あなたはどのようなシャンプーを使っていますか?美容師としてすでに活躍されている、あるいは美容師を目指しているような方ならグレードの高いものをすでに使われていると思います。
ドラッグストアで売られているようなシャンプーの魅力は、価格が安くて大容量なものが多く、反対に美容室で売られているようなシャンプーは、価格が高いけれども髪にとってとてもいい成分が入っているものがたくさんあります。
しかし、一概にどのシャンプーがいいとは人それぞれ価値観が違いますし、その人の頭皮や髪質によっても違ってきます。
ここでは美容師がシャンプーを選ぶ時に注意することをはじめ、今話題のアミノ酸系やボタニカルシャンプーのメリットやデメリット、さらにおすすめのシャンプーをご紹介致します。
美容師がシャンプーを選ぶ場合に注意すべきこと
ひとつの美容室で使われているシャンプーはそうそう種類があるわけではありません。すべて髪のエキスパートである美容師によって吟味され、決定されています。お客様の頭皮や髪にはいろいろなタイプがあるのに、すべてのお客様に合うシャンプーを選ぶのは至難の業です。
シャンプーには合う合わないがある
頭皮や髪のタイプが違う、すべてのお客様に合うシャンプーというのは、残念ながらほぼありません。しかし、成分がマイルドで、肌や髪のトラブルが起きにくいものなら、選択することができます。
例えば、頭皮の乾燥しやすい人がドラッグストアで売られているような洗浄力が高すぎるシャンプーを使うと、余計に頭皮が乾燥してしまいます。逆に頭皮がべたつきがちの人がアミノ酸系などの優しい成分のものを使うと、頭皮の皮脂が落ちきらず、シャンプー後でも頭皮がべたつくなどの症状が起きます。
サロンで使うシャンプーはすべてのお客様に合うものを選ぶのが難しいですが、それらの症状を目立たせない中立な立場のものを選ぶのも重要なことです。
ボタニカルシャンプーのメリット・デメリット
近年では、まるで雨後のタケノコのように次々と発売されているボタニカルシャンプー。いったい植物成分が入っているメリット、そしてデメリットって何なのでしょうか?
メリットとしては、洗浄成分に植物由来のアミノ酸系のものを数種類使い、石鹸系のものも配合されています。その為、頭皮や髪に優しいのに加えて、石けん系成分も使っている場合は泡立ちも非常にいいのです。
しかし、ボタニカル系のシャンプーは、お肌に優しいのですが、洗浄成分がそれほど強力ではありません。洗浄成分が強力ではないということは、デメリットとして髪や地肌を洗う力に若干欠けているということも考えれられます。
また、そうなると地肌が洗えていないので、毛穴が詰まってしまい、細い髪が生えてきてしまうなどのトラブルが起きることも考えておかなくてはなりません。
アミノ酸系のシャンプーのメリット・デメリット
こちらも近頃多く発売されている「アミノ酸系シャンプー」いったいそのメリットやデメリットはどんなところなのでしょうか?
まず、メリットはアミノ酸は髪や頭皮を含む人体を構成する成分なので、その成分に近いものを使っているということは、石鹸系や高級アルコール系のシャンプーに比べて、頭皮や髪への刺激が少ないということが挙げられます。
また、美容室ではヘアカラーやパーマなどを施術しますが、その場合は必ず髪にダメージを与えます。損傷した髪はすぐにアミノ酸を与えてあげるとキューティクルが閉じ、一旦ダメージが修復し、ブローしてもパサツキが抑えられます。そのため、美容室でもアミノ酸系シャンプーに切り替えているところが多いのです。
アミノ酸系シャンプーのデメリットとしては、保湿力があるために頭皮にはいいのですが、髪がべっとりと重くなる、また洗浄力が若干弱いので、お肌には優しいですが、頭皮や髪の汚れを落としきれない場合があるということが挙げられます。
美容室・美容師からの人気のシャンプー13選
それでは、美容室や美容師から人気が高いいろいろなメーカーのシャンプーをいくつかご紹介致します。
美容室の人気①ミルボンオージュア(Aujua)シャンプー
「美容室専用」シャンプーの業界では有名なミルボンが発売する、オージェアシャンプー。なだらかな流線型をした美しいパッケージのコンセプトはなんと菱川師宣の「見返り美人」。日本人女性の持つ「美の誇り」がテーマになっているそうです。
エイジング、ダメージ補修、柔軟性を与える、保湿効果、毛髪保護など目的別に分かれており、それぞれ色の違うパッケージに入っており、とてもカラフルで美しいです。
