あなたは憧れの美容師さんの給料、平均年収はいくらかご存知ですか?
美容師さんと言えば、華やかできらびやかな世界だと感じている人も多いかと思いますが、実は意外に地味で裏方作業も多いのです。また、時には閉店後に研修会や技術アップのためのセミナーなどが開催されることもあり、とても早くは帰れない雰囲気です。
憧れの美容師さんはいったい年間どのくらい稼いでいるのか知りたくないですか?実はそれほどお給料は高くないと言われていますが、その理由は何でしょうか?ここでは美容師さんの年収に迫ります。
美容師の給料・年収・平均年収はいくら?
ぶっちゃけて言うと、美容師の平均月収は23万円。資格が必要な職業30種のうちで28位とほとんど最下位となっています。美容師さんでなくても、忙しく重労働な割にどうしてこんなに低いの?と言いたくなりますよね。
アシスタントの給料・年収・平均年収
美容学校を卒業して美容師国家試験を受験し、晴れて合格。そして就職先の美容院に就職。固定給は15~16万というケースも多いようです。しかし、表参道や青山など美容院の激戦区となるところは、意外にアシスタントの初任給は10万前後と低く、地方の美容院では16.7万と逆に高いところが多いようです。
また、アシスタントの場合は、まだお客さんを取ってカットやカラーができないので、プラスアルファの歩合収入もありません。これでは、一人暮らしもままならないのではないでしょうか?年収にすると平均して180~230万といったところですね。
スタイリストの給料・年収・平均年収
辛く長かったアシスタント時代を経て、ジュニアスタイリスト、さらにはスタイリストに昇格となり、やっとお客さんのカットやカラー、パーマを任されるようになります。すると大方の美容院では、スタイリストの給与形態として、固定給+歩合の給料や、固定給のみ、あるいは歩合のみなどを選択できるところもあるようです。
歩合だけでは生活が不安という方は、固定給併用を、また腕と営業に自信があれば、歩合のみを選択してみるのもいいのではないでしょうか?
平均してスタイリストになると20万を超える給料が取れるところも多いようです。
また、スタイリストになると、取ったお客の人数に対してインセンティブも付くところが多いようです。したがって人気がある、指名が多い美容師はインセンティブも多く貰えますので、毎月の収入も高くなります。このようにスタイリストとして、普通の会社員並の給料を貰えるのは、だいたい学校を卒業して8~10年、平均して28歳で年収は350~400万だと言われています。
会社員にしてみれば、だいたい大企業であるなら350万~400万というのは初任給からせいぜい社会人2.3年目くらいの給料ですから、独身ならともかく、結婚して家族を養うとなるとキツい面もあるかも知れませんね。
また、まだ若くて元気のあるスタイリスト時代なら、業務外のコンテストやスタイルブックの作成、ワークショップなどへの積極参加など、自分の付加価値を高めるのに精を出してもいい時期かも知れません。「○○コンテスト優勝」などと付加価値をつけるとお客様の信用も得ることができ、固定客も徐々についていきます。
店長の給料・年収・平均年収
美容師も店長クラスになると、固定給で30万近く貰えるようになります。大体月間の売上が300万くらいになると、店によっては年収が1000万を超える人もいるようです。
さらに有名美容室だと、雑誌やテレビなどでモデルや女優のヘア・メイクを任されるようになり、サロンワークと並行して活動するようになります。しかし年収1000万を超える人はほんの1割程度に過ぎず、多くは年収にして800万あればいい方だと言われています。
店長ともなると、自分の売上だけではなく、店全体の売上やスタッフの状態、さらに顧客の管理、さらには利益率の管理までが重く肩にのしかかってきます。店が終わってからも作業に追われ、店を出るのは午前様などということもあるようです。そこまでやって給料は30万そこそこでは、ちょっと割に合わないと感じる人もいるようです。
開業した場合
それでは、雇われ美容師を卒業して、晴れて自分好みのスタイルの店を開業した場合はどうなるのでしょうか?開業すれば、地方でも1日20,000円ほどを目標に営業すれば、1年で720万ほどになります。しかし、経営者の場合、賃料や消耗品などの経費は自分で支払いますので、それを差し引くとそんなには残りません。
ただ、評判が評判を呼び、売れっ子になって多店舗展開するような美容院のオーナーになると、自分が働かずしてディレクションのみで月に数百、数千というお金が入ってくるようになりますので、独立するという夢がある以上は、少ない年収の時代に諦めずに頑張ることがおすすめです。
