憧れの職業の上位にランクしている美容師という職業。あなたも資格を手に入れて華やかな職業である美容師になりたいと思いませんか?
ここでは、美容師資格へのパスポートである国家試験の内容と、合格率、難易度、受験者数、そして受験する前に入学する、美容学校の概要や学費などについてご紹介致します。果たして美容学校に行くにはどのくらいお金がかかるのでしょうか?また、国家試験はどのくらい難しいのでしょうか?こちらもあわせてご紹介致します。
美容師になるには国家試験を受ける必要がある
美容師になるには、まず国家試験を受けて合格しなければ免許がもらえません。そのためにはまず、厚生労働省が指定する美容学校に行って、その後で国家試験を受験することが必要となります。まず、美容学校では、美容に関する法規や公衆や環境衛生、感染症、衛生管理、また人体の構造や機能、皮膚科学、保健や物理、化学なども学びます。
国家試験は筆記と実技があり、学校で学んだ内容から出題されます。また、実技もそれほど難しいものではなく、受験前にロッド巻きを地道に練習しておけば、十分合格できる内容となっています。
単に美容師といえども、髪をカットしたりパーマをかけたりができるだけでは不十分で、感染症などの病気や衛生に関すること、または、それに関する法規などを体系的に知っておかなくてはなりません。
その為、美容学校で学ぶ範囲、すなわち、国家試験に出題される範囲はパーマやカットなどの技術的なことに加えて法律や衛生、物理、化学、それに人間の体に関する解剖学的な事柄に至るまでの内容となり、とても範囲が広いものとなります。
また国家試験に合格しただけでは、美容免許を取得したとはいえず、登録申請をしなくてはいけません。美容師名簿に登録されたら、晴れて免許を取得したと言え、免許証も発行されるのです。
また、その後免許証に記載する氏名や住所などが変わった場合や、運悪く紛失したり破損させてしまった場合などには、再発行申請が必要となります。
免許証があっての資格ですから、免許証はつねに携帯して出せるようにしておくことが理想とされるため、紛失したり破損した場合には速やかに紛失、再発行届けを提出し、再発行してもらうように努めましょう。
国家試験の受験資格
受験資格は、平成10年3月31日以前に入学した人は昼間部1年、夜間部1年4ヶ月以上、通信2年以上美容学校で学び、かつ1年以上の実地訓練を受けた人に受験資格がありましたが、平成10年3月31日以降に入学した人からは、昼間部・夜間部ともに2年、通信教育では3年以上美容学校で学ぶことが必要と変更になり、美容学校卒業後、1年以上の実地訓練は省略となりました。
そのため、美容学校の2年時には卒業前の2月に国家試験を受験します。まだ試験内容を学んだばかりで、記憶にも鮮明に残っているためか、年に2回ある国家試験のうち、2月の合格率は90%近くあり、とても高いものになっています。
国家試験科目(筆記・実技)
では、次に国家試験科目についてご紹介しましょう。試験科目は筆記と実技に分かれており、美容学校で学んだ内容を復習して過去問と解いて対策しておけば十分に合格できます。
筆記では、関係法規制、制度、公衆衛生、環境衛生、感染症、衛生管理技術などの衛生管理、人体の構造と機能・皮膚科学などの美容保健、物理・化学、美容理論となります。
また実技に関しては、普段からロッド巻きの反復練習を実施し、十分にスピーディーに巻けるようになっておけば、いざ実技試験の時にも慌てず、あがらずに実力を発揮できると思います。
日程
試験は毎年2月と8月の二回の試験があります。美容学校生は2年在学中、卒業前に2月の試験を受けますが、運悪く不合格となってしまった場合には、翌年の8月の試験を受けます。
美容師国家試験の合格率・難易度
では、国家試験の合格率、または難易度はどのくらいなのでしょうか?国家試験の合格率は2月受験と8月受験では、合格率が異なります。
2月の国家試験は美容学校に在学中の学生が受験するため、現役で学んでいるのでまだ試験内容が記憶に新しく、合格率は最高で89%にまでなったことがありますが、8月受験の試験では最高で60%ちょっとです。8月受験は新卒とは限らず、いろいろな年齢層の人も受験するので、合格率は現役学生よりも低くなるようです。
美容師国家試験の受験者数
では、国家試験の受験者数はどのくらいなのでしょうか?国家試験の受験者数は、平成18年頃に比べると横ばい状態で、若干減ってきています。その理由は少子化もあります。
また、受験月が2月と8月では、とても大きな差があります。2月は卒業を控えた現役の美容学生が受験するために数が多く、受験者数は18,000人ほどにもなりますが、8月受験は美容学校新卒でない人も受験するために数は少なく、5,000人程度です。
美容国家試験に合格するためには?
