「明日は待ちに待ったお休み」色々と計画を立てるとワクワクしますよね!
でも、「もう一日あったら旅行ができるのに」とか「趣味に使える時間が増えるのに」など思ったことありませんか?
そんな時は有給休暇を使うと良いのですが、使ったことありますか?
そもそも有給休暇というのをご存知ですか?
今回は美容室の有給休暇の実態に迫ります。
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労働者の権利「年次有給休暇」とは?
(出典:http://kosumosu-sweets.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01)
有給という言葉はよく使うと思いますが、正確に言うと年次有給休暇(ねんじゆうきゅうきゅうか)と言います。
労働者の休暇日の一つで、休暇を取っても給料が支払われる有給の休暇日のことです。
付与日数について
雇用主は雇い入れの日から6カ月継続勤務し、なおかつ全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、10日の有給休暇を付与しなければなりません(第39条第1項)。
その後1年間継続勤務し、8割以上出勤すると10日にプラスして1日、また1年間継続勤務するとさらに1日プラスされていきます。
2年6カ月目までは1日ずつ加算して付与されますが、3年6カ月目からは2日ずつ付与されます。
6年6カ月経過時には20日になり、それ以降は1年間の継続勤務ごとに20日を付与します。
継続勤務年数による付与日数
継続勤務年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
付与日数 | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
雇用開始日について
雇い入れの日は雇用開始日となり、試用期間があった場合は試用期間の開始日が雇用開始日になります。
勘違いしやすいのは試用期間がある場合で、試用期間後の本採用日が雇用開始日と勘違いしやすいですので注意してください。
雇用形態について
雇用形態については正社員だけが有給を付与されるわけではありません。
正社員だけではなく、契約社員・派遣社員・パート・アルバイトなどの場合も条件さえ満たせば有給の権利があります。
そして、パートから正社員になった場合でも労働が継続されていれば、継続勤務と通算されますので、雇用形態に関係なく有給は労働者の権利となります。
日本の有給休暇取得率について
労働者の当然の権利として存在する有給休暇。
ここまでの話を聞くと取得率も当然100%なのではと思うかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか?
下記をご覧ください。
(出典:厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/14/gaiyou01.html))
職種によってばらつきはありますが、平均すると50%にも満たないくらいです。
例えば単純に考えると、有給休暇が年間10日ある人は5日、20日ある人は10日も取得していないということになります。
世界から見た日本の有給取得率は?
世界から見た日本の有給取得率はというと、なんと調査国28カ国中最下位という調査があります。
ブラジル・スペイン・フランス・オーストリア・香港などは100%取得しているようで、日本はこれらの国の半分の取得率ということになります。
ちなみに日本はワースト1位と2位を争っている状態で、有給取得に罪悪感を抱く人の割合も59%と上位に食い込んでいます。
やはり、世界から見ても日本の有給取得率は低く、日本人は働き者と言えばよく聞こえますが、まじめすぎるとも言えます。
(出典:エクスペディアより(https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2016/))
美容室と有給休暇の実態
では、美容室で働く美容師の有給の取得率はどうかというと、先程の取得状況の表でいうと美容業は「生活関連サービス業、娯楽業」となります。
その取得率をみると37.1%とかなり低い数値で、労働者一人平均取得日数は6.3日となっていますので、2カ月に1日のペースで取得しているようです。
結婚式や病気の時などにしか使えていないと予測でき、旅行や趣味に使えているようには思えません。
ただでさえ日本は世界から見ても取得率は低いのに、美容業はさらに低い状態だなんて正直絶望的です。
なぜ、美容師は有給が使えないのでしょうか?
美容師が有給を使えない理由
有給が使えない理由はさまざまですが、美容師独特の理由があります。
スタッフが足りてないため使えない
美容業界は慢性的な人手不足となっています。
美容師数は年々増加し、それに伴い美容室数も年々増えているため、どこの美容室も人材が常に必要となっています。
そんな中で休むとなると営業ができない状態になることもあります。
また、営業できたとしてもお断りするお客様も増え、美容室の売り上げがダウンするのでオーナーや店長も良い顔をしません。
常時スタッフ数が少ない小規模サロンであれば、なおさら使えないということが発生するでしょう。
指名客の予約が入るため使えない
スタイリストになるとほとんどの場合、給与体系は歩合制です。
やったらやった分だけ給与に反映するので、入客をしなければ稼げません。
そんな中、有給を使いたいと思っている日に指名客が入ると、出勤するスタイリストがいます。
指名客の場合は歩合率が高くなることが多いですし、その日違うスタイリストが入客すると次回からはそのスタイリストに大切なお客様を取られるといった心配もあります。
休みたくても給与や今後の指名数を考えるとなかなか有給を使えないということがあるようです。
他のスタッフが使っていないので罪悪感がある
これはどんな業界でも言えることで、休むことに罪悪感を抱くという人が多いのです。
有給を使うことに罪悪感を抱く人の割合をみても日本人は上位に食い込んでいます。
(出典:エクスペディアより(https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2016/))
「こんなに忙しいときになんで休みを取るの?」なんて思われるのではないかと、他人の目を気にしすぎるためだと思われます。
正直、休みはお互い様ですので気にしすぎないということと、誰かが有給を使う場合は気持ちよく休んでもらえるように暖かい言葉をかけましょう。
有給を取っても予定がないし、お金もない
「貧乏暇なし」とは良く言いますが、せっかく有給を取ったとしても出かけるためのお金がないということがあります。
また、そもそも予定がないので休むよりは働いていた方が良いと考える人もいます。
しかし、予定もお金もなくても有給は使うべきです。
例え予定とお金がなく家でぼーっと過ごしたとしても、体が休まることで仕事のパフォーマンスが上がるかもしれません。
プライベートで友人の誘いが突然入るかもしれません。
休みというのは予定を入れなければならないものではなく、日々の生活をより良くするための休息日です。
日々の生活というのは“プライベート”と“仕事”どちらも指します。
休むよりは働いていた方が良いと考える人は、有給を取得することでさらに仕事のパフォーマンスが上がるかもしれません。
また、交友関係が広がることで、仕事に良い影響が出て指名数が増えるかもしれませんよ。
有給を使ってより良い仕事を!
(出典:http://news.ameba.jp/20150628-253/)
今回は美容室の有給の実態についてお送りしてきましたが、いかがでしたか?
日本の有給取得率自体が低い状態で、さらに美容業界の取得率は低い状態にあります。
国では有給休暇取得率改善のため、労働基準法改正し義務化を進めているようですが、まだ先になることが予想されます。
義務化は今のところ5日と少ないようにも感じますが、有給を取得するのが当たり前の社会となれば、取得するのに罪悪感も感じにくくなるでしょう。
景気が悪いと言われている美容業界ですので、さらなる待遇の改善が進められ人材が増えることで、今後業界活性化の一つになればと期待します。