【KAMIU Biz×Agu】 外資コンサル出身の経営陣が見る美容室ビジネス Aguグループの戦略から美容室業界の最前線に迫る

こんにちは。KAMIU編集部です。

先日スタートした美容室業界をビジネス視点で取り上げる特集企画「KAMIU Biz」。
(美容室ビジネスの最前線に迫る!「KAMIU Biz」始動)

企画の第1弾として今最も勢いのある美容室であるAguグループとの連載をスタートします!

KAMIU Bizは美容室業界で起こっている事象をビジネスの視点で分析したり、注目美容室の取り組みを紹介する企画です。

今回の連載企画で取り上げるAguグループは年間の出店数が100店舗と日本で最も店舗を拡大している美容室です。
また、昨年ファンドから100億円の出資を受けており、さらなる成長のために様々な取り組みを展開しています。

まさに美容室ビジネスの最前線を知る、成功事例を共有するというKAMIU Bizの企画にうってつけの美容室です。
Aguグループとしても、自社のノウハウを知ってもらうことで業界全体を盛り上げたいとのことから連載企画が成立しました!

Aguグループの事業戦略から美容室業界の最前線に迫る!

今回の連載企画では2020年の株式上場を目指す、Aguグループの全体戦略と採用、マーケティングなどの個別戦略までを見ていきます。
Aguグループの取り組みを見ていくことで、業界全体がどのような方向に動いていくのか、個別の領域でどのようなトピックがあるのかなどを考える機会をご提供できればと思っています。

連載企画の第1回目は、昨年よりAguグループ本部の経営陣として入社し、先月取締役CSO(最高戦略責任者)に就任した北村さんにグループ全体の戦略をお伺いしました。

北村嘉崇(きたむらよしたか) 東京大学大学院農学生命科学研究科を卒業後、アクセンチュア株式会社にて、電機・通信業界を中心に多様な業界、業務領域での戦略立案、実行に携わる。パナソニックヘルスケアを経て2018年よりAguグループへ参加。2019年1月に取締役CSO(最高戦略責任者)に就任。

今回のインタビューでは、外資コンサル出身のAgu経営陣が美容室業界をどう見ているのか、Aguグループをどのように成長させようとしているのかについてお話を聞きました。

24万店舗のほとんどが個人店といわれている美容室業界において、どうしても目の前、直近の課題に目が行きがちで、ミクロ的には経営を捉えているものの、業界全体などマクロ的な視点で美容室ビジネスを見る機会は少ないかと思います。

そういう意味で、上場を目指し、国内1000店舗のマーケットリーダーになろうとしているAguグループの戦略を聞くことは今後の美容室業界の流れを掴むことにも有益だと思いました。

ぜひ最後まで読んでみてください。

外資コンサル出身の経営人が見る美容室業界

美容室は「人を幸せにできる」仕事

‐美容室業界に興味を持ったきっかけを教えてください。

今までのキャリアでは美容室、美容業界には縁がなかったので、転職をきっかけに初めて美容室業界に注目しました。

ただ転職は偶然ではなかったように思います。
といいますのも、前職で新規事業立案を担当していた際に人工知能やロボティクスについて深く知る機会があって、技術の発展によって最終的には「生きるため」ではなく、「人を幸せにするため」に働く時代が来ると考えるようになりました。
資本主義の次の時代として、お金の価値が相対的に下がり、より本質的な部分で、いかに幸せでいるかということがより重要になっていく時代です。

そういう世界では、料理を作るとか、人をキレイにするという「目の前の人を幸せにする」仕事の可能性がより大きくなると考えるようになりました。

業界のきついピラミッドをならしていく

‐外から見ていて、美容室業界に可能性を感じた部分があれば教えてください

1つ目は、先程もあげた「人を幸せにする」という点について美容室はとても可能性を持っていると感じています。
お客様にととても近い距離でコミュニケーションを取ることができ、「自信」や「幸せな気持ち」を与えることができるのはすごいことだと思います。