このオージュアを使った「パーソナルヘアケアプログラム」もあり、サロンでのケアに加えてホームケアの方法も提案してくれます。このコースでは、カウンセリングとサロンケアがセットになっており、髪の状態にあわせてさらにミルボンのトリートメントやヘアパックを提案してくれます。
美容室の人気②チャップアップシャンプー
美容師と毛髪診断士が共同開発したチャップアップシャンプーは、スタイリストが「頭髪環境を絶賛!」するほど、いまいちばん美容のプロであるスタイリストが注目している男女兼用スカルプシャンプーです。
雑誌のスカルプシャンプー部門でもダントツの1位を獲得した実績もあり、特に男性には養毛剤との併用で薄毛を卒業できると評判なのです。
女性にはシャンプーとトリートメントの併用がおすすめ。両方で1~2ヶ月分6,000円弱なのですから、コスパの良さも人気の秘密なのでしょうね。
そんなチャップアップシャンプーの成分は、セージ、ローズマリー、きゅうり果実、カミツレ、ゴボウ根、トウキンセンカエキスなどの植物成分をはじめ、ノンシリコン、アミノ酸、弱酸性、オーガニックという、まさにシャンプーとして理想的な成分が含まれています。
どのくらい効果があるかは、もちろん人によって違いはあると思いますが、まずあなたの髪で試してみてはいかがでしょうか?
美容室の人気③アジュバンコスメジャパンリ:シリーズ
神戸にある「アジュバン」というコスメ会社が発売する、ヘアケアラインの「リ(Re:)シリーズ」。
Re:とは、メールでもおなじみ「返信」という意味を持ちますが、「本来の髪の健やかさを取り戻す」ことをコンセプトとした、ヘアケアシャンプーで、髪や頭皮の状態に合わせ、5つの種類があります。
ダメージを補修してサラサラにする、スッキリ頭皮で髪にハリ・コシを与える、ダメージケアでまとまる髪に、敏感肌対応、スッキリ爽快ドライヘアの5種類があり、それぞれベルガモットやハイビスカス、無香料、オレンジなどの香りです。
半透明の円筒形に葉っぱの模様のパッケージが印象的。バスルームにおいておいてもインテリアになりそうなシャンプーです。300mlで2,300円程度とお値段も比較的リーズナブルなのも魅力!
美容室の人気④コタ アイケア シャンプー
「Timeless Quality 色あせない美しさ、時間を超える上質」をコンセプトに誕生したコタアイケア(i care)シリーズのなかのヘアケアライン。環境、年齢、ストレスに負けない美しさを実現するため、比較的近年に設立されたブランドです。
特にヘアケアラインは「樹木医が木を見つめるように髪の未来まで守る」というコンセプト通り、より人と自然に優しい素材、髪の補修力もあり、頭皮ケアも強化した製品となるとさぞかしお値段も高いのでは?と心配になりますが、300ml2,500円程度とお値段もそれほど高くないのが魅力。
絡まりやすい、乾燥しがち、パサつきやすい、硬い、広がりやすいなどの髪のお悩み別に5つのタイプがあり、白のシンプルで魅力的なパッケージに入っています。香りもラベンダー、ネロリ、ジャスミン、ローズ、ダマスクローズとボタニカルな香りです。
美容室の人気⑤美髪ベースメイクシャンプー守り髪
なんとリピート率81%を誇るまさに髪の「守り髪」のようなシャンプーがティエラ・コスメティックスから誕生。
特に年齢を重ねた方の髪のハリやコシをアップさせてくれると美容室でも評判です。
ずばり、この「守り髪」のウリは髪の集中補修と髪の元気をキープすること。
成分にアルガンオイルやヒアルロン酸成分、アミノ酸系保湿成分、シアバターや加水分解シルクなどを使用し、髪の健康を守ります。価格は400mlで5,600円と比較的高額ですが、初回半額キャンペーンやまとめ買い割引があるので、それほど高額にも感じないのが魅力です。
美容室の人気⑥ZACCパールリッチシャンプー
表参道の人気美容室ZACCが25年のシャンプー開発実績とサロンワークでの経験を元に作り上げた究極のシャンプー。いま、女性誌でも話題になっているシャンプーです。そのコンセプトは「美容成分で髪や頭皮を洗う」という通り、石油系洗浄成分やシリコンはもちろんゼロ、植物由来の洗浄成分100%、そして美容液のような天然由来の成分が21種類も含まれているのです。
日本人の7割がダメージヘア、隠れダメージヘアだという事実に基づき、シャンプー開発を突き詰めていった結果、髪を作る成分であるアミノ酸や水分や油分の補給ができる「ボタニカル成分」100%のシャンプー作りに落ち着いたというわけです。
400mlで3,000円とコストパーフォーマンスはまずまず。シャンプーとコンディション本セットでの販売で6,000円ですが送料は無料!
