2021年に上場したAguを運営する「AB&Company」以来の上場です。
メンズ特化型美容室の「LIPPS」、もはやメーカーでした。

LIPPS有価証券報告書
見えてきたのは、EC時代を勝ち抜くLIPPSの“良い感じ”の戦略でした。
美容室「LIPPS」が上場へ。久々の美容業界関連IPO
メンズヘアの最前線を走り続けてきた「LIPPS」が、ついに株式市場に登場します。
上場するのは、同ブランドを展開する株式会社リップス。
2024年6月、東証グロース市場に上場予定で、美容室関連企業としては、2021年の「AB&Company(Agu運営)」以来のIPOとなります。
売上37.6億円、営業利益7.2億円。実態は“メーカー”だった
決算数値もなかなかのものです。利益率がすごすぎますね。。
最新の2024年8月期実績は、売上37億6,092万円、営業利益7億2,097万円。
順調に成長しています。

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そのうち、実に約88%が商品事業によるもの。
つまり、サロン事業よりも物販(ヘアワックスなど)がメイン。これはもう、もはや美容室というよりメーカーです。

LIPPS有価証券報告書
ドラッグストアでもよく見かけますが、ここまで伸びてるのすごいですね。
LIPPS、OCEAN、GOALD──メンズコスメ市場を彩るブランドたち
LIPPSの定番アイテムといえば、やっぱりあのワックス。
“あの束感”を再現できると話題になり、一気にメンズコスメのトップランナーになりました。
そして、その文脈はOCEANやGOALDなど後のメンズサロンでも同じように商品展開がされています。
OCEAN TRICOは累計1000万個以上売れているとのこと。すごすぎますね。。

メンズサロンのワックス参入年
LIPPSはサロンでの年間40万件以上の施術データを商品開発に活用と記載しています。
これらメンズサロンの特徴として「実際のサロンワークでの体感」を製品化していったのが共通しますね。
面白いのが美容室発だけどドラッグストアでも販売しているみたいな点でしょうか。
メンズサロンとしての認知度を活かし、ドラッグストアに配下することで、サロン専売品的なポジションだけど身近に買えるというのが面白い展開です。
美容室の「メーカー」時代がきてる?美容師オンラインサロン発の「つるりんちょ」も爆発中。
美容師や美容室が主導で作ったヘアケアが売れる時代が本格化してきています。
最近でも縮毛矯正特化型オンラインサロン「髪にドラマを」発で生まれた「つるりんちょ」が、SNS発のバズでヒット商品になっています。
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ただ、めっちゃ新しいわけでもなく、古くはアフロートさんや、ZACCさんもシャンプー販売されていたんですよね。
メンズ系サロンさんは美容室専売ではなく、ドラッグストアやバラエティストアまで展開したのが斬新だったのかもしれません。ちなみに美容室ディーラーの領域でも多田さんなどが「プリュスオー」で大成功されています。
美容室ディーラー「多田」がチャレンジするメーカー進出。取引先であるミルボンの類似製品を発売し、アットコスメ1位を獲得。
海外展開もありえそうな「メンズワックス」領域。
LIPPSの強みは、単なるモノ売りじゃなくて「カルチャー」まで一緒に届けられる点です。
上場資料にも「海外展開」の展望が記載されていましたが、日本発のマンダム「ギャツビー」はインドネシアや海外でかなり売れています。

マンダム決算説明
OCEANやGOALDさんのワックスも海外で結構売れそうな気がしますね。もう売れているのかもしれません。。
久しぶりの美容室上場、見てみると美容室というよりメーカーに近いというのが中々面白い発見でした。