美容師は独立志向の高い職業です。それも職人という意識が強いからこそですが、しかし近年廃業率の高さから独立はしたいけど、躊躇してしまう方も増えています。
美容室の独立を果たし経営を軌道に乗せる約束があれば、融資を受け借り入れ返済へも不安の気持ちを軽減させることはできますが、約束できる保証がないだけでなく現実問題の廃業率から借金を背負う結果になるのではという避けたい状況へのリスクの方が高まります。
それでも独立を果たしたい方が考えるのがリスクを軽減しながら経営していく「共同経営」です。これもまたデメリットがあることは分かりますが、メリットもあるからこそ独立を進める上では考える方が増えます。
今回共同経営のメリット、そしてデメリットをまとめます。それでも成功している方たちがいるわけですから、そこから成功へのヒントを導き出しましょう。
美容室の独立「共同経営」が増えるわけ
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— フィリピン掲示板 (@ph_bbs) April 5, 2017
美容師の独立話はいつの時代も耳にする話です。経営に対しての不安はあるものの、それでも独立を考える方はまだまだ増えます。方や、独立は果たしたものの経営難に陥り、数年で廃業している美容室も後を耐えません。
そこでリスクを軽減させながら独立を考える中で共同経営という形で夢を実現していく方も増えます。
明らかに分かるリスクの違い
共同経営が増える背景は分かりやすく、リスクを軽減させられるというところにあります。同じ規模の美容室を開業するとしても、借り入れ返済の負担を分担することができます。
独立を果たすことで1人経営では限界があり、従業員を確保しますが共同経営の場合すでに共に働く同僚がいるわけですから、求人広告を出す手間も費用も抑えられます。
美容室の独立を考える中で多くの方はこうしたメリットを考え、一歩踏み出す勇気を持ちます。人は使命感を抱くことでやりがいを感じますが、独立を果たしてすぐの使命感となると、とにかく早めの完済ということに囚われてしまいます。
いつしか使命感なのか義務感の中で働くのか自身に問うことになりますが、義務感という気持ちが強くなることで働くことが憂鬱になる方もいます。やれば出来ることでも気持ちが付いてこないことで、経営難に陥るのもまた廃業率が高まる原因でもあります。
1人で背負う使命とは違い、同じ気持ちを抱く誰かがいることで気持ちを持ち直すことができることからも、経営難から抜け出すためにガムシャラに突っ走ることもできますからね。
共同経営が増えるのは、気持ちにも余裕が生まれることが何よりの理由です。
美容室独立を共同経営で行う際のメリット
これは新しいサロン経営の形? 自転車屋さんと共同経営を実現したTAS BEAUTYに迫るhttps://t.co/Fsn1a7NCpp
地域と一体になって運営している美容室TAS BEAUTYの代表・廣山晃さんに聞きました! pic.twitter.com/6SrM7oOrec— リクエストQJナビ (@requestQJnavi) June 3, 2016
先述しているメリット以外にも、共同経営にはたくさんのメリットがあります。共同経営を考える中でメリット、そしてデメリットを考え少しまだ不安だという方は、メリットについてもう一度どのようなものがあるのか考えてみましょう。
悪い事態を考え始めることは、実際その状況へ対しての秘策を考え始めることができるので考え方としてはいいことですが、悪い面ばかりを考えると事を先に進めることができなくなる原因にもなります。
共同経営のメリット①全てが2倍
何よりのメリットは全ての作業が倍速で行えることです。当たり前のことですが経営していく中でこのメリットは外せません。また美容室独立の失敗例として経営の知識がないという点も2人の考えがあれば乗り越えられ可能性は高まります。
独立後すぐ集客問題が持ち上がることで、集客対策を行わないといけなくなるのはよくあります。集客対策も容易に効果を出すことは難しい問題なので、それなりに時間も費やします。
そこで本業が疎かになります。というよりも本業を一旦止めてまずは集客しないといけない状況になりやすいのです。皆さんももうすでにお分かりでしょうが、日本はコンビニの店舗数を上回る数の美容室が存在します。
特別な理由がない限りはどこの美容室でも選び放題なのです。集客対策は困難ですが、2人いれば片方が接客を行いながらもう1人は集客対策に集中できます。
カットやブロウ、シャンプーも分担することで作業時間カットできるのも共同経営ならではのメリットです。共同経営ということは経営に関してはまだまだ未熟の2人でも美容師としてプロなので、作業の効率を上げることは容易いでしょう。
