パーマトラブルで裁判に!?パーマトラブルの対処法について

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日々サロンワークの中で、パーマのお客様は一定数いると思います。
きれいにかかりお客様が満足したのであればそれは成功です。
逆にチリチリにしてしまったり、かかりが弱かったりなどトラブルが多いのも事実です。
いわゆる“失敗”した経験はありませんか?
今回はそんなパーマトラブルの対処法を解説します。

パーマトラブル訴訟

(出典: http://bengoshihoken-mikata.jp/blog/archives/4024

数年前にパーマの失敗により裁判沙汰までになった事件をご存知でしょうか?
その事件とは、2014年1月に香川県に住む女性が損害賠償490万円を求める裁判を起こしました。
経緯はこうです。

2013年1月 香川県内の美容室でデジタルパーマをかけるが、髪がもつれると感じた。
   5月 美容室経営者の男性から元に戻せると言われ、ストレートパーマをかける。
      しかし、縮れ毛が出るようになる。
      この時、7月に結婚式を挙げる予定だと伝える。
    7月 再度、ストレートパーマをかけるが毛先から25cmが縮れた。
      最終的に髪の毛を15cm切らざる得なくなった。
2014年1月  損害賠償490万円を求め裁判を起こした。

 

ポイントは、「ダメージさせたこと」プラス「結婚式」でしょう。
女性にとって結婚式は一生に一度の晴れ舞台です。
そのために髪をわざわざ長くし、華やかなヘアメイクをする人は多いです。

訴訟を起こした女性も、長い髪の毛を失い結婚式の直前でお色直しの計画を変えることになったそうです。
訴訟では慰謝料と髪が元の長さに戻るまでのトリートメントやカラーリング代などの費用を求めました。

男性の方は、5月の際の施術だけミスを認め、責任がないわけではないのでどこまで責任を負うべきか、裁判ではっきりさせたいとしていたそうです。
また、できれば女性と和解したい意向だそうです。

なぜ起こった?パーマトラブル

では、なぜこのような裁判沙汰にまでトラブルが起こったのでしょうか?

毛髪診断ミス

まずはこれに尽きます。
「施術履歴」「自宅でのお手入れ方法」「現在の毛髪の状態」。
これらを正確に見極めることで、事前に防げたかもしれません。
最初のデジタルパーマの時点で、傷んだのであれば毛髪診断ミスの可能性はあります。
あえて、パーマをお断りする選択もあったでしょう。

対処の誤り

最初のデジタルパーマの失敗は想定外だったかもしれませんが、2回目以降のストレートパーマがとどめを刺したように感じます。
傷んでいるところに、さらに薬剤や熱が加わるためダメージが出ないわけがありません。
ストレートパーマはどんな髪でもサラサラにする魔法ではないことを改めて確認しておきたいです。

技術・知識不足

薬剤を使う施術は時にスピードが命取りになります。
そのため、施術スピードが遅く技術不足なために起きることや、間違った使用方法・薬剤知識・毛髪理論などの知識不足のために起きたトラブルの可能性もあります。

スタイリストだからといえ、技術や知識は完璧にいくとは限りませんので、常に最新の知識と技術の鍛錬を心掛ける必要があります。

パーマトラブルケースと対処法

上記の裁判トラブルはまれなケースではありますが、日々どこかのサロンでパーマのトラブルは起きています。
起こりそうなトラブルケースを紹介するとともに対象法も説明していきます。

かかりが弱い

想定していたカールより明らかにゆるく、乾かすとほぼなくなる弱さです。
考えられることは「ロッドが太い」「使用薬剤が弱すぎた」「放置タイムが足りない」
などが挙げられますが、ほとんどの場合ロッド選定のミスが多いでしょう。

◆対処法◆
ゆるいだけなのでかけ直せばいいと簡単に考えがちですが、連続してかけるのは少々危険です。
お客様の時間の関係上、「今日かけ直して」と言われてもそこはお断りして1週間後に来てもらうように説明しましょう。

また、仕上げの時点でゆるいことに気づいたらお客様もどう感じているか聞いてみましょう。
やはりゆるいと感じているの出ればかけ直しの説明を、特に問題なくても「数日様子をみて、やはりゆるいようでしたらご連絡ください」と説明しましょう。

かかりが強い

逆に思ったよりもかかりが強いことがあります。
これはゆるい場合の逆で「ロッドが細い」「使用薬剤が強すぎた」「タイムを置き過ぎた」
などがありますが、かかりが強い場合はロッド選定ミスというよりも、薬剤選定ミスやタイムを置き過ぎたことで発生します。
特にアルカリのコールドパーマの場合、2剤の”しまり”を考慮せずに1剤を放置しすぎることでも起こります。

◆対処法◆
実はかかり過ぎは少々面倒です。
太いロッドでかけ直したところでゆるくなるわけではないので、ストレートパーマでカールをゆるくするしかありません。
これも連続してかけるのは危険ですので、お客様に謝罪の上説明し数日後にお直ししましょう。
また、ダメージ度合いによってはかけ直しもお断りしなければならないかもしれません。

イメージと違うと言われた

これはカウンセリングでイメージのすり合わせができていない時に起こります。
かかりが弱かったのか、逆に強すぎたのか、単純にシルエットや長さが違うのか。
かけ慣れているお客様なら仕上がりをイメージしやすいですが、かけ慣れていないお客様の場合はイメージを掴みにくい傾向にあります。
カウンセリングの時点で写真やイラストなどを用いてお互いのイメージを共有するようにしましょう。

