せる
現在では「みんなのオンラインサロン」という検索サイトで美容師向けサロンを一括で探せます。
カットやカラーのスキル向上系、店舗経営やプロモーションのビジネス知識系など、様々なジャンルのサロンから自分に合うものを見つけることができます。
4.アプリで勉強する
スマホやタブレットで場所を選ばず勉強ができる、美容師向けのアプリもおすすめです。本項では、美容師の勉強におすすめのアプリを3つ紹介します。
試験対策をアプリでも:美容師 国家試験 過去問題集
美容師試験で出題された過去問題をアプリで学ぶことができます。外出先やスキマ時間でも試験対策ができるのでおすすめです。
業界のトレンドチェックができる:HAIR
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プロのスタイリストやヘアモデルが投稿する写真・動画を見ることができるアプリです。美容業界の最新トレンドをチェックしたり、ヘアデザインの参考にすることができます。
カットモデルを探せる:SCOUT BY HAIRLOG
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カットモデル・サロンモデルのマッチングアプリです。カットや撮影の練習のためのモデルを、性別・レングス・希望メニューなどから探してスカウトすることができます。
5.美容室ディーラーさんが主催する勉強会に参加する
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タカラベルモントやシンビシン、関西のLEDEALなど、美容室向けの器具・材料のディーラーさんが主催する勉強会やセミナーで勉強することもできます。
美容師向け勉強会・セミナーの種類
勉強会やセミナーには下記のような種類があります。自分が学びたい内容に合うものに参加しましょう。
- カット、カラー、パーマ、ヘッドスパなどのトレンド技術系セミナー
- マッサージ、ネイル、着付けなどの特殊技術系セミナー
- 薬剤やマシンなどの使い方、導入事例紹介セミナーや展示会
- 集客や経営に関する知識系セミナー
- 独立開業やフランチャイズ出店のサポート、説明会
勉強会・セミナーに参加するメリット
勉強会やセミナーに参加して学ぶメリットとしては下記の例があります。
- トレンド技術の実技指導を専門家から直接受けられる
- 薬剤やマシンの最新情報、使い方を知ることができる
- 新しいジャンルの技術を学んで取り入れられる
- 知らない技術、苦手な分野でも集中的に学べる
美容師個人の技術やサロンのサービスの幅を、短期間で集中的に高められるのが勉強会・セミナー受講の強みです。
最後に:インターネットの浸透で美容師が勉強できるサイトや環境が整ってきている
今回見てきたように、美容学校や仕事現場以外でも美容師が勉強できる方法が増えています。インターネットやSNSによって、技術・知識の勉強からプロモーションまで個人で行える時代になりました。
美容師としてレベルアップして成功のチャンスを掴むために、現代の優れた学習環境を活用しない手はありません。記事を参考に、ぜひご自身の勉強に取り入れてみて下さい。