できることなら早めに終わらせたいと思うのが「就活」。
会社を調べて、履歴書を書いて、面接練習をしてなど面倒なことが多いです。
就活は一般企業に勤める予定の大学生だけではなく、美容学生にとっても今後の人生を左右する一大イベントです。
何から始めれば良いのか?
失敗しないためにはどうするのか?
就活をおこなう美容学生のために解説していきます。
美容学生の就活状況について
(出典:https://ssl.a-sm.jp/manual01.php)
買い手市場?売り手市場?
リーマンショック後は就職氷河期と言われ就職難な時代でしたが、2016年は売り手市場と言われ就職率が高かったそうです。
美容師はどうかというと、少子高齢化が進み人口減少しているのにも関わらず、美容室軒数は年々増加傾向にあります。
そのため、慢性的な人手不足が続いており美容業界も売り手市場になっています。
就活をおこなうには絶好のチャンスと言えます。
失敗は恐れない
最近では就活の時期にサロン側は求人情報を早く公開する傾向にあるため、内定を早めに取る学生も増えています。
早めに内定を勝ち取る人もいれば、就活が長期化する人も1割程いるそうです。
サロンに求める条件のハードルが高く希望のサロンがなかなか見つからない人、1度や2度の不合格で自信を無くし半分諦めている人など理由はさまざまです。
就活時のサロン応募軒数に関して、ある調査では8割近くが1〜3社応募しています。
1~3社で決まる人もいれば、挫折して諦めてしまう人もいるのでしょう。
しかし、一般企業に応募する大学生は就活時期には10社なんて当たり前に受けるので、3社程で落ち込んでいては、この先の厳しい美容の仕事なんて続くはずがありません。
失敗したら必ず次に生かすことで自分の希望するサロンからの内定が得られ、その経験は今後の美容人生においてプラスになるはずです。
サロン選びの基準傾向
(出典:http://www.salonopen.com/archives_product/construction_case_48)
サロンに求める条件のハードルが高い人がいると申しましたが、就活の際に美容学生はどういった基準でサロンを選んでいるのでしょう?
サロン選びは雰囲気重視
圧倒的に多いのがサロンの雰囲気だそうです。
これから長い時間をともにするので、アットホームで自分らしさをだせるサロンを望むのでしょう。
また、「尊敬できるオーナーや先輩がいる」など、これも長い時間をともにするためにも、人間関係を気にする傾向にあるようです。
こだわって当然のサロン選び
他にも「経営方針に共感できる」「早くスタイリストデビューできる」「繁盛サロン」「撮影など外部の活動がある」「保険など福利厚生」「給与」などかあります。
いずれにしても、一人前の美容師を目指し、長く働けるサロンを求めている前向きな姿勢を感じますので、こだわりを持って当然といえば当然のようにも感じます。
就活6ステップ
(出典: 写真素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)モデル 大川竜弥)
では、ここからは内定を頂くまでの就活6ステップを解説します。
どういった手順を踏めば良いのか。
これから就活が始まる人も、現在就活中の人も参考にしてください。
【ステップ1】サロン見学・実習
面接を受ける前にサロンの雰囲気を知れるのが「サロン見学」です。
本格的に美容師として働く前に美容師の仕事を体験できるのが「サロン実習」です。
どちらも美容師として仕事をスタートさせるために参考になることですので、チャンスがある場合は積極的にサロンに行ってみましょう!