◆対処法◆
単にカールがゆるいだけや強いだけなら上記の対象法で対応できます。
長さやシルエットが違う場合はアフターカットで可能な範囲は直しましょう。
しかし、その場合毛先を切ったり毛量を調整するためにカールがゆるくなるので、そのことを踏まえたお直しをしましょう。

ビビらせた

(出典: http://max-herai.com/wp-content/uploads/2015/10/PhotoGrid_1445672340235.jpg
いわゆるチリチリになった状態です。
既にダメージしている髪にかけると起きます。
これはアルカリ剤で過軟化したところに、コーミングやヘアアイロンで髪が収縮することで起こります。
また、単にダメージし過ぎでなりこともあります。
原因は、1剤の置きすぎとその後の熱やコーミング、ヘアアイロンで強く引っ張ることが原因です。

◆対処法◆
正直対象法は切ることが一番解決になります。
しかし、お客様によってはどうしても長さを変えたくない人もいると思います。
その場合は最終手段の“ビビリ直し”をおこないましょう。
高度な技術を要しますので、日頃からもしもの時に練習しておきましょう。
酸性のパーマ液で行うと比較的安全で、一時しのぎですがビビリが直ります。
もう一度言いますが、高度な技術を要しますのでいきなりお客様に試すのは止めましょう。

また、その場でできない場合は後日来ていただくことになると思いますが、自宅でヘアアイロンなどやコーミングなどで強く引っ張らないように必ずお願いしましょう。
ビビり直しの成功率を低くしてしまいます。

お客様の目に入ってしまった

1剤・2剤を塗布するときは必ずターバンなどをすると思いますが、ゆるいと隙間から漏れて目に入ってしまうことがあります。
ターバンの際はきつめにして、隙間が空いていないか確認しましょう。
そして、塗布の際は垂れていないか見ながら塗布し、片手にタオルを持ちながら塗布するとすぐに対応できます。

◆対処法◆
まずはすぐに目を洗っていただきましょう。
特に問題なければ良いのですが、お客様がなにか異常を訴えたり、過度に心配していたら病院に行きましょう。
その際は、一緒に付き添い不安を和らげるように努めましょう。

お客様の衣服を汚してしまった

なにかの拍子に薬剤が衣服につき汚してしまうことがあります。
特に1剤は衣服を変色させることがあるので注意しないといけません。
襟や袖を汚すことが多いので、パーマクロス・首掛けタオル・肩掛けタオル・ターバンなどは隙間ができていないかよく確認しましょう。

◆対処法◆
汚れていることに気づいたら放置せずにすぐにお核様に伝え謝罪しましょう。
単に拭くだけで落ちるものでもないですので、クリーニング費用や最悪は弁償もあり得ます。
一番良くないのは、お客様が自宅に帰ってから気づくことです。
失客や悪い噂が広がることがありますので、誠意をもって謝りましょう。

皮膚が赤くなった

ごくまれに薬剤が合わないことで頭皮が赤くなる方がいます。
カウンセリングの際に赤くなったことがあるかと、頭皮が敏感になっていないか確認しておきましょう。
今まで大丈夫でも突然赤くなったりしますので毎回確認しましょう。

◆対処法◆
すぐに病院に行き、皮膚科専門医に診てもらいましょう。
その際は、なるべく付き添い不安を和らげてあげましょう。

パーマトラブル事前対処法

さまざまなケースのトラブル対処法をご紹介してきました。
では、トラブルを未然に防ぐにはどうしたら良いのか?

カウンセリングをしっかりおこなう

基本中の基本ですが毎回カウンセリングの時間をしっかり取って次に挙げることを確認しておきましょう。

■髪質
■毛髪の施術履歴
■ホット系機器でスタイリングしていないか
■写真やイラストで仕上がりイメージを共有
■過去に薬剤で荒れたことがないか

また、施術を開始したら
■パーマクロス、ターバンなどがゆるくなっていないか
■首掛けタオルや肩掛けタオルがかかっているか
■心配であれば襟にラップを巻く

上記のようなことを常に確認する習慣をつければ、事前に防げることが多いです。

パーマ剤のスペックを事前に知っておく

パーマトラブルを減らす方法のもう一つは、パーマ剤のスペックを事前に知っておくことも大切です。

■還元剤濃度
■アルカリ度
■pH
■ウェーブ効率
■配合アルカリ剤
■配合酸化剤

最低でも上記6項目は確認しておきましょう。
事前に知っておくことで、Aのパーマ剤が合わなそうならBのパーマ剤にしようなど臨機応変に対応できますし、髪質によってパーマを断るという判断もつきます。
一昔前はメーカーも社外秘にしていましたが、今は問い合わせると教えてくれるメーカーも増えていますので、トラブルを減らすためにサロン内でスペックを共有しておきましょう。

常に緊張感を持って施術しましょう

(出典: http://img01.gahag.net/201604/26o/gahag-0080117350.jpg

気をつけているつもりでも少しの気の緩みでパーマトラブルが起きてしまいます。

最初に紹介したように裁判にまでなってしまうと、お客様との関係が崩れ、悪い噂も流れてしまいます。
また、裁判に時間を取られ肉体的にも精神的にも疲労が蓄積され仕事どころではなくなります。
自身の美容師人生にも影響が出ますので、必ず気をつけている”つもり”にならないように常に緊張感を持って施術にあたりましょう!