そして開業に必要な資金集めももちろん2倍の速度で行えます。独立するにあたり効率さを求めるなら、共同経営のこうしたメリットは魅力です。
共同経営のメリット②人間関係を築ける
美容室独立にあたり不要なことと考える方もいるかもしれませんが、実際に共同経営を行う方たちが財産とも考えるのが大事にしたい存在ができたという点です。
違った思考の2人が一緒に経営を行うことは、衝突は避けられません。それは経営をするしないに関わらないことです。誰かと長い時間過ごすことで意見の相違などから衝突することはあります。
しかし共に立ち上げる、立ち上げた美容室を守るという気持ちはどちらにもあるもので、簡単に関係をなくすという考えはそうそう芽生えません。極端な話夫婦のようなものでしょう。
結婚後に離婚は簡単に考えません。おつきあいの関係なら別れを選ぶことにそこまで躊躇しませんが、結婚となると違いますよね。
共同経営をすると決めた方たちも同じです。来店してくれるお客さんのためにも、一緒に背負った責任を果たすために諦めるという決断ではなく、衝突しながらも前に進むことを決めています。
こうした関係の中で人間関係を築くことができるようになり、いつしか財産になっているのです。人は心に財産として言えるものがあると気持ちが豊かになります。これは経営者としては大事な気持ちです。
こうした気持ちを持つもの同士が経営する美容室は雰囲気が違います。お客さんが来店したくなる雰囲気を経営者同士の関係性から自然と作り上げることができるのです。
共同経営のメリットは経営には必要なこと
2つのメリットをあげましたが、簡単にまとめているようでこのメリットは経営を軌道に乗せるためには大事なことなんです。
美容室独立後に廃業の道を辿る美容室に考えられる原因はさまざまですが、経営の知識のなさも1人の頭で立て直しを考える必要はなくなります。そして集客対策も数で補うことができます。
また少し考えて欲しいのですが、お店に足を運んでくれるお客さんにはどこか共通点があると思いませんか?それはその経営者の理念が定まっているからです。どのようなコンセプトから経営していくかを定めることでそこで狙うターゲットが集まるのです。
1人で経営していく中でこの理念が曖昧になっていることがあります。しかしたくさんの話し合いを重ねる中で共に信念を強く抱くのが共同経営の特徴です。その信念に共感するお客さんが集まるようになるのです。
1人の気持ちがブレても、そこで信念を抱き続けるパートナーが近くにいるということは経営を続ける上で最も大切なことなのです。
美容室独立を共同経営で行う際のデメリット
美容室の共同経営を始める前にやっておくこと #美容師 https://t.co/7SGbwnagpz
— 美容師お役立ち情報まとめ (@salon_matome) January 19, 2017
共同経営のメリットに改めて魅力を感じ、共同経営の話を進めようと決意した方も多いでしょう。何より独立を果たした後の美容室を守ることが先決なので、そのために共同経営は大きな盾になることは明確です。
しかしやはり懸念する気持ちも拭えません。独立を考える方の大半は雇われの身という立場からの自由を求めます。そして報酬を求めます。だからこそ独立問題が増える業界でもあります。
こうした気持ちもまた半減するのではというのが共同経営を躊躇させる理由でもあります。共同経営から考えられるデメリットもしっかり押さえておきましょう。
共同経営のデメリット①自由を感じられない
多くの方が懸念するのが感じられない自由です。美容室で雇われている間とどこか制限されているという気持ちを抱き、納得できないことも多かったでしょう。仕事にやりがいを感じたいのに不満ばかりが募る毎日に嫌気をさし、いつしか心に独立の言葉が浮かびます。
それなのに、共同経営となるとやはり自由にやりたいことができないと感じるのは仕方ありません。自分だけのお店なら自分1人に責任を課せられ、乗り切るためにも自分の方法で立ち向かっていきます。
しかし共に美容室を守る誰かがいるということは同じ気持ちを抱きながら働く相手がいるわけですから、気持ちは同じでもやり方の違いに、自分のやり方でやって欲しいのに…なんて気持ちが強くなります。
共同経営のデメリット②意思決定に時間がかかる
もう少し自分に合わせて欲しいとお互い思いながら、話し合いを行います。どちらもびようしつのけいえいを考えた上で抱く気持ちなので、言葉にして経営方針を決定しないといけません。
1人ならすぐに決められること、話し合いの場を設けなくても、そこに時間を費やさなくても済みますが、共同経営では必要な時間になり、また決定するまでも時間はかかります。
共同経営のデメリット③報酬面で問題が生じる