2つ目は、美容室業界はオーナー一人がめちゃくちゃ稼いで、スタッフが全然稼げていないというところに問題のある、すごく傾斜のきついピラミッド型の業界だと感じていました。
そこに対して、業務委託やフランチャイズモデルできつい傾斜をならしていくという部分にすごく可能性を感じています。

業務委託でしっかり稼げることで、全国の美容師の平均年収284万円よりもはるかに高く稼げますし、スタイリスト本人が独立しようと思った時に蓄えが十分持てることで成功しやすくなると考えています。
美容師のキャリアでは、40歳前後で独立するケースが多く、それまでの蓄えの多さで経営の安定性にも影響します。また、若くして独立できれば銀行の融資も受けやすく、多店舗展開もしやすくなります。

さらに実は時短勤務の働くママさんの統計をとると、平均で月20万円程度(2018年平均237万円)稼いでいました。
短時間の勤務でも十分に稼げるということは、育児中のママさんやプライベートを充実されたい方にとって「美容師を続ける」という選択肢を提供できて良いことだと思います。

様々な理由で美容師資格を持っていても辞めてしまっている「休眠美容師」の方がまだまだ多くいるので、そういう方にとって業務委託はマッチした働き方だと思います。

Aguグループの強みは「教育」にあり

国内1000店舗を実現するだけのマーケットは充分ある!

‐続いてAguグループの戦略について教えてください。
業界として市場規模が1.5兆円弱で年々縮小している状況ですが、目標とされている1000店舗はずばり達成可能なのでしょうか?

Aguグループは「プチプライス」という価格帯でF1層(20~34歳までの女性)をメインターゲットにしていますが、十分に展開できると考えています。

プチプライスの美容室は今でこそ都心には増えていますが、地方ではまだまだ根付いていません。地方だと個人店でそこまで洗練されていない美容室も多く、そこにおしゃれでリーズナブルな店舗の出店は、キレイになりたい若者のニーズを満たせると考えています。

他にも考えられる点は多くあり、日本全体でまだまだAguグループが進出できる地域、フロンティアはたくさんあります。


‐既に全国に展開されていますが、エリアの重複など出店しにくくなってきているのではないですか?

同一エリアに複数の店舗があることは全く問題ありません。複数店舗があるからお客様が分散してしまうという考えではないからです。

Aguの店舗がお客様にしっかり満足してもらっていれば、同エリアに出店しても、むしろその地域の他のサロンで満足されていないお客様が来店して下さり、単純計算でお客様数は2倍になると考えています。

実際に仙台や札幌などは駅前に9店舗ほど出店し、成功しています。

成長の源泉は「スタイリストの確保」と「教育」

‐市場としては十分に1000店舗を展開可能ということですね!確かに24万店舗の美容室があることを思えば、ターゲットとする市場は十二分にあると言えるかもしれませんね。
その中で実際に1000店舗を達成するためのポイント、Aguの強みは何だと思いますか?

よくAguの強みはマーケティングによる集客と言われますが、最大の強みは教育にあると考えています。

1000店舗達成にはスタイリストの確保が物理的に最も重要ですが、うまく成長サイクルを回していくためには店長、マネージャーの教育こそが隠れた鍵だと考えています。

Aguでは年間100店舗くらい出店し、スタイリストの採用も400~500名程度と多いのですが、店長も年間に100人、マネージャーも20人ほど育てないといけません。

店長の良し悪しで、お店の売上が2倍程度変わったりします。
店長がしっかりしていないと、現場のスタイリストの施術・接客レベルが保てないし、それによってお客様の満足度が下がれば、最終的にスタイリストの給与が下がって離職につながってしまいます。店長の成長がAguの成長に直結することになる訳です。

逆に、お店のマネジメントを適切に行なって、採用したスタイリストがしっかりとスキル、意識を向上させることでお客様の満足度や指名数が高まり、結果的にスタイリストの給与や満足度も高まっていきます。スタイリストの満足度が高まると、そのスタイリストの紹介で友人のスタイリストも採用できるようになり、店舗を増やすことができます。
店舗を増やすことができると、お客様が増え、満足したお客様の評判によりブランド力が向上します。そうすると、Aguで働くことがステータスになり、さらにスタイリストの方を獲得しやすくなっていきます。