さらに自分で開業すれば、通勤や人間関係の苦痛などから逃れられます。自分の店なのですから、人を雇用するにしても自分好みのスタッフを雇うことができますし、店の内装、インテリアなども自分好みにすることができます。かなりストレスフリーな環境で仕事をすることができるため、モチベーションも上がっていきます。
フリーランス・面貸し美容師の場合
美容院に雇われて働いている方の中には、固定給の人もいれば「面貸し」あるいは「レンタル・ミラー」と言って、鏡のある椅子だけは貸すけど、給料は固定ではなく、完全歩合制の人もいます。これは店舗によってその割合は変わってきますが、おそらく現在では8.9割はレンタル・ミラーで働いている人が多いものと思われます。
フリーランスでやっていける実力はあるのだけれど、まだ開業するまでのステップに到達していない、あるいは開業する勇気がない、資金もないという人は、フリーランス、レンタルミラーの歩合制でまず開業資金を稼ぐのもいい方法です。
このような働き方だと、自分に入ってくる歩合率は45%~65%とも言われています。要するに固定給で働いている美容師の給料よりもいいのです。給料がいいのですから、自分の店の開業というモチベーションがあれば、どんどん稼ぐのが楽しくなってきます。
また、美容師側が店側に「使用料」として、一定の金額を支払って場所を利用させてもらうケースもありますが、現在ではシェアオフィスならぬ、シェア美容院なるものも登場してきました。店全体がレンタル・ミラー、メンバーも全員がフリーランスなので、新しい価値観の働き方として注目されています。
働いている仲間が全員フリーランスなのですから、お互いがライバルという雰囲気も漂いますが、切磋琢磨してお互いに開業に向けて頑張ることができます。
売上100万円達成した場合の給料
月間100万円の売上を達成するということは、簡単なことではありません。
いくら高級な店で、カットやパーマの料金が高く、一回の料金が25,000円だとしても、月間の営業日数25日で、40人の施術をしなくてはいけないということになります。
1日に換算すると1.6人と、そう忙しくもないように思えますが、必ずしも全員のお客さんが25,000円を使ってくれるとは限らないため、もっと人数を稼がないと月間100万円は達成できません。
ちなみに100万以上売上げていれば、給料は33万以上あると言われますが、これはテレビなどで騒がれるカリスマ美容師クラスです。普通のクラスでは、せいぜい55万くらいの売上がいいところだそうです。
指名された場合美容師の指名料は?
それでは、美容室の予約のときにお客さんが「指名」してくれた時には、美容師にはいくら入るのでしょうか?この場合は、お店によって違いがあったり、雇用形態によります。例えば固定給なら指名の売上の1割が給料に加算されたり、フリーだとぜんぜん指名料は入らなかったり、指名売上の2~5割を貰えたりと、その歩合率はいろいろです。
逆にお客さん側にしてみれば、指名料として1000円程度払うところや、指名料は無料というところもありますよね。こちらのほうもお店によってシステムが違うようです。
美容師の給料が安い理由は?
美容師の給料が安い理由は、「未だに指定制度の人事システムを取り入れているから」です。その人事システムとはアシスタントからはじまり、ジュニアスタイリスト、スタイリスト、トップスタイリスト、そして店長候補と6段階に分かれます。
アシスタントの場合、給料は16万円強、店長候補で28万円となります。しかもアシスタントからジュニアスタイリストになるには最低でも2.3年、長いと6年以上かかる場合もあり、この間は大都会では食べていくのがままならない状態となります。
これでは、スタイリストに昇格する前に燃え尽きてしまい、夢半ばで離職してしまうか、体を壊してしまう人も少なくありません。運良く独立開業できる人は地方にUターンするなどして地元で開業するパターンも多く、いきなり東京・大阪などの大都会で開業できる人はほんの一握りと言われています。
まとめ
いかがだったでしょうか?憧れの職業である美容師の給料・年収、そしてなぜ過酷な労働の割に給料は安いのかについて迫ってみました。
美容師の給料が安いのは、昔ながらの師弟制度をいまだに引き継いでいるからだったのです。見習いなら安い給料から始めるという、日本古来の師弟制度が華やかに見える美容業界には未だに残っているのです。
しかし、ある程度の実力がついてスタイリストになり、開業することができれば、道は一気に開けてきます。店の運営がすべて自分にかかってきますが、それを乗り越えることができれば、サラリーマンの給料など霞んでしまうくらいの収入を得ることができます。
つらい修行時代は大変ですが、そこから夢に向かって頑張れば道は開けることを信じて、まずは憧れの美容師免許を取ることから始めてみましょう。