女優やモデルも絶賛するZACCのシャンプーです。
美容室の人気⑦haru 黒髪 スカルププロ
「100%天然由来のノンシリコンシャンプー・ココロハレル ハリが生まれる」がキャッチフレーズのシャンプーで、シリコンや合成ポリマーなどの化学物質は配合していないのに、天然シャンプーにありがちな、きしみや泡立ちの悪さ、指通りの悪さなどを排除したシャンプー。
とろとろの美容液のような手触りで、レモングラスやオレンジなど、天然の精油の香りも癒されると評判です。天然成分を使ったシャンプーを探し歩いてきたけれど、本当に天然で使い心地のいいものはこの1本にたどり着いた!という口コミも多く、リンスやコンディショナーも不要なのが魅力。
四角い琥珀色のシンプルなボトルはスタイリッシュで、バスルームに置いても違和感ありません!
美容室の人気⑧ハーブガーデン
現在、SNSやブログなどでも話題になっている「ハーブガーデン」。300mlで4000円強と、かなり高額なお値段です。各美容サイトや雑誌の特集などのオーガニックコスメ部門で1位を総なめにするほどの実力です。
「ハーブガーデン」の成分は、アミノ酸、ノンシリコンに加えて38種類の天然由来成分配合、エコサート認定オーガニック成分配合、南阿蘇産ハーブウォーター使用、加えて石油系界面活性剤、合成香料や着色料などもすべて不使用とエコ大好き女子なら飛びついてしまいそう。
お値段は高いですが、これ1本で2ヶ月使えるので、コスパはまあまあ。なによりも体を構成しているのと同じアミノ酸成分で洗うことで、洗浄力も強すぎず、環境にも優しく、適度な保湿能力も持ち合わせていて、まさに理想のシャンプー&リンスと言えそうです。
美容室の人気⑨アスタリフトスカルプフォーカスシャンプー
エイジング美容でおなじみの富士フィルムの「アスタリフト」からシャンプーが発売されています。
おなじみのアスタリフトカラーの赤いボトルに入り、40ml1,200円という高級品!
しかしその成分の中には、エイジングケアのアスタリフトで培われたナノアスタキサンチン、ヒト型ナノヘアセラミドという技術がふんだんに盛り込まれており、1本1本の髪にハリとコシを与えて、ボリュームのある美髪を育みます。
アミノ酸系、ノンシリコン、そしてなにかと問題になっているラウリル硫酸も配合されていません。
また、シリコンが入っていない代わりに、ヒアルロン酸、水溶性コラーゲンなど4種類のうるおい成分も入っているので、指通りも最高。
大量に必要な場合は、かなりお値段が張ってしまいますが、これだけの技術を詰め込んだシャンプーは他にそうそうないので、一度試してみる価値はあるのではないでしょうか?