これが理想的な成長サイクルです。

この成長サイクルを回すためにも店長、マネージャーの教育が成長の鍵といっても過言ではありません。

他にも、業務委託サロンは歩合制なのでスタイリスト一人あたりの施術数が給与に直結するため、人員配置が店舗運営上重要な役割を果たします。

休みは少なくても多く稼ぎたいというスタイリストが多い店舗では余剰の人員を抱えてはだめだし、ママさん美容師が多い店舗などではある程度人員に余裕を持たないと厳しいです。また、ホットペッパーのクーポンも、地域に合わせて作る必要があります。

こういうマネジメントを店長、マネージャーレベルでしっかりとこなせるようになると成長サイクルもドンドン回していくことができます。

私自身、他業界からきているので、業界にない発想や手法を駆使して、マネージャーや店長をどんな業界でも通用するレベルにまで持っていき、グループの成長を加速したいと考えています。

そのためにも常に成長サイクルの各ステップがうまく回るように施策を打ち、それでもうまく回らないときには各ステップの是非を検討するなど、チューニングをすることが重要だと考えています。

学べる環境、学ぶ文化がAguグループには存在する

‐具体的にはどのような育成を実施されていますか?

店長、マネージャー向けに定期的に勉強会を開いていて、そこで美容室経営やマネジメント、接遇、情報発信などについて学べるようにしています。

通常の美容室だとたまに外部セミナーへの参加や、社内でカリキュラムの整備がされていない場合が多いのかもしれませんが、本部やFCオーナーでコーチングやワークショップの資格を持ってる人材がいるので、グループに必要な要素を年間のカリキュラムとして内製化しています。

‐教育コンテンツを内製化しているのはすごいですね。内製するからこそ必要な要素を体系立てて習得することができそうです。

もちろん自分が入って新しく作ったコンテンツもありますが、元々学ぶ、教える文化がありました。過去にFCオーナーやマネージャーが主体的に実施していた内容も多く、それを体系立てたという意味合いが強いかもしれません。

業務委託サロンでは珍しいかもしれませんが、Aguグループではもともと教育の文化が根づいていて、FCオーナーからマネージャー、マネージャーから店長へとその文化が継承されています。

これは、社長の考え方が大きいと考えています。例えば、本部の運営で利益のでている店舗でも、経験を積ませるためにFCオーナーに売却することがあります。既に利益のでている店舗をFC化してしまうことは、利益をそのまま譲ってしまう側面もありますが、成長する機会、学ぶ機会を提供するためにそこまでするということです。

FCオーナーにもこういう考え方は伝わっていて、例えば、既に多くの店舗を展開しているFCオーナーが、マネージャーや店長に経験を積ませるためにあえて出店するというケースもあります。

人の成長のために会社を成長させるという文化があるのは、他の美容室にはないAguの大きな強みかもしれません。

接客を科学する

プチプライスの提供で持続的なキレイを実現する

‐ここまでどちらかというと対スタイリスト向けのお話を多くお伺いしました。一方で、対お客様向けにはどのような戦略、施策を考えているのでしょうか?

1つ目はプチプライスというものをしっかりと提供していきたいと考えています。

なぜなら自分がキレイになりたいというタイミングですぐに美容室に来られるということがお客様の人生の満足度にとってすごく重要で、例えば3ヶ月に一度しか来店できないと自分がキレイ、カワイイと思える一番良い瞬間が3ヶ月に一回しか来ません。

だけど、これが月に一回であれば、3倍違ってきます。しかも、自信とかそういう気持ちの類は密度がとても大事で、3ヶ月に一度より月に一度の方がしっかりと持続させることができます。
Aguの場合客単価が5000円ほどなので、仮に3ヶ月に一度1万5000円~1万8000円で施術するのが平均とすると、十分に月一回、月二回と通ってもらえる価格設定にしています。

入店から退店までのお客様の体験を設計する

‐確かに5000円であれば、月一回、頑張れば月二回でも通えちゃいますね。他にはどのような取り組みをされているのでしょうか?

