【オーナー必見】美容室経営を順調にするには〜失敗・行き詰まりからの脱出〜

[記事内外にPRを含みます]

美容室を開業したものの、経営がうまくいっていないケースはよくある話です。

  • 思ったように集客が上手くいかない
  • 顧客のリピート率が低い
  • 近くの店舗に顧客を取られる

こんな悩みを抱えた経営者の方でしたら、きっと有効な情報をお教えできるかと思います。

反対に、失敗しないために心得ておくことは、これから開業・独立する方も知っておくと、行き先明るい経営ができます。

この記事によって今後どういう考えを持って経営していくべきかということが分かるはずです。
必見です。是非御覧ください。

美容室市場の衰退

年々、美容室市場は衰退傾向にあります。

男性若年層の美容離れによる美容室来店数の減少、来店サイクルの長期化、低価格美容室の台頭と発展、少子高齢化など要因は様々ですが、複合的な要因によるものと考えられます。
下記図をみても、徐々にではありますが、年が経つごとに市場規模が右肩下がりになっていることがわかります。
矢野経済

引用:理美容市場に関する調査結果 2015 (矢野経済研究所)

一方で、美容室の数は毎年毎年増え続けています。
市場はどんどん小さくさるのに、その市場を分け合う美容室は増えていくため、1美容室あたりの売上が減っていくのは当然の流れです。
例えると、今までは大きな10個のチョコを10人で食べていたのに、現在は8個のチョコを12人で食べるようなものです。
これからも美容室市場の縮小はますます進んでいくと考えられるため、さらに1美容室あたりの売上の減少もさらに悪化していきます。

しかし、「市場縮小の中でもしっかりと売上を確保したい」と考える美容室経営者の方に向けて、最低限どういう考えを持っておくべきかということをお教えします。

sugamo

美容室の顧客のニーズに合わせる経営

「顧客のニーズに合わせる」なんて言葉は耳が痛くなるほど聞いたかもしれません。
しかし、自分に問いかけてみてください。

美容室に来る顧客のニーズとはなんですか?
その答えに圧倒的な自信はありますか?

基礎中の基礎かもしれませんが、ニーズは時代の変化に伴って変わっていきます。

その意味で、美容室のライバルは美容室だけではありません。

竸業関係は単に美容院業種間の竸争の多さだけでなく、 また理容対美容と言った頭部調髪やヘアーファッションと言った竸争関係ばかりでなく、 もっと広い意味の竸争関係が発生している

引用:競争力を高める美容院経営―全国22万店がひしめく美容界!生き残るノウハウ(小濱 岱治,経営情報出版)

引用文が示していることは、美容室のライバルはエステ、介護施設なども含めるということです。

変わりゆく時代の中でも、現在のニーズを理解して、美容室経営に活かしましょう!

カットモデル

引用:美・エージェント

おもてなし美容室経営で顧客満足を

山野美容室の山野愛子先生は言いました。

「いくら高い美容技術でお客様を綺麗にして差し上げても、 そのお客さんが本当に美容師の接客マナーを含むサービスに満足して、 にっこりと微笑むような気分で、 お帰りにならない限り、 そのお客さんの本当の美しさを引き出した美容技術とは言えないのですよ」

引用:競争力を高める美容院経営―全国22万店がひしめく美容界!生き残るノウハウ(小濱 岱治,経営情報出版)

 

つまり、外面がどんなに素晴らしくても、内面まで満足させてあげられないと、本当の満足にはつながらない、ということです。

自分が経営している美容室を思い出してみてください。

内面まで満足させるサービスを意識していますか?
従業員に内面の満足も大事だと伝えていますか?

簡単なように見えて難しいですが、意識することで経営状況も大きく変わるかもしれません。

  • 会話を楽しむ
  • 元気な挨拶を徹底する
  • どんなに忙しくでも笑顔を忘れない
  • 髪の毛が問題ないか丁寧に都度確認する

「おもてなし」の精神をもって接すること、それがリピートにも繋がってくるのです。

おもてなし

引用:クールジャパン-日本人気 おもてなしは、まれびと信仰か?

生理的ニーズよりも心理的ニーズを満たす経営

美容室にくる顧客を内面から満足させるための経営とはは、何を意識したらいいのかを明確にしたいと思います。

生理的欲求とは、髪が伸びてきたから切りたい、頭皮をきれいにしたいなどという、生活していく上で誰しもが出てくるニーズのことを言います。
支障をきたしていたり、不愉快であったり、さっぱりしたいというニーズです。

承認・自己実現欲求とは、きれいになりたい、モテたい、サラサラの髪の毛にしたいなどという、おしゃれを楽しみたいというニーズのことを言います。

マズローの5段階欲求という考え方があり、ピラミッドの上に行けば行くほど、現代的な高次元の欲求と言われています。

マズロー

引用:マズローの欲求5段階説 |モチベーション向上の法則

現代では、このピラミッドにおける承認・自己実現欲求によって、美容室に行く顧客が多いです。
つまり、美容院にくる顧客は、髪が伸びたからというよりも、おしゃれになりたいからという欲求で来店します。