美容室の人気⑩クイーンズバスルーム
「クイーンズバスルーム」という魅力的なネーミングのヘアトリートメントは「人生の質を上げる」という、引き込まれそうになるようなキャッチコピーで有名な高品質コスメブランド。
ヘアケアに加えてスキンケアラインもありますが、とくにトリートメントの優秀さには定評があるようです。
白地にロゴだけというシンプルなパッケージのトリートメントは、なんと2剤使いシステムになっており、ヘアサロンの施術を自宅に居ながらにして簡単にできるのがポイントです。特徴としては髪のダメージ補修力が高く、普通の自宅ならない遠赤外線やスチーマーなどの機材ナシでもできるものを実現するには、「2剤使い」という結果に落ち着いたようです。
1剤に配合された「加水分解ケラチン」が髪の補修を、そして2剤に配合された毛髪保護成分「メドウフォーム-δ-ラクトン」がまとまりのある髪に導きます。
美容室の人気⑪アスロング
「明日ロング」という言葉をもじったユニークなネーミングのアスロングシャンプー。髪にダメージを与えないで、早くロングにしたいという願望がある女性のためのシャンプーです。髪に栄養を与えてくれるオーガニックシャンプーだとして、若い女性を中心に評判で、ノンシリコン部門の人気NO.1に輝いたこともあるのです。
アスロングにはカナダの「ルーカスマイヤーズ コスメティックス」という会社が開発した、「キャピシル」という成分が配合されていますが、この成分が配合されているのです。
この成分はアカツメクサ花エキスとアセチルテラトラペプチド-3で構成されている、プレミックス成分で、AGAに利用されているミノキシジル成分に比べてなんと3倍もの発毛効果を持っていると言われています。
そんなに強力な成分が入っていて、髪や頭皮は大丈夫なのか?と心配になりますが、天然成分のため、そういったトラブルは報告されていないのも特徴です。
また、このアスロングは、ただ髪を伸ばすのが早いのではなく、「美しい髪を」早く伸ばしてくれるのです。それには「4か月腐らない奇跡のリンゴ」から抽出された「リンゴ果実培養細胞エキス」が配合されており、肌の幹細胞へダイレクトに働きかけ、髪のターンオーバーのサイクルをサポートしてくれます。これによってきれいな髪が早く生えてくるんですね。また、その生えてきた髪を紫外線から守ってくれる働きもあるのです。
美容室の人気⑫オッジィオット oggi otto
クラシカルな薬品を思わせる茶色いボトルが印象的なオッジィオットは、「毛髪を科学し、化学で補修、ハーブで癒やす」というキャッチフレーズ通り、いままでの常識をも覆すような天然成分がたくさん含まれています。
シャンプーはすべて「セラム」と表現され、美容液レベルの液体なので、まるで美容液で髪を洗っているかのような感覚です。また種類もスムース(指通り)、モイスチャー(保湿)、ボリューム(髪のボリューム感)と3つのお悩み別に分かれています。
成分には、加水分解大豆タンパク、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルクなどが配合され、いかにも髪によさそうなものばかり。
お値段は250mlで3,500円と若干高めですが、700mlのレフィルならば7,800円と若干割安感があります。
合わせてマスク(コンディショナー)や、アウトバスラインもあるので、併用して使ってみてはいかがでしょうか?
美容室の人気⑬イーラルピュアシャンプー
東京・南青山に本社があるイーラルという会社が開発したシャンプーで、サロン専売品です。
シャンプーは「頭皮の皮脂の多さ」を目安に4タイプに分かれており、250ml 2,800円とまずまず良心的。
特にボタニカル、ノンシリコンなどとは謳っていないのですが、ラウリル硫酸などの成分は入っておらず、皮脂とのなじみがいいホホバ由来やリンゴ果汁に含まれるアミノ酸由来の洗浄成分を使っているのが特徴。
潤滑性が高いので、髪や頭皮に負担がかからず、かつ角質層のバリア機能もキープしてくれる優秀な成分を配合しています。
「ノンシリコン」「ボタニカル」と声高に謳う製品が多い中、ほんとうに実力があるのは、このような控えめ広告の製品なのかな?という考えが頭をよぎりますが、効果のほどは個人によって違うし、その人に合う、合わないもあるので、使ってみなければわからない部分もありますね。気になった方は是非一度、使ってみて下さい。
まとめ
いかがだったでしょうか?美に対する確かな審美眼をもち、常日頃、美容室で経験を積む美容師がシャンプーを選ぶ際に注意していること、話題のアミノ酸系やボタニカル系シャンプーのデメリット、そして美容師がおすすめするシャンプーをいくつかご紹介致しました。
エコサートなど、オーガニックのの基準が確立している欧米に比べ、まだまだ日本はオーガニックや天然成分配合の割合が曖昧な場合が多いです。
そこをかいくぐり、あまり天然成分が配合されていないのに、さも配合されているような表現で売られているシャンプーが多いのも現実です。
髪のためを思ったら、謳い文句に惑わされず、本当に髪や頭皮にいい成分は何かを考えてシャンプーを選ぶのが賢いのではないでしょうか?
上記の「美容院・美容師のおすすめシャンプー」も参考にしていただければ幸いです。