国家試験はまじめに美容学校で勉強していれば、とても高い合格率を誇る国家試験です。国家試験に合格するには、まず50問中60%の正答率を確保しなくてはいけません。また、それだけではなく、どの教科においても無得点のものがないこと、さらに実技試験の衛生上取扱試験の減点が20点以下、基礎的技術試験の減点が30点以下、さらにたくさんある審査項目についての減点数も細かく決められています。
美容師国家試験を受験するためには専門学校へ行こう
国家試験を受験するためには、まず、美容専門学校へ行きましょう。いわゆる美容学校というところで、2年制度です。美容学校には通学制と通信制があり、通学制なら2年、通信制なら3年の月日が必要です。
通学生なら、高校を卒業したばかりの若者などが多く、通信制は若者もいますが、働きながら美容師転職を目指す社会人なども含まれています。
いずれにしても美容学校を出ていないと、美容師国家試験の受験資格もないのですから、まずは入学を決めるのが先決です。
美容専門学校の学費
では、美容専門学校の学費はどのくらいなのでしょうか?美容専門学校の学費は、学校のよってまちまちですが、平均すると2年間で200~270万となります。そのうち初年度に納付する金額が140~150万円ほどとなります。美容学校は美容師国家試験にターゲットを絞ってカリキュラムが組まれており、どうしても実技が多く、教科書だけではなく教材費も多くなるのため、費用もかさみます。
しかし、中には2年間の学費が170万程度のところもあれば、2年間のトータルが300万円を超える学校もあります。
この違いは、単純に美容師資格を取得するのを目標とした場合は、それほど課外の授業もなく学費も安くてすみますが、授業料の高い学校などは、実技のために最高級の材料やイギリス、フランスと言った美容先進国に研修旅行が組み込まれている場合もあって、授業内容が濃く、より実践的な場合もあります。そのため、授業内容をじっくり見比べて見る必要があり、一概に数字だけを見て高いとは言い切れない場合もありますので、学校選びには、生徒にあった学校を見極めるため、じっくり検討する必要があります。
通信で美容専門学校に行く場合
では、どうしても事情で美容学校に通学できない、あるいはすでに美容室で働きながら、あるいは他の仕事をやりながら通信などで資格を取り、美容師になりたいといった場合はどうでしょうか?
美容師の通信教育は年に2回の募集があります。普段は通信で勉強する他、年間600時間以上の面接授業(スクーリング)を受けることが法律で義務付けられています。
そのため、美容学校の昼間部、夜間部の夏休みなどの長期期間を利用して、面接授業(スクーリング)が行われます。
普段の通信での課題をこなし、昼間部・夜間部の夏休みなどの長期期間を利用した面接授業(スクーリング)が受けて、その成績が総合的に判断され、合格となると晴れて試験の受験資格が与えられます。
通信制の美容学校は、どうしても通信で課題をこなし、スクーリングの授業も昼間部・夜間部の授業がない長期休暇などの時期に限られるため、卒業するまでに3年がかかります。
また、その費用は通学制に比べると格段に安いですが、それでも学校によって違いはあるものの50~100万円はかかってしまいます。
まとめ
いかがだったでしょうか?憧れの美容師になるには、並大抵ではない努力と時間、費用がかかりそうですね。
また、晴れて国家試験に合格してからも、美に対する知識やトレンドを吸収するため、常に努力を重ねなくてはなりません。
そうしないと顧客の信頼を得られず、結果的に顧客は離れていってしまうことになります。
美容に対する知識は、基本的なところは変わりはありませんが、新しい技術が開発されたり、新しい材料が発売されたりした場合には、そのやり方、扱い方などを学ばなくてはなりません。そのために常に最新技術を吸収してやろうという好奇心、向上心も必要となります。
華やかな部分ばかりがクローズアップされ、地道な部分はあまり伝わってこない美容師という職業ですが、実は地道な部分もけっこう多いことを知っておかなくてはなりません。結局のところは、ものづくりが本当に好きな人、地道な作業でも苦にならない人に向いていると言えるでしょう。