【ステップ2】個人面談
担任の先生と今後の進路について話し合います。
先生はサロンの雰囲気や本人の意思、性格、資質など考慮して考えてくれます。
そのため、就活が始まる前に自分がこれからどういう風に美容師として頑張っていくのかなど、具体的な美容師像を考えておく必要があります。
就活は自分の人生のことですので、絶対に先生に任せきりにならないようにしましょう。
【ステップ3】サロン選定
求人公開をする時期がくるとサロンが募集要項を公開するので、良さそうなサロンを見つけサロン見学が可能であれば行きましょう。
募集要項には、「勤務地」「給与・諸手当」「休日数」「勤務時間」「福利厚生」「昇給・賞与数」「その他研修制度の有無」などが記載されています。
サロンによってかなり違いサロン独特の福利厚生や諸手当がありますので、細かいところまでしっかりと確認しておきましょう。
就活時は内定を取りたいと必死になり妥協で選ぶことがありますが、入社してから、「こんなんじゃなかった」とならないように気をつけたいものです。
【ステップ4】履歴書作成
最近の傾向としてパソコンで作成する人がいますが、やはり履歴書は手書きが一番好感を持たれます。
就活の時期は忙しくなかなか決まらないと何通も履歴書を書くことがありますが、やはり手書きの方が気持ちが伝わります。
汚い字でも良いので、丁寧に履歴書を完成させましょう。
また、誤字があった時に修正液で訂正や、空白が多い履歴書は印象が良くありませんので注意してください。
そして、経歴や志望動機、自己PR欄などにウソは書かないこと。
何人も就活生を見てきた面接官ならウソはすぐに見抜きます。
自己PRやなどなにを書いたらいいのかわからない人もいますが、自分なりの言葉でなにを頑張ってきたのか、御社ではなければならないという熱意を伝えればいいのです。
履歴書は応募するにあたり第一の顔となります。
担任の先生とも相談しながら慎重に作成しましょう。
【ステップ5】面接
先に履歴書を送り書類選考が通過するといよいよ面接となります。
面接は就活の際の正念場(しょうねんば)となります。
面接回数はサロンによって違っており、1次面接→2次面接→3次面接などのように何度も面接する場合があります。
また、質問内容も「志望動機」「自己PR」など事前に聞かれそうな内容はあらかじめ予測できますが、想像もしなかったことを聞かれる場合があります。
「自分を◯◯に例えるとなに?」
「◯年後の目標」
「今後の美容業界はどうなっていくと思いますか?」
この様な質問は臨機応変さも大切ですが、普段から考えるクセをつけておかなければうまく答えられません。
事前の練習も大切ですが、いろいろなものに触れてニュースや日常の会話から考えるクセをつけておきましょう。
また、質問にうまく答えることも大切ですが、表情や姿勢、身だしなみも面接官は見ています。
美容師の面接だかと言って適当なだらしない服装などではNGです。
「オシャレ=だらしない」ではなく「オシャレ=清潔感」ということを心掛けて面接に望みましょう。
【ステップ6】結果通知
以上のステップを踏むことでようやく内定を頂け、就活が終わります。
1回で受かったなら終了となりますが、もし落ちたのであれば最初から同じ手順を踏むことになります。
また、履歴書は返却してくれる場合とそうでない場合があります。
志望動機など受けるサロンによって違いますので、どちらにせよ使いまわしはできません。
一度で受かることはごくまれという考えを持ち、始めから何社も面接を受ける覚悟を持って就活に挑みましょう。
就活を失敗しないための5つのポイント
(出典:https://ririchiko.com/saitan/failure/)
内定までの就活6ステップを紹介してきました。
決して簡単にはいかないことをお分かり頂けたと思います。
では、ここからはその就活を成功に導く5つのポイントを紹介していきます。
サロン選びの基準となりますので参考にしてください。
①待遇だけでサロンを選ばない
募集要項を見ると「週休2日制」「社会保険完備」「高給与」「海外研修制度」など魅力的な待遇のサロンがあります。
確かに長く働くためには必要な項目ではありますが、待遇だけで選ぶのは少々危険です。
紙面上の待遇だけではわからないサロンの雰囲気というものがあり、それが自分と相性がいいのかはまた別の話です。
実際にサロン見学やお客として行ってみると「なにか違う」と違和感を抱くことがあります。
