理美容椅子世界トップシェア!美容室メーカー「タカラベルモント」の売上高を分析

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日本は美容室や美容師が多く、美容業界では競争過多が起こっています。サロンからは、質の高い薬剤や便利な設備を求める声が多く、美容室専売品の需要は安定して高いです。そのため、多くの美容室メーカーがあり、有名な老舗メーカーなどではアリミノ、ミルボン、ナプラなどが挙げられます。これらのメーカーは販売市場が主に日本です。一方、タカラベルモントは海外進出にも積極的で、世界的で活躍している企業です。

世界的企業であるタカラベルモントの売上高は558億円 (2016年)と他の企業を圧倒しており、美容業界に与える影響も大きいです。

美容室メーカー「タカラベルモント」とは

出典:http://www.tb-net.jp/tb-square/concept.html

タカラベルモントは1921年に創業し、理美容部門には1931年以降に進出しました。現在では、理美容椅子からシャンプーユニット、セットミラー、水回り設備機器まで様々な理美容設備品の販売を手掛けています。特に、タカラベルモントは理美容椅子が世界トップシェアを誇っており、世界的な大企業です。また、設備品だけでなく、頭髪化粧品の販売にも力を入れており、ヘアカラー、パーマ、スタイリングなどに関連した幅広い薬剤を開発・販売しています。他には、製品販売に加え、サロン経営支援などのサービスも行っています。

タカラベルモントの歴史と沿革

年度戦略と出来事
 1921年「宝鋳造所」として創業
 1931年 理美容椅子の販売開始
 1966年 WELLA社と提携
 1967年 歯科・医療分野へ進出
 1973年 エステティック分野へ進出
 1977年「ルベル化粧品」立ち上げ
 1997年 ネイル分野へ進出

タカラベルモントの転機であった重要な出来事を表にまとめました。

1921年:創業~理美容椅子の販売へ

1921年に「宝鋳造所」として創業しました。名前の通り、創業当時は日用品鋳物を製造する会社でした。1931年から理美容椅子の販売を開始し、美容業界に参入し始めました。参入のきっかけはなんと、理容室椅子最大手のコーケン社の椅子を修理していた経験から、、と言われています。ヤマハとにていますね。

タカラベルモント製の初期モデルは本革張りで作られており、リクライニングのみの簡易な椅子でした。その後、数年ごとに新モデルが開発され、現在に至るまで約40種類ほどの商品を展開してきました。タカラベルモントは長年の豊富な研究データを持っており、新商品が発売されるたびに改良が実現されてきました。2014年に発売された「マーヴェル」は全てのお客様が心地よく座れることを追求した究極の理容椅子です。

1966年:WELLA社と提携~そして、自社PBのルベル化粧品の立ち上げへ

西ドイツ (当時)のWELLA社と提携して、頭髪化粧品事業に進出しました。この時期から、海外を視野に入れていたことが伺えます。のちの1977年には、自社ブランドである「ルベル化粧品」を立ち上げるまで成長します。海外進出や子会社の設立に積極的で、現在では主要子会社が国内11社、海外に14社あります。

事業多角化の歩み

1967年に歯科・医療分野に進出し、歯科・医療機器の製造を開始しました。デンタルユニットやチェア、診察台、手術台などの歯科・医療機器を製造する際には、理美容で培ってきた技術が応用されました。

1973年にはエステティック機器が販売されるようになりました。機器を使ったエステティックを日本に初めて導入したのがタカラベルモントであり、翌年にはエステアカデミーを開講するなど、日本に新しい事業を樹立させました。

1997年にはネイル分野に進出し、化粧品の販売やタカラ・インターナショナルネイルカレッジを開校しました。このように、美容に関する様々な事業を行うことでタカラベルモントは美容のプロフェッショナルという位置づけを確立しました。

理美容・化粧品部門が好調!タカラベルモントの売上高

出典:https://www.flickr.com

タカラベルモントは創業96年であり、非常に長い歴史のある企業です。そのため、幅広い商品を開発・販売しており、理美容・化粧品だけでなく医療製品も扱っています。日本だけでなく、海外にも製品を販売しており、企業全体としての売上高は他の美容室専売品メーカーを遥かにしのぐ売上高558億円 (2016年)です。

タカラベルモントの売上高推移の予測

近年のタカラベルモントの売上高をグラフにしました。グラフの売上高は企業全体としての売上高で、理美容・化粧品が部門ごとの売上高です。企業全体としての売上高も部門ごとの売上高もこの2年間で横ばいであることが分かります。美容業界は常に需要がある業界で、景気に左右されにくいため、ブランドが確立されて、メジャーな商品になると安定して売れ続けるのかもしれません。特に、最近では独立する方が多く、1年間にサロンが10000店舗も新設しています。そのため、タカラベルモントが安定して売上高を出しているのも納得です。

海外事業部は難航?タカラベルモントの地域別の売上高予測。

売上高の内訳を日本と海外に分けてみました。海外の主な販売地域は米州・欧州・アジアなどです。2016年、2017年共に海外での売上高は約1割ほどで、販売のメインは日本です。割合でみると海外での売上高は少なく感じますが、創業約60年のアリミノ、ナプラの売上高(2016年)がそれぞれ90億円、170億円であることを踏まえるとタカラベルモントの海外市場も十分に大きいことが伺えます。

海外市場での売上高が占める割合がまだまだ小さいですので、今後、海外での伸びしろが期待できます。

 

売上試算に使った記事一覧:
タカラベルモント企業データ2017年
タカラベルモント企業データ2016年

上場している?タカラベルモントの株価は

売上高が大きく、子会社を多く持っているため上場しているのではないかと思う方が多いかもしれません。残念ながら、タカラベルモントは非上場です。今後、上場するようなことがあれば、株価が気になるところです。

まとめ

タカラベルモントは、様々な事業を展開しており売上高も安定しています。美容業界の需要はなくなることがないため、今後も好調な売れ行きが続くのではないでしょうか。多くの美容設備機器を販売していますので、美容関係者の方や美容室を開業しようと考えている方は必ず関わってくる企業です。

タカラベルモントのこれからの動きが必見です!