美容室の内装というとデザインばかり考えがちですが、実はデザインよりもレイアウトのほうが重要です。
なぜなら希望のデザインを実現できるかどうかはレイアウト次第だから。
今回は美容室のおすすめレイアウトを実例を含めて紹介します。
はじめに:美容室のレイアウトの重要性
美容室のレイアウトは働く美容師とお客様の両方にとって重要です。
美容師にとってのレイアウト
長時間過ごす職場になるため、働く環境を整えることは必須です。
美容師が気持ちよく働けることで、お客様へのサービスも向上できます。
お客様にとってのレイアウト
美容室は単に髪を切るだけでなく、気分転換など気持ちの充実を求めているお客様も多くいます。
レイアウト次第では「落ち着かない店」だと思われてリピートにつながらない可能性もあるため、集客の面でもレイアウトは重要になります。
美容室のレイアウトを決める際に気をつけるべき3つのポイント
美容室のレイアウトを決める際に、特に気をつけるべきポイントは3つあります。
ポイント1. スタッフ同士の作業動線が確保できているか
レイアウトによってはスタッフが動きづらい配置になってしまいます。
パーマやカラーリングのときはアシスタントと施術することもあるため、距離が近いと作業しづらくなるでしょう。
そもそも美容所を開設する際には必要最低限の広さが決まっています。
東京都の場合は以下のように「床面積」と「いすの台数」が定められているため、レイアウトを考える際は注意しましょう。
床面積
・美容の業務を行う1作業室の床面積は、13平方メートル以上であること。
〔面積は内法(うちのり)により算定する。〕いすの台数
・1作業室に置くことができる美容いすの数は、1作業室の床面積が13平方メートルの場合は6台までとし、6台を超えて置く場合の床面積は、13平方メートルに美容いす1台を増すごとに3平方メートルを加えた面積以上とすること。
引用元:東京都福祉保健局
ポイント2. お客様がリラックスできるか
美容室ではリラックスしてゆっくり過ごしたいというお客様も多いため、窮屈だと感じたり他のお客様の視線が気になったりすると、落ち着いて施術が受けられません。
バックヤードの配置によってはスタッフ同士の会話がお客様に聞こえてしまう可能性もあります。
セット面やシャンプー台だけでなく、バックヤードの位置や客待ちスペース、手洗いの配置も考慮する必要があります。
ポイント3. 電気・水道・空調設備に不備がないか
美容室では電気や水道、空調設備が必須になりますが、部屋の中で工事可能な場所は限られています。
建物の構造的に水道の位置が決められていれば、おのずとシャンプー台をどこに設置するか決まってくるでしょう。
また、コンセントの位置によってはドライヤーのコードが椅子に掛かってしまうこともあるため、配線やコンセントの位置も大切です。
美容室のおすすめレイアウト5選!
美容室の広さごとにおすすめレイアウトを紹介します。
東京都品川区の6坪の美容室のレイアウト
引用:EMO
セット2面、シャンプー1台の小さなサロンです。
一人美容室として丁度いいサイズで、効率良く動けるように配置されています。
この事例ではシャンプー台の排水設備を工夫したことで、床上げを最小限にして足元のスペースも確保されています。
(参考:美容室開業.com)
千葉県松戸市の10坪の美容室のレイアウト
引用:TRYGEN
セット3面、シャンプー2台のサロンです。
限られたスペースを有効に活用し、動線や作業寸法を入念に確認して、狭さを感じない空間に設計されています。
路面店であることからガラス部分の高さを調節することで、プライバシーにも配慮したレイアウトになっています。
(参考:美容室開業.com)
東京都練馬区の13坪の美容室のレイアウト
店舗面積は約42平方メートル、セット4面シャンプー2台のゆとりあるサロンです。
置型のドレッサーセット面を採用し、模様替えや配置換えが可能な自由度の高いレイアウトとなっています。
シャンプー台には木柱を使用したパーティションを置くことで、フロアからの視線も遮られています。
(参考:美容室開業.com)
千葉県我孫子市の16坪の美容室のレイアウト
約55平方メートルのスペースに対して、セット2面シャンプー1台という広々設計になっています。
さらに既存の天井からスケルトン天井に変更したことで、頭上の空間も広く開放的にデザインされています。
(参考:美容室開業.com)
東京都豊島区の28坪の美容室のレイアウト
引用:LUSSO canaan
セット7面、シャンプー3台のサロンです。
シャンプー台は個室ブースに設置されていて、全体的に広々としたレイアウトを採用しています。
地下店舗であるため入り口もガラス張りにして外光が入るように設計されています。
(参考:美容室開業.com)
まとめ:美容室はレイアウトがすべて。働きやすいレイアウトに。
美容室はレイアウト次第で働きやすさや集客率が変わってしまいます。
快適な空間にできるよう、レイアウト設計は慎重に行いましょう。