こんにちは!これまで雇われ美容師として活動してきた方がフリーランスになるとき、どのような手続きを行えばいいのでしょうか?今回はフリーランス美容師になるための準備について、解説していきます!
フリーランス美容師になるための手続きや準備
フリーランス美容師となればこれまで美容室に雇われていたころとは違い、個人事業主となるため、開業届などの手続きが必要になってきます。
一般的には下記の5つの手続きが必要となっております。
- 国民健康保険に加入
- 国民年金に加入
- 開業届の提出
- 確定申告
- 美容所登録
今回は以上の5つの手続きについて、必要性や手続きのときに準備するものについて細かく解説していきます。
1.フリーランスは国民健康保険に加入する必要がある
フリーランスになれば国民健康保険に加入しなければなりません。これまでは美容室で健康保険に加入していましたが、もう雇われではないので脱退して国民健康保険に加入する必要があります。
会社の健康保険をやめたときから14日以内に、自分が住んでいる市区町村の窓口に届出をしなければなりません。
届出のときに必要なものはマイナンバーや本人確認書類(免許証、パスポートなど)で、各自治体によって少し違っています。就職していた場合、前職の会社で加入していた社会保険の資格喪失証明書が必要になります。資格喪失証明書は退職証明書や離職票でも可能な場合があります。役所に行く前に、「国民健康保険+住んでいる市区町村名」で事前に調べておきましょう。
また、毎月の保険料は自治体によって変わってきますが、約15,000円前後が必要です。
2.厚生年金から国民年金へ切り替える手続きを!
フリーランス美容師になれば、厚生年金から国民年金に切り替える必要があります。国民年金を毎月支払わないと将来年金がもらえません。
国民年金は退職日の翌日から14日以内に届出をしなければなりません。年金手帳または基礎年金番号通知書を持って、自分が住んでいる市区町村の年金窓口に向かいましょう。
また最近では国民年金を払っていないと日本年金機構が民間に委託した業者から電話がかかってきて催促されます。日曜日も電話がかかってくる事もあります。フリーランスになってすぐで、収入が少なく、保険料を納めることが困難なときは年金窓口で相談しましょう。申請が通れば、保険料の納付が免除になる場合があります。
3.フリーランス美容師は開業届を出さなければならないのか?
開業届は税務署に対して「私はこれからこんな仕事をします」という報告の書類であり、フリーランス美容師も開業届を提出する必要があります。開業届が未提出でも罰則はないため、「出さなくてもいいや」となる人もいますが、開業届を出すことは法律で定められた義務です。
また、開業届を提出することで、節税や屋号の獲得などのメリットがあります。
開業届は自分が住んでいるところか事務所を置くところの税務署で提出します。郵送での手続きも可能です。
4.確定申告は白色申告と青色申告どちらが良いか?違いを比較!
個人事業主になったら所得税を自分で支払わなくてはなりません。確定申告とは、1/1から12/31までの1年間の収支を計算し、税務署に申告することです。その際は申告表を記入しなくてはなりません。
また申告書も白色申告と青色申告に分かれています。以下は白色申告と青色申告の違いの表になります。
出典:http://biz-owner.net/kakutei/hajimete
表にもあるように、青色申告するには、青色申告承認申請書を税務署に提出しなければなりません。開業届と一緒に税務署に提出しましょう。
5.フリーランス美容師は保健所に美容所登録の手続きは必要?
美容室は保健所の審査、許可を受けて営業しています。不特定多数の人が出入りする場所なので、衛生上キレイである必要があるからです。
自分の美容師を保つ場合、美容所登録は必要になってきます。
ただ、面貸し美容師になる場合やシェアサロンを利用する場合には保健所の登録をしている人はほとんどいないでしょう。面貸しを行う際に登録しているか聞かれますが登録していなくても問題はありません。
フリーランス美容師の開業届の出し方を徹底解説!
フリーランス美容師になると決めたら、開業届を税務署に提出しましょう!
「書類の手続きが面倒くさそう…」と思うかもしれませんが、シンプルな書類なので、心配することはありません!
開業届の提出は期限があります!
開業届は、事業を始めてから1ヶ月以内に提出しなければなりません。忘れることがないよう、開業したらすぐに提出しましょう。
開業届は自分が住んでいるところか事務所のあるところの税務署に提出します。郵送での手続きと、直接税務署で手続きする方法があります。
税務署は土日祝がお休みなので、直接手続きする場合は気をつけましょう。
また、手続きのときには身分証明にマイナンバーが分かる書類と本人確認書類が必要なので、忘れないようにしましょう。
開業届は国税庁のHPからダウンロードできる
開業届は税務署で直接もらうこともできますが、国税庁のHPからダウンロードすることができます。
時期によっては税務署が混雑する場合があるので、分かる部分だけでも事前に書いておくと、手続きがスムーズに進みます。
開業届は税務署に提出するものと、自分の控えの2枚書かなければなりません。控えの方は税務署にハンコを押してもらってから返却されるので、2枚とも不備がないように書きましょう。これは郵送の場合も同じです。2枚の開業届とマイナンバーが分かる書類のコピー、本人確認書類のコピー、返信用封筒を入れて郵送しましょう。
開業届のダウンロードはこちらから。
本人確認書類の添付台紙のダウンロードはこちらから。
フリーランス美容師が開業届を書くときのポイント9つを細かく解説!