一つは、美容室の中に入ってから外に出るまでお客様が、自分が「キレイになる」、「リラックスできる」ということに集中してもらいたいと考えています。

例えば、店長、マネージャー向けに、入店から退店までをフェイズで区切ってお客様の気持の変化を考え、最高の状態に持っていく方法を考えるワークショップを実施しています。


ここでは、心理学的なアプローチに基づいて単に同一のポジティブな感情をずっと継続させるのではなく、ポジティブな感情の中でも質的に変化させるように意識しています。楽しいというプラスの感情をずっと続けるのではなく、嬉しい、感動といった別の感情をもたらすことで満足度が上がる傾向があるからです。

また、お客様のネガティブな感情を引き出さないための仕組みも導入していて、「タブレット」や「キャッシュレス」といったデジタル化を進めています。

タブレットと雑誌アプリを導入することで、読みたい雑誌がないとか、髪が雑誌に挟まっているなどの不必要なネガティブ感情を未然に防ぐことができます。
PayPayなどのモバイル決済によってキャッシュレス化を実現することで、自分のお財布からお金が物理的になくなっていくというネガティブな感覚をなくせます。
お客様と接する部分ではどうしてもスタイリストの「人間力」が問われがちですが、研修やシステムによって、より良いコミュニケーションを生むような仕組みやネガティブな感情を生み出さない環境を作っています。

編集後記:本部機能とFC制度の調和がAguグループの経営の鍵

Aguグループの連載企画第一弾はいかがでしたでしょうか?
面白かったのが、通常のFC制度では本部であるフランチャイザーと加盟店であるフランチャイジーは主従関係に陥ってしまいがちですが、AguグループではFCオーナーの方も経営の一端を担っているという点です。

経営陣である北村さんは、外資コンサル出身ということもあり、非常にロジカルに戦略を立ていらっしゃるのですが、一方でエモーショナルな部分もとても大切にされていて、うまくFCオーナーの方と連携されていることがお話からわかりました。
今回お話をしていただいた戦略についても実行されなければただの机上の空論で終わってしまうのですが、FCオーナー、マネージャーという媒介者が現場に着実に落とし込むことで機能しているのだと感じました。
本部とFCオーナーの調和こそがAguグループの強みなのかもしれません。

今回は、Aguグループの全体戦略について取り上げましたが、次回は「採用・教育」「海外戦略」「デジタル化」「FC制度」などの個別テーマについて掘り下げていきたいと思います。
より具体的なテーマとなるので、普段の美容室経営により役立てやすい内容になっています。ぜひ次回をお楽しみに。

Aguグループ概要・採用情報リンク

Aguグループ情報

Aguグループの公式HP、Instagramです。

Aguグループの取り組みをもっと知りたいという方は北村さんのnoteもおすすめです!
北村 嘉崇@元コンサルでIPO目指す美容室CSO/戦略とかブランディングとか業務改革とか

 

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Aguグループ採用情報

Aguグループではスタイリストの方の募集を積極的に行っています。
Aguで働いてみたい!気になる!という方は下記記のKAMIUの取材記事も読んでみてください。
【直撃取材】店舗数300以上!急成長を続けるAgu hair(アグヘアー)での働き方の実態は?→スタイリストに応じた多様な働き方を実現していた

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項目詳細
雇用形態スタイリスト:業務委託
アシスタント:正社員
募集職種・技術ランク幹部候補/スタイリスト/アシスタント
勤務地北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 岡山 広島 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
給与スタイリスト:完全歩合制 歩合率40%~50%
※ダブルワーク勤務の方も歓迎!
アシスタント:月給制(地域により異なる)
休日スタイリスト:自由出勤(シフト制)
アシスタント:完全週休二日制
各種手当教育制度/撮影手当/指名手当/幹部手当/独立支援制度/紹介手当/各種イベントあり/社員寮完備

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