待遇はあくまで目安の一つとして考え、そればかりにとらわれないようにしましょう。
②ネームバリューでサロンを選ばない
原宿や青山にある有名サロンや、経営が比較的安定している大手チェーン店など名前の知れたサロンを選ぶのも良し悪しがあります。
確かに有名店で働くことで自身のモチベーションアップに、チェーン店で働くことで安定した経営で福利厚生もしっかりしているので安心して働けます。
しかし、必ずしも自分との相性が良い訳ではなく、入社してから「サロンの雰囲気と合わない」という違和感を抱くことがありますので、事前にサロン見学に行っておきましょう。
また、気になるサロンがあり事前に実習などに行っていれば雰囲気などもわかりますので冷静な判断で選べます。
③噂を信じちゃいけません
サロンを選ぶ際に、知り合いに聞いたり世間の噂、ネットの噂を選ぶ基準にしたりすることがありますが、それはあまり良くありません。
「信頼する先輩が良いって言っていたなら大丈夫だろう」とか逆に「厳しくて大変だ」などの様に表面的な噂だけを信じない方が良いです。
人から話を聞き参考にすることも大切ですが、それは他人の価値観であって自分の価値観とは違います。
意外と聞いていたよりも最悪な労働環境や、逆にすごく良い場合があるかもしれません。
自分に合うサロンは自分の価値観と照らし合わせて決め、サロン見学や実際にお客として行ってみて決めてください。
第一声の「いらっしゃいませ」の時の雰囲気で合わないと思ったら、それは正しい判断かもしれません。
④美容師としての細かい目標を立てておく
サロンに入社することが美容師の最終目標ではありませんし、スタイリストになることも最終目標ではありません。
更にその上の目標「マネージャーになり後輩の指導で会社に貢献する」「ヘアメイクの仕事をしながらサロンワークをする」「自分の店を持ちたくさんの人をきれいにする」「複数の店舗管理するやり手オーナーを目指す!」など高い目標は学生時代から持っておきましょう。
もしかすると途中で変わるかもしれませんが、目標があるだけでモチベーションアップに繋がり、ちょっとやそっとで辞めたいと思わなくなります。
さらに、目先の目標だけですと達成してしまったときに、無気力になりがちですので目標は高く設定しておきましょう。
⑤オーナーの考えを必ず聞く
実はこれが一番大切かもしれません。
オーナーの考えはサロンの雰囲気や経営にそのまま反映されます。
■お客様はどの年代をターゲットにしているか
■サロンが得意とする技術はなにか
■スタッフの成長をどう考え、どんな教育体制をしているのか
■給与体系や待遇
■どういう接客を目指しているか(かしこまった接客なのかアットホームなのかなど)
■今後の美容業界やオーナー自身の美容に対する考え
など、就活をしている学生にしてみれば聞きにくいこともあるかもしれませんが、とても大切な内容です。
全く一緒の考えというのはまずありえませんが、自分の理想とするサロンに遠ければ遠いほど入社してから後悔します。
オーナーの考えは今後の美容師人生を左右するので、内定を頂けても「これだけは譲れない!」ということが一緒でなければ、辞退した方が良いかもしれません。
就職先はヘアサロンだけではない
(出典:http://www.pipi-nail-odawara.com/)
就活のポイントをお伝えしてきました。
それでもなかなか内定がいただけず、就活が長期化し悩む人もいるかもしれません。
どうしても美容師になりたいという人は別ですが、就職先はヘアサロンだけではありません。
現在では美容関係の仕事はたくさんあります。
■まつ毛エクステサロン
■エステサロン
■ネイルサロン
■化粧品会社
■ウィッグ専門店
■結婚式場
■ヘアセット専門店
などなど数種類あります。
就活が思い通りにいかないと悩んでいる人は視点を変えてみると良いかもしれません。
就活は美容師になるための通過点
今回は美容師の就活のステップとポイントを解説してきました。
目標は高く持った方が良いと話しましたが、内定を最終目標にするのは絶対止めましょう。
就活はあくまで美容師になるための通過点にすぎません。
また、サロンで働き始めたからといってすぐに一人前の美容師になれるわけではありません。
美容師としての第一歩は就職先が決まり、サロンで働き始めてからです。
あなたはどんな美容師を目指していますか?
もう一度考えて就活に臨みましょう!