この承認・自己実現欲求を満たして、内面から満足して帰ってもらうには、下記の2つが重要です

  1. 顧客が求めている髪を実現してあげる
  2. 完成した姿を褒めてあげる

1では、まず美容室・美容師としての技術が試されるところです。
技術力は1日2日でどうにかなるものではないので、いかに丁寧に「どのような髪型にしたいのか」を引き出すことが大事です。
美容師の方は忙しくて、顧客のなりたい姿をしっかりとヒアリングすることに時間を使ってないという意見はよく聞く話です。

「どのような髪型にしたいのか」
「なんで髪型を変えたいのか」
丁寧に引き出してあげましょう。

美容師

引用:アミーコーポレーション

2では、完成したときに褒めることを絶対に忘れないことです。
お世辞っぽくしてはいけません。

しかし、褒めるということは相当な会話の技術が必要になります。
苦手な方でもすぐに実践できるやり方を3つご紹介しましょう。

  • 周りなら気づかないようなポイントを褒める
    人は「この人はここまで見てくれているから全体の良さもわかってくれている」と心理的に錯覚するということが実証されています。


  • 前と比較してどうなったかを褒める
    髪を切ったのだから、切る前と後で変化があるのは当然です。髪型の変化に対して、どこがどうよくなったのかを褒めてあげることは、簡単ですね。


  • 髪を切ったことでどんな良いことが待ってるかを伝える
    人は「WHY」を伝えることで納得感が増す生き物です。
    なぜ髪を切ることが良いことにつながるのかを示してあげましょう。
    「髪を切って綺麗になりましたね。これで明日職場できっと褒められますよ。」などと伝えてみてください。
    きっと髪を切ってもらってよかったと思っていただけるはずです。

丁寧に顧客の求めている姿を引き出して、適切な技術で作り上げ、それを褒めてあげる。
この流れによって、顧客の内面から満足して自分の美容室をリピートしてくれるのです。

この考え方や方法を、経営者が美容室で働く従業員に、いかに徹底させることが次のステップですね。

美容師

引用:QJナビ(キュージェイナビ)

お金をかけずに良い美容室だというイメージを与える経営

美容室の経営者であれば、経営者自身がどのような店にしたいのかというビジョンが少なからずあることでしょう。
しかしそのビジョンを追い求めるにはお金がかかることもしばしばです。

できるだけお金をかけず、経営者のもつビジョンを実現するにはどのような方法があるのでしょうか?
いくつかご紹介したいと思います。

「新しい美容技術をよく導入している店」 を顧客にイメージ付けするためには、 案内状やチラシ等で、 新しいヘアースタイルを計画的に紹介したり、 待合室に外国の美容雑誌やファッショ ン雑誌を置いて閲覧できるようにしたり、店内の壁面に従業員が参加した美容コンテストの写真を掲げたり、顧客への話しかけで最近の美容情報をそれとなく提供したり、 それも気軽に自然に話すことによって、 顧客は新しい美容センスのある店と評価をしてくれるようになり ます。

引用:競争力を高める美容院経営―全国22万店がひしめく美容界!生き残るノウハウ(小濱 岱治,経営情報出版)

美容室の技術を高めるという方針の経営でも、技術力を上げずに美容室に置いておくものなどを、ちょっと工夫すれば演出できるんです。

「清潔衛生管理に気を使っている店」の表現は、・・・(一部省略)・・・汚れ物は蓋付きのポリバケツや汚れ収納ポックス等に即座に入れてしまい、 顧客の目に触れさせないようにする方法が適当です。 店が多少老朽化していても、 顧客の目に触れる場所はきちんとしている管理方法に重点を移せば、 比較的に衛生状態の良い店としてのイメージ評価は高くなります。

引用:競争力を高める美容院経営―全国22万店がひしめく美容界!生き残るノウハウ(小濱 岱治,経営情報出版)

少し年季が入ってきた美容室には有効な経営方針です。自分がお客さんだったときに見たくないものは置かないという、当たり前の方針かと思います。

美容師

引用:杉浦成規オフィシャルブログ

「接客マナーが完璧な店」を顧客にイメージ付けるには、誰に対しても丁寧語の使用を行い、てきばき応対で、楽しそうに働く雰囲気をつくるようにすることです。顧客にとっては従業員の動きがいつも活気に溢れ、それでいて鄭重な言葉で話かけられる店は、それだけでサービスの良い気持ちの良い店としての印象を持つことになります。

引用:競争力を高める美容院経営―全国22万店がひしめく美容界!生き残るノウハウ(小濱 岱治,経営情報出版)

やはり顧客はパッと見の印象で美容室全体の印象を抱くものです。ある店舗では、活気のあるイメージを持ってもらうために、朝礼で大声で挨拶をしながら、ダンスをして、大声でお互いのいいところを褒め合ってから、営業を開始しています。
優秀な美容室の経営者の方は、いち早く気づいて実践しているんですね。

美容師

引用:【沖縄イケメンファイル Vol.1】 首里(しゅり)のカリスマ美容師

まとめ

今回は、顧客を本当に満足させて、自分の美容室に何度も足を運んでくれるような、美容室経営についてまとめさせていただきました。
当たり前のことかもしれないですが、落ち着いて考えてみると、忙しい日はうまくできていなかったりするものです。

また、今回まとめさせていただいた、美容師が持つべき考え方や接客方法を、いかに従業員にも伝えて文化を作り上げるかというところまでが、美容室の経営者の仕事であると思います。

いい文化を作り上げ、いい顧客が何度もリピートしてくれるような経営を今日から実践していきましょう!