お金が関わる問題は避けたいところですが、報酬を受け取る人数が多ければ多いほど、この問題は避けられません。共同経営を始める前にこの問題での衝突を避けるために明確に決定していても、実際に働いてみると問題は生じます。
- トータルで働いている時間が違う
- 顧客数が違う
- 使用する材料が違う
- 作業にかかる時間が違う
さまざまなことからはじめに決定しているはずの問題に対しても、トラブルは起きてしまいます。共同経営の中でまさに避けたい事態ですが、やはり起こりやすい問題であり、お互いが納得するのも理解に時間がかかる問題でもあります。
美容室独立を共同経営で行う際にデメリットから分かる対策法
では共同経営のメリットを強く感じるためにも、デメリットとしてあげられる問題を回避するためにも、どのような対策法を取り入れたらいいのでしょうか。
共同経営なら美容室独立も簡単と考えている方も失敗の原因をすでに抱えていることになります。共同経営はデメリットの方が大きいと1人での独立にこだわる方もまた廃業という結末を迎える1人かもしれません。
大事なことは共同経営だからこそ考えておくべき対策法を明確にし、共に経営する相手としっかり計画を立てることです。
共同経営を成功させるためのポイント①パートナー選びを慎重に行う
どんなに仲のいい友達、気の知れた友人でも共に経営していくとなると衝突してしまいます。また期待してる気持ちが強ければ強いほど修復困難になることもあります。
共同経営をする中で求めるパートナーとしては、うまく経営していくためにも、自分にないものを持っている相手、分野を綺麗に分けることができる相手が理想です。
お互いに補うという面を考えることは大事なポイントなので、お互い同じことが得意で同じことが苦手という相手は、得意なことに関してはプロ並みの仕事をできるかも知れませんが、状況が変わることで対応できなくなります。
共同経営はメリットの方が多いと感じています。どこまでの規模の店を作るかによって変わると思いますが、二人で小さな店をやるなら、とにかく仲のいいヤツ、気の合うやつと組めばいい。でも店を大きくしていきたいなら、得意分野が違う人間を選ぶほうがいいと思います。二人の力で仕事を進めて行けるので効率的です。目指すゴールが同じ美容師同士であれば、うまくやっていけると思いますよ。
共同経営を成功させるためのポイント②取り決めを明確にする
共同経営で絶対に避けたい金銭トラブル。とは言え少し避けたい話題なので曖昧に決め事を作り始めてしまうケースが多くあります。はじめに避けてしまうことで開業後に大きなトラブルを招くことを避けるためにも、明確に決定しておくことが大事です。
【明確にしておくべき項目】
- 出資金額や割合について
- 曖昧だと関係がこじれる双方の職責・肩書き
- 主に受け持つ担当分野
- 変動もある報酬の毎月の決め方
- 利益分配の仕方
- 経理のルールについて
- 書面にしておくべき契約解除の規定・手続き
スタートしてしまった後では決定することが難しくなります。かと言って避けたい話題と曖昧にしておくと余計にこじれなしまいます。いかなる状況でもお互い合意できるように始めに明確にしておきましょう。
共同経営を成功させるためのポイント③コミュニケーションの機会を取ることを約束する
1人経営で美容室を開業するのであれば、問題が起きたとき、経営方針を変えようと考えたとき、自分のタイミングで時間を設けることができます。誰かのタイミングに合わせる必要はないので、自分だけのタイミングでできますが、気持ちのある1人の人間とコミュニケーションを図るとなると相手のタイミングも必要です。
自分だけの思いを一歩意的に伝えるだけでは経営状態を変えることはできません。そこで経営に関しての話し合いを持つ機会を設けるというルールも決めておくようにしましょう。
ルールがあることで自分のその日の気分という理由は通用しませんからね。長引かせることで経営難に陥る事態を避けられます。
またお互いを理解する気持ちから一方的に進めることはないでしょうし、仕事していく中でもお互いに領域に踏み込まないという気持ちも抱きます。共同経営をする中で共に過ごす時間の中で変にルールを決めないというルールもできるでしょう。
共同経営で美容室独立の夢を叶えよう
いかがでしたか?共同経営を懸念していた方も少し考え方を変えるだけで、進めやすい独立方法であるということが分かると思います。もちろん容易に考えるのは対1人の人間なのでトラブルを招くことになります。
せっかくの美容室独立をリスクを抑えながら考えるのであれば、共に同じ夢を抱くパートナーとの共同経営も1つの方法です。そのためには共同経営を成功させるために何が必要なのかについて明確にしておくといいでしょう。
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