具体的に開業届の内容について解説します。
出典:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/05.pdf
①納税地欄に注意!
確定申告は納税地のあるところの税務署で行うので、基本的には住民票がある住所地が納税地になります。事業所がある場合は事業所の住所を納税地に登録しても良いですが、フリーランス美容師は住民票のある住所地か居住地(自宅)を納税地に登録しましょう。
②上記以外の住所地・事業所等
住民票の住所地や居住地を納税地に登録した場合、ここには店舗の住所を記入します。店舗がない場合、記入しなくても大丈夫です。
③個人番号(マイナンバー)
開業届にはマイナンバーの記入が必要不可欠です。記入とともに、マイナンバーが分かる書類(通知カードなど)と本人確認書類(免許証やパスポートなど)を準備しましょう。
④職業は美容師
職業欄は美容師で大丈夫です。
⑤屋号欄は空欄でもOK
フリーランス・個人事業主の屋号は、いわゆる「ビジネスネーム」であり、作家がペンネームを名乗るのと同じです。屋号決めていれば、屋号付きの銀行口座が開設できるなどのメリットがあります。決まっていなければ空欄でも大丈夫。後日、税務署に連絡すれば屋号を決定することもできます。
⑥開業・廃業等日は自分で決められる!
開業日は自分で決めてOKです。今後「◯周年記念イベント・キャンペーン」などをするのであれば、覚えやすい日付にするのも良いですね。
⑦開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
青色申告承認申請書を一緒に提出しましょう。これは青色申告したい人には必要な書類です。ルールを守って会計処理をしたとしても、申請書を提出していなければ、白色申告になります。一度申請書を提出すれば、翌年からは申請をする必要はありません。
⑧事業の概要は具体的に!
どういう事業をやっていくのか、具体的な仕事を書きましょう。フリーランス美容師であれば、「ヘアセット業」「ヘアメイク業」「ヘアスタイリスト業」などでしょう。
⑨給与等の支払の状況は従業員を雇う場合のみ記入
従業員を雇う場合、その人数と給与の定め方(例:月給)を記入します。1人で働く場合は未記入で大丈夫です。
フリーランス美容師の確定申告はどっち?青色申告・白色申告
確定申告には青色申告と白色申告があります。どちらで提出したほうがお得なのでしょうか?以下で青色申告と白色申告のメリット・デメリットについて解説していきます。
青色申告のメリット・デメリット
青色申告のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 最大65万円の特別控除が受けられる(申告の方法により10万円・55万円・65万円のいずれかの控除額になる)
- 赤字を3年間繰り越すことができる
- 家族への給与を全額必要経費にできる
- 30万円未満は減価償却資産(自動車やパソコンなど)として経費にできる
- 自宅が事務所兼用であれば家賃や電気代なども経費になる
デメリット
- 申請書の提出が必要(青色申告承認申請書はこちら)
- 65万円の控除を受ける場合は複式簿記での帳簿になるため、帳簿が複雑
白色申告のメリット・デメリット
白色申告のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 事前の申請が不要
- 簡易帳簿でも良いので帳簿付けが比較的簡単
デメリット
- 特別控除がない
- 赤字を繰り越すことができない
フリーランス美容師が確定申告するなら青色申告がおすすめ!
白色申告と比べて、青色申告のほうがさまざまなものを経費として認められるので、支払う税金を少なくすることができます。
青色申告の最大の特徴とも言える65万円の特別控除は、複式簿記であることに加えて、e-TAXによる青色申告または電子帳簿保存法を行わなければなりません。
出典:https://www.e-tax.nta.go.jp/
複式簿記を手書きで行う場合、簿記の知識がないと難しいですが、現在はオンラインで利用できるクラウド型会計ソフトもあります。また、税理士に相談して対応してもらうことも可能です。最初の相談は無料でのってくれるところもたくさんあるので、探してみて下さい。
まとめ
ここまでフリーランス美容師の手続きや開業届、確定申告について紹介してきました。フリーランスになるには必要な手続きが多いですが、どれも必要なことですのでしっかりやっておきましょう。
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KAMIUではフリーランス美容師の相談も承っております。
実際に面貸しサロンを展開されている、「by Airsalon」さんに独占インタビューしておりますので、下記のインタビューを御覧ください。
『H+旗艦店を起点に、4年後の美容業界を変えたい』グリー、ミクシィを経て美容室開業の異色オーナー独占取材
全国展開でも動いているとのことなので相談くださいね。
今後このような企業は多くでてくると思いますので、フリーランスという働き方の垣根も下がるような気がしております。
KAMIU編集部は引き続きLINE@でも情報発信しております。よろしくお願いいたします。